『金の斧』というイソップ寓話は、全くおかしい。あれでは、本当に大切なことが分からない。
ひょっとしたら、改ざんされているのではと思う。

『金の斧』は、ご存じと思うが、だいたいこんな話だ。
木こりの男が、うっかり斧を川の中に落とす。
木こりの男が困っていると、ヘルメース神が現れ、ヘルメース神は金の斧を川の中から取り出し、
「お前が落としたのはこの金の斧か?」
と尋ね、木こりの男が「違う」と答えると、ヘルメース神は、次に、銀の斧を川の中から取り出し、
「では、この銀の斧か?」
と尋ね、木こりの男は、また「違う」と答えた。
最後に、ヘルメース神が、木こりの男のものである鉄の斧を川の中から取り出し、
「では、この鉄の斧か?」
と尋ねると、木こりの男は「そうです」と答えた。
ヘルメース神は、木こりの男の正直さに感心し、鉄の斧を返すと同時に、金の斧と銀の斧も与えた。

全く駄目な話だ(笑)。
真のお話はこうだ。
3度目に、ヘルメース神が鉄の斧を川の中から取り出し、「これか?」と木こりの男に尋ね、木こりの男が「そうです」と答えたのまでは良い。
この時、ヘルメース神は、「よし、お前に返す」と、鉄の斧を木こりの男に渡すと、木こりの男は深く感謝したのだ。
その感謝は自然に湧いた、嘘偽りのないものだった。
木こりの男の、その真実の感謝を見て感心したヘルメース神は、木こりの男に、「これもやろう」と言って、金の斧と銀の斧を渡したのである。
まあ、実際は、沢山の金貨と銀貨を与えたのだろう。
そして、第2の木こりの男は、別に、この正直者の第1の木こりの男から話を聞いて、計画的に川の中に斧を落としたわけではない。
単に、うっかり落としたのだ。
そして、この第2の木こりの男も、第1の木こりの男と同じように、一応は正直に答えたのだ。
だが、ヘルメース神から鉄の斧を受け取った時、第2の木こりの男には、感謝の気持ちが湧いてこなかったのだ。
「やれやれ、また働かなくてはならないのか」とでも思ったのだろう。
それで、ヘルメース神は、この男に鉄の斧だけを渡し、去ったのだ。
この第2の木こりの男には、別に罪はない。
ただ、自分がしたい仕事をすべきだったのだ。

『金の斧』のお話は、引き寄せのテキストである。
第1の木こりの男の精神を、アファーメーションにすればこうなる。
「私は、私の斧が返って来て、とても幸せで感謝しています」
アファーメーションは、このように唱えると、願いは叶う。
ヘルメース神が現れたというのは、あくまでたとえである。
鉄の斧を失くした木こりの男が、このようにアファーメーションをすれば、まず、自分の斧が返って来るか、同等のものが得られる。
そして、さらに加えて良いことがある。
なぜなら、この感謝は自然だからだ。
このアファーメーションを一般的にすれば、こんな感じだ。
「私は、銀行預金が1億円あり、とても幸せで感謝しています」
このアファーメーションも、ここで時々書いている、科学的で自然な感謝の法則に則っている。
何より、このように唱えることは気持ちが良いことを感じるだろう。
ただ、願いが本当の願いでなければ、気持ちが良くなく、感謝の気持ちも湧いてこないだろう。
本当に幸せに感じることを願うべきである。
そうでなければ、引き寄せは起こらない。

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(1)イソップ物語 その恐ろしい真相(五島勉)
(2)世界はどうしたってあなたの意のまま(ネヴィル・ゴダード)
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リトルプリンセス
AIアート1269
「リトルプリンセス」
Kay

  
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