引き寄せが出来ない人は、引き寄せの重要な問題から逃げているのである。
「重要な問題から逃げる」ということについて、心理学者の河合隼雄さんの京大での最終講義である『こころの最終講義』に書かれていた、次のエピソードが私に刺さった。
不登校の子供を持つ父親が河合隼雄さんに、
「先生、子供が学校に行くスイッチってないですか?」
と尋ねた話だ。
この父親は、子供の重要な問題に向き合う気は全くないのだ。
それで、面倒でない、簡単な方法を求めるのである。

引き寄せが出来ない人も同じで、
「引き寄せが出来るスイッチってないですか?」
と言うのである。
不登校の子供が学校に行くスイッチがないのと同様、引き寄せが出来るスイッチもない。

どうすれば良いのかというと、こんな喩えが役に立つ。
母の日に、母親に、花をあげる人がいる。
そんな時、多くの母親は憂鬱になる。
花束の場合は、
「この花生ける花瓶あったかしら」とか「花瓶、出すのが面倒だわ。ホコリまみれだから洗うのも億劫だし」
で、鉢植えの場合は、
「置く場所、あるかしら」「毎日、水やらないといけないのかしら」
と思って気が重くなる。
そして、花が枯れた時の捨てる手間も、思うとゲンナリする。
土台、余裕あるスペースに住み、空いた花瓶がいつも常備されているお年寄りなんて、そうはいない。
だが、花を贈った方は、それで何か良いことをした気になって満足する。
愚か者である。
つまり、上の話であれば、これが「親孝行のスイッチ」だと思っているのだ。
親孝行のスイッチなどない。
年老いた親を旅行に連れて行く人もいるが、これはどうだろう?
これも「1日か2日、我慢して旅行に連れて行けば、数年は何もしなくても不道徳にはならないわ」といった、「スイッチ1回押せば数年大丈夫」という思惑があるのだ。
大概の老人は、旅行に行くより、家でいつものテレビ番組を見てのんびりしたいのだ。
では、スイッチでない本当の親孝行とは何か?
「出来るだけ顔を見せてあげなさい」という馬鹿も多い。
そんな不味い顔、誰が見たいものか(笑)。
本当の親孝行とは何か?
こんな当たり前の問に答えられる人が滅多にいない。
それは、親が困っている問題を解決してあげることだ。
しかし、これは、ほとんど誰もやってあげようとしない。
それどころか、親が困っていることを話す素振りを見せたら、慌てて逃げだすのだ。あるいは、そんなことを聞かずに済むという理由で親に近付かないのだ。電話もさせない雰囲気をいつも出していたりする。
まあ、それで親は鍛えられるのだから、そう悪いことばかりではないのだが。

では、引き寄せの重要な問題は何かと言うと、「自分のやり方でやる」である。
そして、卑しくも引き寄せが出来る者が持っている心構えは、
「文句を言わない」
「楽をしない」
「言い訳しない」
である。
まあ、「楽をしない」と思っていたら楽になるが、「楽をしよう」と思ったら苦しいことが多くなる。
他のことも同じである。
一言で言えば、何かのアニメの歌(作詞はタツノコプロの社長だったと思う)のフレーズにある、
「真っすぐ胸張って、受け止めてやるさ俺の宿命」
である(『愛あるかぎり』。アニメ『新破裏拳ポリマー』エンディング曲)。

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(1)こころの最終講義(河合隼雄)
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(4)成功の扉(マイク・ハーナッキー)
(5)マスターの教え(ジョン・マクドナルド)

水の潤い
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Kay

  
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