自動車の運転は、初心者の時は難しいが、慣れてしまえば簡単だ。
そんな運転に慣れた者が、初心者に「どうすればそんなに簡単に運転出来るんだ?」と聞かれても困る。
「私は慣れているから簡単なのだ」が答なのだが、言い換えれば「別に方法はない」だ。

それは何事も同じだ。
私は子供の時、特技を持つ子供に「どうすれば、そんなことが出来るんだ?」とよく聞いたが、聞かれた子達は、困った顔をしたり、面倒臭そうだったり、可笑しそうだったりといった反応をし、私のそんな質問にはまともに取り合わないものだった。
その子としては、「慣れてるから」ということも分からないくらい当たり前なのだ。
「練習したから」とか「教えてもらったから」と言ううちは、まだそれほどの技量ではない。
大人の場合は、「場数を踏んでるから」と答える場合があるが、それも取って付けたような答だと思う。
そもそも、本当に出来る者は、「なぜ出来る?」と聞かれたら、「何おかしなことを聞くのだろう?」と感じるのだと思う。
私だって、「なぜプログラミングが出来る?」と聞かれたら、「勉強した」なんてことは相手も分かっているだろうし、「出来るから出来るんだ」としか言いようがない。

引き寄せがあるかないかといった話すらあるが、引き寄せこそ、あらゆる能力の中でも最も基本的なものであり、上で述べたことが最も純粋に当てはまる。
やり方なんてないし、ピアノやプログラミングのような勉強や練習の必要もない。
最も似ていると感じるのは、自動車よりは自転車の運転だ。
自転車というのは、左側から乗るものだが、私は誰からも乗り方を教わらなかったので、子供の時は右側から乗っていた。そんな子供は他にいなかった。
つまり、自転車は教わったり、練習しなくても乗れるが(最初はたどたどしいが)、引き寄せも、そんなところが似ている。

それでも、敢えて言えばどうなるだろう?
自転車に乗れない人が、当たり前に乗っている人に「どうしたら自転車に乗れますか?」と尋ねられたら、何と答えれば良いだろう?
それは、「乗りたいなと思う」ことだ。
藤子不二雄さんの漫画『パーマン』で、パーマンはパーマンのマントを装着することで空を飛べる。
ところが、パーマンのマントを奪った男が、マントをつけて飛ぼうとするが飛べない。
その男はパーマンに「どうやったら飛べるんだ?」と尋ねると、パーマンは「飛びたいなって思えばいい」と教える。
私は、子供の時にそれを見て、非常に感激した。
それが、この世の基本である引き寄せの真理だ。
引き寄せのやり方を敢えて言えば、「引き寄せたいな」「欲しいな」「そうなって欲しいな」と思うことだ。
ただし、それは、自転車に乗れる者が自転車に乗る時に、「自転車に乗りたいな」と思うくらい気楽でなくてはならない。
好きだが全く親しくない女の子(あるいは男の子)とデートするのだって、あまり強く「デートしたい」と思うとうまくいかないが、気楽に「デートしたい。しよう」と思ったら簡単に出来る。
我々は、欲望を掻き立てることに慣れ過ぎ、気楽さを忘れてしまっているのだ。

俳優のジュリアーノ・ジェンマが、映画の中で「跳ね起き」という特技をよく披露する。
跳ね起きとは、仰向けに寝転んで、身体を丸め、後頭部を支点に跳ね上がって立つというもので、なかなか格好良い。
私は、それが出来るようになりたくて必死で考え、練習してやっと出来るようになったが、友人の前でやって見せると、私より運動能力が高いとは言えないその友人が、簡単に出来るようになった。
彼にすれば、私に出来るのだから簡単だと思い(笑)、気楽にやったのだろう。
実際、跳ね起きは簡単で、若ければ誰でもすぐ出来る。気楽ささえあれば。

引き寄せは、跳ね起きなんかよりずっと簡単で、おそらく、最も簡単なことなのだ。
1億円を、気楽に「得よう」と思ったら、やはり簡単に手に入る。
普通の人は、その範囲(気楽に思える範囲)が、数万円だったり、せいぜい、数百万円までの場合が多い。
私が知ってる金持ちは「金を儲けるのは簡単だ」と本気で言っている。それで気楽に大金を得てしまう。
可愛いガールフレンドがいっぱいいる知り合いがいたが、彼にガールフレンドの作り方を聞いたら、「そんなの簡単じゃないか」と本気で言われてしまった。ちなみに、彼は160cmなかった。
参考になる話としては、藤本憲幸さんの『秘法ヨガ入門』の最後のお話に出てくる、藤本さんと二十歳の超人との会話が核心を突いていると思う。その超人に不可能はない。
個人的にはだが、あの本が公開禁止にならないのは不思議である。

◆当記事と関連すると思われる書籍のご案内◆
(1)秘法ヨガ入門(藤本憲幸)
(2)人生の扉をひらく「万能の鍵」(ラルフ・ウォルドー・トライン)
(3)オプティミスト : 楽観的に生きるということ(ヘレン・ケラー)

真夏の夜の夢
AIアート1105
「真夏の夜の夢」
Kay

  
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