自分はモテると思っている人がモテ、宝くじが当たると思っている人が当たる・・・と思っている人が多いかもしれない。
引き寄せでは、そのように言われることが多いと思う。
だが、それは本当だろうか?

ゴーリキーの傑作短編小説『二十六人の男と一人の少女(女)』に、モテモテの男が登場するが、彼は自分でも認める駄目男である。
そんなモテモテ男が、俺は駄目な男だが、どういうわけか女にだけは不自由したことはないと言う。
つまり、彼だって、自分がモテるとは思っておらず、自分でもモテるのは、ある程度不思議なのだ。
モテる女だって、もし、「どんな男もあたしにメロメロよ」なんて言っても、それはあくまでジョークだ。そんなこと、本当に思っていたら頭のおかしな女だ。
また、自分がモテると思っている者は、男でも女でもモテないものだ。
実際、そんなやつは多いが、それは幼稚なのか馬鹿なのかである。

早速、本当のことを言えば、モテるやつは、自分がモテないとは思っていないだけだ。
モテないやつは、自分がモテないと思っているか、自分がモテると思っている馬鹿である。

困難なことをやり遂げる者は、「俺なら出来る」なんて思っているわけではない。
やったこともない難しいことが出来ると思うのは馬鹿だ。
その者はこう考えているのだ。
「難しいことは分かる。でも、出来ないとは限らない」
そして、とんでもなく難しいことに挑み、奇跡的にやり遂げる者はこう言うのだ。
「可能性はある」

10万円なら簡単に稼げる人は、「10万円なら稼げる」とは思っているかもしれないが、実際は、確信してはいないものだ。
だが、「10万円くらい、稼げないことはない」とは確信しているのだ。
月に30万円稼ぐことが自分の器だと思っている人が、「私は月100万円稼げる」と思うことは出来ない。しかし、「月100万円を稼げないとは限らない」と思うことなら簡単で、そう思えば、やがて100万円稼げるようになる。

自分はいくら預金出来るかと考えると、せいぜい、一千万円とか二千万円と思う人が多く、一億円と思える人は滅多にいない。
しかし、「可能性がある」というだけなら、一億円でも十億円でも思えるものだ。
だから、こう思うと良い。
「百億円でも可能性はある」
すると、本当に必要な額・・・十分に有難いと思う額は楽々と手に入ると思う。

『柔』という美空ひばりさんが歌った歌の出だしは、
「勝つと思うな思えば負けよ」
で、これは非常に良い言葉である。
しかし、同時に、
「勝てないとは思わない」
と言わなくてはならない。
特に、相手が超強敵の場合は、
「勝てないとは限らない」
と言うことが大切である。

◆当記事と関連すると思われる書籍のご案内◆
(1)ゴーリキー短篇集 ※『二十六人の男と一人の少女』含む
(2)二十六人の男と一人の女~ゴーリキー傑作選~(ゴーリキー)
(3)マスターの教え(ジョン・マクドナルド)
(4)新約聖書 福音書 (岩波文庫)
(5)ラーマーヤナ(上) (レグルス文庫)

古い街
AIアート1166
「古い街」
Kay

  
このエントリーをはてなブックマークに追加   
人気ランキング参加中です 人気blogランキングへ にほんブログ村 哲学・思想ブログ 人生・成功哲学へ