イチローさんや大谷翔平さんがプロ入りした後、プロのコーチが「フォームが間違っている」と矯正しようとしたが、彼らは応じなかったらしい。
プロのコーチからすれば、「非常識なほど間違っている」と思えたようだ。
こういったことは、どんな世界でも、イチローさんや大谷さんのような一流中の超一流でなくても、よくあることだ。
もちろん、イチローさんや大谷さんも、本当に大切な基礎については、中学や高校の時にちゃんと教わっていたと思うが、伝統的な常識より、自分の感覚を信じなければならないことがあるのだろう。
ヴァイオリニストで、悪魔の力で弾いているとまで言われたニコロ・パガニーニは完全に独学だったと言われるが、これを信じない人もいると思う。クラシック楽器は伝統的な技法やその訓練法が非常に重要だと思われているからだ。
ただ、パガニーニが完全独学だとしても、彼だって、基礎中の基礎は、何とか聞いたり調べたりして身に付けたのだと思う。
一緒にしては悪いが、私のプログラミングも完全独学だが、基礎中の基礎に関しては、デニス・リッチーの『プログラム書法』やブライアン・カーニハンの『プログラミング作法』という世界的名著があり、それらを一度は読んでいて、ほぼその通りにやっていると思う。
もちろん、他にも、良いと思うものは参考にした。しかし、あくまで参考だ。

私の腕振り運動や佐川幸義流四股も、ほとんど自己流で、佐川幸義の弟子や孫弟子で、私のようにやっている人はいないと思う。
しかし、そもそも、佐川幸義自体が、自分が四股を踏んでいるところを人に見せたことはなかったらしいし、弟子にも、ただ「四股を踏め」と言うだけで、やり方を教えることは滅多になかったのだと思う。
つまり、決まった1つのやり方などなく、自分の好きなようになれば良い・・・言い換えれば、やり方は自分で考えないといけないのだ。
ちなみに、私の四股も、納得出来る形になるのに5年かかっている。とはいえ、始めたばかりの頃の四股も十分に良いものだった。
腕振り運動は、10年以上迷い続けたものだが、もっと気楽に考えれば良かったと思う。

今の人は・・・という言い方はどうかとも思うが、それでもあえて言えば、今の人は、間違いのない方法を教えてもらいたがり過ぎる。
それで、コーチが以前と違うことを言うと、「コーチ、あなたは以前はこう言ったじゃないですか?」と責めることもある。
だが、エマーソンは「一貫性など持つな」と言い、その時思ったことを言えば良いと言う。
何事も真似から始めるものであるが、いつまでも人の言う通りにしようなどというのは情けないことだと思う。
引き寄せでも、ジョン・マクドナルドの『マスターの教え』で、マスターは「自分のやり方でやれ。真似をする者はマスターになれない」と言っているが、その通りだろう。
自分のやり方でやり、全ての責任を負う・・・これが本当の人間なのだと思う。

真のオリジナルの音楽を生み出せるのは数百年に1人の天才だと言われることがあり、いかに新しいと言われる音楽もほとんど全てが既存の組み合わせだという。
(確か、言ったのは坂本龍一さんだったと思う)
そうかもしれないが、組み合わせの中にも自分だけのオリジナルを与えてこそ革新的な音楽になるのだろう。

遠く離れた声繋いだオリジナル
弾め遊び心僕らの歌になれ
~『ある計画は今も密かに』(作詞・作曲・編曲:森羅。唄:初音ミク)より~
※同曲は『初音ミク「マジカルミライ 2019」楽曲コンテスト』グランプリ受賞曲。

◆当記事と関連すると思われる書籍のご案内◆
(1)自己信頼(ラルフ・ウォルドー・エマソン)
(2)マスターの教え(ジョン・マクドナルド)
(3)プログラミング作法(Brian W. Kernighan、Rob Pike)
(4)佐川幸義 神業の合気(「月刊秘伝」編集部)
(5)超訳甩手功(スワイショウ、うで振り)

幻想の白百合
AIアート1006
「幻想の白百合」
Kay

  
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