心理学者のアブラハム・マズローは、元々は心理学の慣習に則り、心が不健康な人間の心理を研究していたが、それが嫌になって、健康な人間の心を研究したという話を見たことがある。それで成功したということだろう。
しかし、私は健康な心を持った人間なんて見たことがない。
心理学者の岸田秀さんの本を見たら、人間は皆狂っているのだから、確かに、心が健康な人間なんていないことになる。

上のことは、根本的な考え方の誤りだ。
正しくは、1人の人間に、心が健康な状態の時と心が不健康な状態の時があるだけである。
心が健康な状態であればIQが高い。
逆に言えば、天才と言われる人間だって、心が不健康な状態の時はIQが低い。
たとえば、IQ200の天才と言われる人間だって、怒り狂えばIQは80以下に落ちることだって十分に考えられる。
普通の人でも、非常に良い精神状態でIQテストを受ければ150位出るかもしれず、IQ70以下で愚昧と見なされている人間でも、やはり非常に良い精神状態でIQテストをやれば軽く100を超えるのではないか。また、そんな愚昧な人が、良い精神状態を長い時間保てるようになれば、IQはどんどん向上するのではないかと思う。
人間はIQではないとよく言われるが、少なくとも90%以上は、あるいは、全てIQで決まるのかもしれない。
ただ、同じIQテストで、IQ80の人間とIQ150の人間をテストするのでは無理があるはずで、現在のIQテストでは、計測出来る上限、下限があるはずだ。つまり、たとえばだが、IQテストで分かるのは、IQ80から120位までの範囲で、IQ120を超える成績なら、実際のIQは「120以上」ということしか分からないのだと思う。
精神科医で検査するIQが正確であるかというと、おそらくそれはないと思う。明らかに、検査する精神科医の偏見が大きく影響するはずだ。

実質でIQが高い状態になるには、心を健康的な状態にすれば良い。
簡単に言えば、心が穏やかな状態、快活な状態であれば、IQは高い状態にある。
要は、頭が良い人間というのは、高い頻度で心が穏やかであり、リラックスし快活である人間で、また、いわゆる気分の切り替えの上手い人である。
逆に、常にイライラしていたり、不満、不安、恐怖、憂鬱を感じることが多い人間は頭が悪い人間になってしまうのだ。

ベルベル・モーアの本で見たが、いじめっ子のせいで憂鬱なことが多い10歳の女の子に「心穏やかに」という言葉を呪文のように唱えることを教えたら、最初はなかなかうまくいかなかったが、その子から始まり、やがて、町中で「心穏やかに」と唱えることが流行ったと言う。
これを見れば、人間は高IQ状態を求めることが分かるのである。

で、マズローが、良い精神状態の極致と考えたのが「至高体験(ピーク・エクスペリエンス)」であると思う。
今日で言う、ゾーンとかフローというものである。
マズローは、「偉大な人間と、そうでない人間の唯一の違いは、至高体験の経験があるかないかだけだ」と言ったが、結局、コリン・ウィルソンが「至高体験は誰にでもある、ありふれたもの」と言い、マズローもそれに同意したという。
そして、これが重要であるが、ウィルソンは「至高体験とは、単に、自分を幸運と思うこと」と言ったのである。
実際、これほど重要な認識は滅多にあるものではない。
いかなる能力開発、引き寄せのメソッドより重要なものは「自分は幸運だと思うこと」である。
マズローは、自分が教授を務める大学で学生達に、「自分が幸運だと思った経験」を発表させていたら、学生たちが次々に至高体験に入ったという。
誰だって、幸運な出来事は沢山ある。それを意識的に思い出せば良いのである。
マズロー自身、大学院生の時に計ったIQはほぼ200であったが、至高体験時には、誰でもその位になるのだと思う。

朝の草原
AIアート667
「朝の草原」
Kay


◆当記事と関連すると思われる書籍のご案内◆
(1)至高体験(コリン・ウィルソン)
(2)完全なる人間 [第2版](アブラハム・マズロー)
(3)右脳の冒険(コリン・ウィルソン)
(4)星からの宅配便(ベルベル・モーア)
(5)その望みは宇宙がかなえてくれる(ベルベル・モーア)※『星からの宅配便』の別訳
(6)ものぐさ精神分析(岸田秀)
  
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