ある日、私は世界的音楽家だった冨田勲さんが、脳科学者と対談するYouTube動画を見た。司会の人も東大大学院の准教授という科学者だった。
その中で冨田さんは、子供の時、30cmもある大きなカマキリを見たという話をすると、司会の人が「日本には、そんな大きなカマキリはいない。冨田先生が小さかったから、そんなに大きく見えたのでは」と言うと、冨田さんは「そうかもしれません」と素直に認めたが、実は、その話は、冨田さんが中国で生活していた時の話だった。

その動画を見た直後、私は出かけるところがあったので車に乗ろうとしたら、フロントガラスの左端に、30cmとは言わないが、10cm以上はあると思われる大きなカマキリがいるのを見た。
こんな大きなカマキリを見るのは久し振りというか、最近は、カマキリ自体、滅多に見なかった。
これも、シンクロニシティー(共時性)かもしれない。
ユングのシンクロニシティーの有名な話では、登場する虫はカマキリではなくカブトムシだったが。

カマキリは愚かさを感じさせる虫でもある。
敵うはずのない相手(たとえば私)に対しても、カマを振り上げて威嚇する。
そもそも、カマキリが勝てる外敵なんて極めて少ない。
なら、さっさと逃げた方がいいのに、なぜわざわざ喧嘩を売るのだろう?
試しに、地面に落とし、追い立てるようにしたら、さすがに逃げたが、一目散に逃げず、嫌々逃げる感じだ。
やはり馬鹿なのかと思う。
冨田さんは、その大きなカマキリを掴んでいたら、カマキリの首が落ちてしまったが、それでも、触ったらカマを振り上げてきたという。
冨田さんの対談相手の脳科学者が解説してくれたが、虫の場合、脳神経のようなものが全身に分散しているので、そんなことがあるらしい。

冨田さんがそんな話をしたのは、脳の不思議を語るためだった。
冨田さんのお父さんは医者で、家庭も豊かだったが、戦争中は物がなく、冨田さんは中学生の時、天体望遠鏡が欲しかったが、売っていなかったので、自分で作ったらしい。材料は、おじいさんの老眼鏡と虫眼鏡、そして、厚紙だけだった。
小学4年生で天体望遠鏡を従兄に譲ってもらい、天体望遠鏡について少し知ってた私は、当時でも、それがケプラー式望遠鏡だと分かっただろう。
それを進化させたものがガリレイ式望遠鏡で、私が従兄からもらったのは、ニュートン式と言われる反射式望遠鏡だった。現在も、このニュートン式が主流だ。
私もやったが、冨田さんも、その自作天体望遠鏡で、地上のものも見たが、天体望遠鏡では上下が逆になる。
しかし、ずっと見ていたら、やがて、上下が逆という感覚が消えてしまったという。
これに関しては、上下が逆に見える眼鏡をつけて生活する実験が行われ、被験者は、最初は戸惑うが、やがて慣れてしまい、普通に生活出来るようになったという話があり、冨田さんはその実験を中学生の時に、誰にも教わらずにやったわけだ。
脳は、そんなことをやり遂げてしまうのである。
つまり、脳は、人間が楽に活動出来るよう、適応し慣れてしまうよう調整を行うのである。
大金持ちが、何かの出来事で急に貧乏になると、最初こそ辛く感じるが、きっと、脳の適応作用で、やがて貧乏生活に慣れるのだと思う。

高い空
AIアート473
「高い空」
Kay


これは天才発明家の中山正和さんの本で見たが、今の自分と違う状況を想像していたら、現実がその通りになるという、今で言う引き寄せが起こることをよく見たらしい。
これも、脳が想像に適応する働きだが、そのために、脳は外界すら改変してしまうのである。
引き寄せのことなど知らなかった中山さんだが、脳科学や量子力学、あるいは、仏教の経典などを研究しているうちに、そうなることを理屈で説明出来るようになった。
もし、願いが叶った様子を粘り強くイメージ出来れば、確かにその通りになる。
この方法は、あまりうまくいった人がおらず、私もあまり好きではないが、深呼吸し、薄目で見ることをやっていれば、割合に簡単に実現してしまう。
ただし、この方法で叶えるのは、人生がかかったような深刻なことではなく、ちょっとしたことが良いと思う。
そして、そんなことであれば、経験上、やはり簡単に実現すると思う。








  
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