星新一(1926~1997)さんという作家をご存じだろうか?
優れたSF作家であると共に、「ショートショート」という、特に短い小説(超短編小説)の第一人者として知られていると思う。
私は中学生の時、星新一さんのショートショートに夢中になり、何冊か読んだが、普通の中学生が読んでも面白いのに、深い意味がある作品が多いと思う。
ある意味、1つ1つのお話は非常に短いイソップ童話はショートショートと言えるかもしれない。
イソップ童話のように、面白い短いお話の中に深い教訓を込めることが難しいのと同様、面白くて印象に残るショートショートを書くのは難しいと思われ、頭が良い人でないと無理だと思う。

ショートショートというには長いお話だったが、中学生の私は、星さんの本でこんな作品を読んだ(どの本かは忘れた)。
未来の話で、その時代、火星が死刑囚の流刑地になっていた。
おそらく、この火星はテラホーミング(地球環境化)がされており、地球と同じように生活出来た。
死刑囚は、卵型の機械1つを渡されて、単独で火星上に追放される。
この卵型の装置は、ボタンを押すとコップ一杯の水が出て、水のない火星で生きることが出来た。
食料については憶えていないが、簡単に手に入る仕組みになっていたように思う。
これだけであれば、囚人は火星で気楽に生きていけるが、その卵型の機械は、何度目かにボタンを押すと、爆発して囚人は死ぬことになっていた。
ただ、何度ボタンを押すと爆発するかは分からない。
普通なら怖くてボタンを押せないが、水なしでは生きていけないので、ビクビクしながら・・・どころではない恐怖を感じながらボタンを押して水を得ることになる。
で、お話の途中は忘れてしまった。
最後にこんな場面がある。
その囚人は、ボタンを何度も教えてバスタブに水を満たし、沸かして風呂に入る。

何かの映画で、ロシアンルーレットを無理矢理やらされ続けていたら、運よく生き延びるうちに恐怖を感じなくなっていたというものがあった。
これは本当かもしれない。
詳しいことは言えないが、私は中学1年生の時、いつ死ぬか分からないと信じる状況になり、それが何年も続いたが、いつか、「嫌だなあ」とは思いながらも、それほど怖いとは思わなくなった。
『新世紀ヱヴァンゲリヲン』というアニメで、アスカ(14歳)が乗ったヱヴァ弐号機がマグマの中に落下していき、助かりようがないという状況になった時、アスカは悲しい表情で「嫌だなあ」とは言いつつ、泣き喚きもせず静かだったが、私はあの気持ちが分かるように思ったのだ。

アートの壁
AIアート670
「アートの壁」
Kay


そして、命を諦めてしまえば、無敵状態、神化状態、超能力状態に意図的に移行出来るようになる。
前にも書いたが、命を諦める状態になるには、別にロシアンルーレットをしなくても(しても良いが危険が大きい)、自分が死んでいなくなった世界を想像すると良い。それに慣れると、死を受け入れることが出来る。
そもそも、引き寄せを邪魔するのは自我であり、自我は身体に寄生しないと生きていけない。
自分がいない世界には、自分の自我は存在出来ないのである。
自分がいない世界を想像すると、自我を脱ぎ捨てた真我(魂)になるコツが分かると思う。

◆当記事と関連すると思われる書籍のご案内◆
(1)ボッコちゃん(星新一。新潮文庫)
(2)きまぐれロボット(星新一。角川文庫)
(3)「ラットレース」から抜け出す方法(アラン・ワッツ)
(4)ラマナ・マハルシの教え
(5)魂の体外旅行(ロバート・モンロー)
(6)[完全版]生きがいの創造(飯田史彦)
  
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