オールコットの『若草物語(原題:Little Women)』は、全く知らない人は少ないと思うが、インターネットもスマートフォンもYouTubeもなかった昭和の時代には、日本でも少女の愛読者が多く、四姉妹それぞれにファンがいたようだ。
次女のジョーが一番人気と思うが、長女マーガレット(メグ)も支持者が多かったと思う。
また、3女エリザベス(ベス)も、抜群の性格の良さから好感度が高かったが、わがままな末娘エイミーだって、体罰を受けながらも教師を睨み付けるあたりは新時代的だ(母親のマーチ夫人は体罰に敢然と抗議した。ちなみにその体罰は手のひらを鞭で打つことだった)。
私は高校生の時、気まぐれで『若草物語』を通読したが、最も印象に残っているのは、あまり裕福とは言えないマーチ家の母親であるマーチ夫人の次の言葉だ。
「足りない目くらいが丁度いいのよ」
スティーブ・ジョブズとなれば、ハングリー(全く足りない)のが良いとしたが、まあ、本当に「足りない目」くらいが良いかもしれず、少なくとも、あまりに若いうちから十分にあるのは、あまり良くないかもしれない。

お金が十分にあると、精神的なことに意識が向かなくなりがちで、まして、神秘に興味がなくなることが多い。
神秘など不要と思う人もいるかもしれないが、20世紀最大の詩人と言われたW.B.イェイツが言ったように、神秘を信じない人間は想像力が乏しいのだと思う。
そして、確かに、お金が出来るほど、想像力がなくなるのであると思う。
アインシュタインが言ったように、知識よりも想像力が大切である。
そして、アインシュタインはお金に執着が全くなかった。
アインシュタインがアメリカに亡命した時(1930年代)、プリンストン高等研究所ではアインシュタインを年棒2万ドルで迎えようとしたが、アインシュタインに希望を聞くと「千ドル」と言う。あまりの安さに担当者が驚くと、アインシュタインはもっと驚き「いえ、500でもいいです」と言ったそうだ。
そして、アインシュタインは収入を誰とでもおおらかに分かち合った。

水の妖精ウンディーネ
AIアート391
「水の妖精ウンディーネ」
Kay


もちろん、お金は十分に引き寄せるべきである。
しかし、歴代大統領を影で動かし、投資で莫大な利益も上げたバーナード・バルークに成功の秘訣を尋ねると、元々誠実な彼は「欲張らないことだ」と答えた。
引き寄せの秘訣もこれであると思う。
深呼吸をしっかりしていれば、必要なだけは十分に得られるが、不要なものを求めると、(せっかく深呼吸で消えた)思考が起こり、運も逃げていくだろう。








  
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