人間は皆、自分は頭が良いと思っている。
どんな愚か者でもそうだ。
実は、自分の頭が良いと思っている者ほど馬鹿だ。
一方、自分は馬鹿だと本当に知っているなら馬鹿ではない。

私は子供の時、何かの雑誌で、東大生に対する「頭が良いと思う人物を5人あげよ」というアンケートで、歴史上の大天才と並べて自分をあげていた馬鹿が半分いたという記事を読み、「東大生って半分も馬鹿がいるんだなあ」としみじみ思ったものだった。
(あくまで昔の東大生の話である)
東大生は、元々は頭が良いが、東大に入って、冗談にでも、そのように考えるようになったら馬鹿になるのである。

また、似たことだが、自分は有能だと思っている者ほど無能だ。
自分に自信を持つことは大事だという話もあるが、優越感を感じる自信は全て不要である。

聖母マリアの人生を変えた一言をご存じだろうか?
天使が、結婚前のマリアと、マリアの親類の老女であるエリサベツの両方に子供が出来るという、信じられないことを言った後、天使はこう言った。
「神には何一つ出来ないことはない」
(ルカ福音書1章37節)

だが、人類で最も有能な人イエスはこう言った。
「私は自分では何一つすることが出来ない」
(ルカ福音書5章30節)
そういえば、『バガヴァッド・ギーター』で、神クリシュナはアルジュナに対し、「人類で最も優れた者よ」と呼びかけていた。
アルジュナは確かに素晴らしい男であるが、そこでは何も出来ずにいた。
そして、クリシュナとの会話で、アルジュナには何も出来ず、何も知らないことは明らかであった。
人類で最も優れた人であるアルジュナですらそうなのだ。

ソクラテスは、巫女が神託として言った、「ソクラテスが人類の中で最も知恵がある」ことを認めた。
なぜなら、「人類の中で私だけが、自分には知恵がないことを知っている」ことが分かったからであった。

実際、自分の馬鹿さ、無能さを知らない者が馬鹿で無能であり、自分の馬鹿さ、無能さを本当に知っている者が賢く有能である。
例外は決してない。
とはいえ、想定の法則の正しい活用方法を知っていれば、誰でも何でも出来るのだが、やはり正しくは、出来るのではなく起こるのである。

美しい光景
AIアート794
「美しい光景」
Kay


◆当記事と関連すると思われる書籍のご案内◆
(1)新約聖書 福音書 (岩波文庫)
(2)バガヴァッド・ギーター(日本ヴェーダーンタ協会翻訳)
(3)ソクラテスの弁明/クリトン (岩波文庫)
(4)想定の『超』法則(ネヴィル・ゴダード) ※『The Power of Awareness』翻訳書
(5)その思いはすでに実現している! (ネヴィル・ゴダード) ※『The Power of Awareness』翻訳書
(6)世界はどうしたってあなたの意のまま(ネヴィル・ゴダード)※『AT YOUR COMMAND』翻訳書
  
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