いくら引き寄せと言ったところで、所詮は、人生をしっかり生きていることが大前提である。
これについて、「人生をしっかり楽しんでいるか」と言う人もいて、それでも別に悪くはないが、「人生をしっかり苦しんでいるか」でも良いのである。
実際、引き寄せの達人になった人って、皆、どん底を経験した人ばかりなのだ。
子供の時から順風漫歩とか、ぬるい楽しみや不満を言うだけの者が、手応えを感じるほどの引き寄せを起こすことはないと思う。
本人が言わないだけで、金に苦労したことがない金持ちはいないはずだ。

とはいえ、引き寄せは簡単で、仙人的な引き寄せの達人に聞けば、本気で「なるべく楽しいことを考えろ」と言うだけなのである。
ところが、「なるべく楽しいことを考え続ける」ことはとても難しい。
どうしても、マイナスなことを考えてしまうもので、科学的研究によっても、普通の人はマイナスなことを多く考えているものらしい。
それに、「楽しいことを考える」というのは、贅沢していることを考えたり、高級車に乗っていることを考えたり、好みの異性とイチャイチャすることを考えることではない・・・というか、そんな考え、すぐに飽きてしまって、飽きたら、今そうではないことを思い知るだけだ。
かといって、『ザ・シークレット』にあったように、「住む家があってありがとう」だの「着る服があってありがとう」などと思うのは、良いことではあるのだが、より良いものを得るために、無理にそんなことを考えるのは卑しいことで、卑しい者に福は来ない。

「楽しいことを考える」とは、脳に楽しいことを考えさせることだ。自分で、つまり、意思で考えてはならない。それは続かない。
引き寄せの達人って、脳に考えさせるのが上手いのだ。
NLP(神経言語プログラミング)の共同開発者のリチャード・バンドラーは「脳は私のお気に入りの遊び相手」と言っていたらしいが、そんな感じでうまくいくのだと思う。
ただ、私の考えでは、NLPは複雑で難しい形で進歩してしまったと思う。
バンドラーが作ったばかりの頃の手法で十分で、後は自分で進歩させれば良いと思うのだが、それでは専門家さんらがNLPで食べられないのだろう。
たとえば、嫌な思い出は、モノクロで暗く小さく遠くにあるようイメージすれば良いし、逆に、楽しい思い出は、カラーで明るく大きく近くにあるようイメージすれば良い。
そして、バンドラーは空想することを勧めたことはないと思う。つまり、目標をイメージしろとは言わない。
目標は脳に与えられるもので、それをきちんと受け取れば、勝手に実現する。いちいち自分でイメージするようなものではない。
「OK!それでいこう」といった感じだ。

私が思うに、脳にうまく考えさせるには、神話や童話や、あるいは、シェイクスピアを読めば良い。
人間をよく分かっている作家の作品であればSFも非常に良い。
岡田斗司夫さんのように、SFを特に勧める人がいるが、あれは間違いと思う。特にSFが良いわけではない。
そもそも、SFのベースは神話や童話やシェイクスピアだ。
カート・ヴォネガットや、彼が崇拝するH.G.ウェルズも良い。ちなみに、ヴォネガットはシェイクスピアを褒めている。
引き寄せがうまい人って、間違いなく、そういったもののファンだ。
そういったものを読まないと、脳の使い方が分からないのだ。
ということを、改めて思い出した。

月下の妖精さん
AIアート889
「月下の妖精さん」
Kay


◆当記事と関連すると思われる書籍のご案内◆
(1)新装版 神経言語プログラミング(リチャード・バンドラー)
(2)タイム・マシン ~ウェルズSF傑作集~(H.G.ウェルズ)
(3)ファウンデーション 銀河帝国興亡史(アイザック・アシモフ)
(4)タイタンの妖女(カート・ヴォネガット)
(5)夏の夜の夢・あらし(シェイクスピア)
(6)ペロー童話集(シャルル・ペロー)
(7)神統記(ヘシオドス)
  
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