呼吸法における「息を止(と)める」ことについて改めてお話しする。
このことは、以前から何度も取り上げているが、ほとんどの人が呼吸法における正しい息の止め方を知らないし、なかなか理解出来ない。

水に潜る時は、普通、喉の周辺の筋肉を収縮させ、喉の気管を圧迫して塞ぐようにして息を止める。
しかし、この息の止め方は、呼吸法ではやってはならない。
では、どうやって息を止めるのかというと、息を吸って膨らんだ肺を、その大きさのままキープするのであるが、肺自体を意図的に膨らませておくという観念は我々になく、肋骨を持ち上げたままにするとか、横隔膜を下げたままにするのだが、それらは普段、無意識的に行っていることであり、意識的にやろうとしてもうまくいかない。そして、そんなことを意識的にやろうとしてはならない。
そうではなく、息を吸った後に、止められるものに関しては、身体の動きを全て止めてしまうのである。
心臓など、意識で動きをコントロール出来ないもの以外は全部止めるわけである。
しかし、こういったことは、意識してやろうとすれば不自然になる。
出来る限りにおいて、人間は自然なことをすればすれば良く、またすべきで、不自然なことをしなくて良いし、またしてはならない。

そこで、こうやると良いのではと思う。
息を吸って止(と)めるのであれば、息をいっぱいに吸った後、息を吐く速さを極端に遅くするのである。
呼吸の速さをコントロールすることは自然なのである。
なぜなら、我々は元々は狩猟動物なのであり、獲物を狙って近付く際、気付かれぬように呼吸音を消すが、ずっと息を止めていられるわけではないので、極めてゆっくり呼吸するということを、何万年もやってきたからである。
いまだって、近付くと逃げてしまう小動物を捕まえる際とか、親しい人を脅かそうと背後からそっと近付く際、呼吸が止まっているほどゆっくり呼吸しているはずである。

また、剣術に限らないが、日本では剣術の達人同士が決闘をする際、対峙すると、双方、ほとんど息をしていないほど、ゆっくり呼吸をしているはずである。
ゆっくりした呼吸が出来るほど達人なのである。
呼吸が荒い方が負けるのである。
これが西洋の格闘技にはない、日本の武術の神髄のようなものである。

呼吸法で息を止める時も、こういった、極端に遅い呼吸・・・言い換えれば、微かな呼吸をするのである。
微かを超えてゆっくり静かに呼吸することが、息を止めることになるのである。

共存
AIアート412
「共存」
Kay


おとぎ話みたいなものと思ってもらえば良いが、最大に微かな呼吸を続けていると霊界に入ることが出来る。
これには訓練が必要で、秘教の団体では、このような微かな呼吸の訓練を実際にしている。
この訓練は、霊界に入るだけでなく、超能力や霊能力も目覚めさせる。
だが、いきなりこんな訓練をするのは、霊的には良いが身体には悪い。
よって、我々は、呼吸法の中で息を止める部分に関してだけ、この(微かな呼吸の)秘儀を生かせば良いのである。








  
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