ガッツポーズやパワーポーズをとると、好ましい脳内物質やホルモンが分泌され、心身が活性化するという話がある。
パワーポーズとは、両手を上に上げたり、広い空間を占めるポーズを取ったり、腰に手を当てたりの、言ってみれば、強者のポーズ、勇者のポーズと言える。
このことは、科学的にも実証データがあり、このことを発表したエイミー・カディー博士のTEDでの講演は非常に感動的で、TEDの全公演の中でも指折りの動画再生数を誇る。
ただ、パワーポーズが本当はなぜ効果があるのかとか、効果がある場合もあれば、それほどでもない場合がある理由は、あまり分かっていないと思われる。
好ましい効果がありながら原因が分からないなんてことは、案外に多い。

パワーポーズに効果があるのは、それが大量の空気を吸うのに都合が良いポーズだからで、効果がない場合があるのは、そんなポーズを取りながら空気を十分に吸っていないからだ・・・というのが正解だと思う。
要は、どんなポーズをしていようが、大量の空気を吸えば良いのであるが、パワーポーズはそれをし易いのである。
ガッツポーズは、それをしている間、呼吸が止まり、ガッツポーズを解いた時、一気に多量の空気を吸い込むことに効果があるのかもしれない。
よって、本当はガッツポーズをしなくても、多量の空気を吸えば良いのである。

スーパーラーニングという超効果的な学習方法では深呼吸が行われるが、大量に空気を吸った後、しばらく呼吸を止める。
なぜ呼吸を止めるのかというと、それにより記憶力が向上するなどの効果があるのだが、その原因はあまり分かっていないらしい。
ガッツポーズでもパワーポーズでも呼吸が一時的に止まり、それによりスーパーラーニングと共通の効果があるのだろうが、やはりその効果の原因は分からない。
だが、息を吸って止めることには確かに効果があるので、古代からヨーガで採用され、この息を止めることをクンバクという。ヨーガでなくても、様々な行で呼吸を止めることは採用されている。

だが、別に科学的にどうかでなくても、空気を沢山吸えば気持ちが良いし、大量に空気を吸った後、いったん呼吸を止めればやはり気持ちが良い。
操体法という健康法、治療法で名高い医師の橋本敬三のモットーは「気持ち良いことは何でもして良い」だったが、多量に息を吸い止めることが、まさにそれに当てはまる。

セイレーン
AIアート448
「セイレーン」
Kay


超人的な強さで知られた中世ヨーロッパのある騎士団には、勝利の呼吸という秘伝があり、「吸って吸って吸って」と三度息を吸い、たっぷり吸ったところで息を留め、その後、力強く吐くのだが、『スター・ウォーズ』のダース・ベイダーが特徴的な呼吸音を出すのも、この伝説から来ているような気もする。
『弓と禅』に登場する弓術の達人、阿波研造が教えた呼吸法も、これに似ている。
あるいは、世界的コーチのトニー(アンソニー)・ロビンズの激しい呼吸法も、基本的には似ているように思う。
空気を大量に吸うことで多量の酸素を取り込み、息を止めることで酸素を吸収し、特に脳細胞、そして、全身の細胞に酸素を送るというのが一般的な効果であるが、それだけではなく、空気中の未知のエネルギーを多量に取り込むという説は、古代から中世、そして、現代でも、科学者や武道家らによって唱えられることがある。
普段はそこまで激しくやる必要はないが、いざという時には、そして、普段も気が付いた時に、そのミニ版を行うと良いだろう。








  
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