昨夜、YouTubeで、『2016年大統領選アメリカ分断の背景に迫る「アメリカン・カオス」』というドキュメント映画を見て、衝撃を受けた。
仕事をしながらの「ながら見」だったので、細かい部分は把握していないが、非常に重要な映画だと思った。
ある普通の40代か50代のアメリカ人男性が語るという形の映画だ。
彼は、2016年のアメリカ大統領選挙の共和党候補に、ドナルド・トランプが選ばれるかもしれないという話に、驚くというより、怒りや絶望のようなものを感じていた。
政治も軍も経験のない70歳の男が、アメリカの大統領になるかもしれない。
それだけでない、当時から既にトランプは大変な有名人だったが、良いイメージがない。
ニューヨークの不動産王で大富豪というだけでなく、テレビタレントとしても人気があるが、良識ある中高年には、トランプは、とてもではないが好感の持てる人物ではない。
ナルシストで自惚れ屋で、自分の富を見せつけるようなこともよくやり、自己中心的で、暴言を吐きまくる。
そういえば、私はテキサスの大富豪であり、大統領選挙にも出馬した実業家のロス・ペローの自伝を読んだことがあるが、ペローはトランプのことを「ニューヨークの目立ちたがり屋」など、こき下ろしていたものだった。
では、ペローはどんな人物か?
ペローは、自分の会社の社員達がテロリストの人質になった時、自ら敵の陣中に交渉に行き、見事社員達を取り戻したが、後に、「やつらも、まさかこんな醜い男が社長だとは思わなかっただろう」と言ったことに、彼の人物が表現されていたと思う。
トランプは、そんな立派な人間にケチョンケチョンにされていたわけだ。

トランプが共和党大統領候補選に出馬した時、あらゆるメディアは、それを茶番扱いし、有名コメンテーター達も揃って「絶対に彼が大統領になることはありえない。それは保証する」と切り捨てた。
ところが、トランプは、共和党予備選で圧勝し、共和党の大統領候補として、民主党のヒラリー・クリントンと大統領選を争うことになってしまった。
メディアはトランプをこき下ろすが、一方で、大変な数のトランプの熱狂的な支持者達がいる。
このドキュメント映画の主人公の男は、メディアのコメンテーターや著名人のようにトランプを貶すだけでなく、なぜ、多くの人がトランプを強く支持するのかを理解したいと思うようになった。
そして、トランプ支持者達・・・底辺の労働者から成功した人達、教養のない人達からインテリまで、話を聞いて回った。
すると、彼らは、伊達や酔狂でトランプを支持しているわけではないことが分かった。
トランプの悪いところも理解しながらも、トランプに強い共感を感じている。
トランプは、これまでの政治家と全く違う。トランプは、汚いことも言うが、嘘は言わない。一方、政治家達は、言葉はきれいだが、嘘ばかり言うのだ。
トランプは、実は、当たり前のこと・・・つまり、常識的なことを言うことに気付いた時、皆、トランプが好きになるのだ。

そういえば、今(2024年10月)から少し前、トランプがまだ副大統領候補を決めていない時、トランプは、副大統領候補の第一の条件として「常識のある人物」と述べていた。
また、最近、共和党員になった、民主党の大統領候補にもなったことがあるトゥルシー・ギャバードについて、彼女がトランプの演説集会に登場した時、トランプは「彼女は常識がある人物。常識は大切だ」という言葉で彼女を称賛した。
トランプは裕福な家で育ち、大富豪になったが、なぜか、労働者のことをよく理解している。
社長が末端の従業員のことを知っているのは不思議なことのように思われるが、トランプは今でも、自分が経営するホテルのドアマンを名前で呼び、「息子は元気か?」と尋ねたりする。
それを驚く人が多いが、よく考えたら、それはある意味、当たり前で、そんなことに驚く人の方がおかしいのかもしれない。

確かに、大手メディアは民主党寄りであり、トランプをロクでもない人物であるという印象操作をしている面はあるが、よく考えたら、トランプは元々、ロクでもない人物であるという一面はあったのだ。
それでも、トランプは嘘は言わない。間違いや誇張はあるかもしれないが、意図的な嘘は言わないのだ。
トランプは、バイデン、ハリス、オバマ、ヒラリーらを「嘘つき」と言うが、実際、彼らは本格的な嘘つきであるかもしれないし、かなりの嘘がバレている。たとえば、ハリスが中流階級で育ったとか、バイデンが、彼の息子がウクライナや中国で不正な利益を得るのに関与していないというのは、嘘であることは分かっており、それをもってトランプは「嘘つき」と言うだけだ。そして、政治家達の嘘は多過ぎるのだ。

常識があること、嘘をつかないこと。
こんな当たり前のことが最も大切であることが、改めてよく分かったと思う。
尚、引き寄せにおいても、やはり最も大切なことは、常識と正直であると思う。
無論、思いやりのある嘘は良いが、引き寄せが出来るのに嘘を言う必要は全くない。
嘘を言うということは、引き寄せの力を拒否していることになるのである。

◆当記事と関連すると思われる書籍のご案内◆
(1)トランプ自伝(ドナルド・トランプ)
(2)トランプの真実 ~トランプ・ファミリーとホワイトハウスの素顔~
(3)大富豪ロス・ペローという男
(4)ヒルビリー・エレジー ~アメリカの繁栄から取り残された白人たち~(J.D.ヴァンス)

引かない女
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Kay

  
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