リー・アイアコッカの名を知らない人も増えていると思う。
彼は、2019年7月に94歳で亡くなっている。
彼は、終戦直後の1946年に、アメリカでビッグ3と言われる自動車会社の1つ、フォード自動車に入社し、社長にまで上り詰める。
だが、史上最高の売り上げを2年連続で達成しながら、会長であったフォード2世に嫌われて解雇された。
その後、フォードのライバルでありながら、経営危機に瀕していたクライスラーの社長に就任し、何度も倒産の危機に遭いながらも業績を回復させることに成功した。
アイアコッカは2冊の自伝『アイアコッカ』『アイアコッカPart2(トーキングストレート)』を書いている。
この『アイアコッカPart2』の序文が面白かった。
「なにごとも“2”というのはうまくいかない。『ジョーズ2』も最悪だった、しかし、私は『アイアコッカPart2』を出すことにしてしまった」
みたいなことを書いていたと思う。
「2」が大概駄目と言うのは、私も何となく分かる。
『アイアコッカPart2』では、アイアコッカ個人の話をいろいろ書いており、なるほど、こういうところが「2」の悪いところである。
自伝がベストセラーになるほどの人物が、ついつい自分を過大視し、個人的な自慢話みたいなことを書いてしまうものなのだ。
だが、このアイアコッカの個人的な話が意外と面白かった。
例えば、彼は、老朽化したニューヨークの自由の女神像の修復事業のリーダーになり、寄付金集めに奔走していた。
その中で、ある富裕な婦人が多額の寄付を申し出たが、彼女はアイアコッカに、こんな条件を出した。
「『アイアコッカ』を1冊いただけませんでしょうか?図書館ではいつも貸し出し中ですが、買ってまで読もうとは思いませんので」
これに対し、アイアコッカは、『アイアコッカPart2』で、
「このご婦人は、自由の女神のためなら大金を出しても、自動車業界に入った少年が四苦八苦するお話を読むのには10ドル払うのも惜しいようだ」
と書いて笑いを取っていた(笑)。
もちろん、本を送り、寄付をいただいたようだ。
また、アイアコッカは、母親がちょっと体調を崩した時、母親は嫌がったが無理に入院させたのだが、そこで看護師に「入れ歯を外して下さい」と言われた母親について、
「恐ろしいことに、母は85歳にもなって、歯は全部自前なのだ」
と書いている。
アイアコッカの両親は、父が35歳で母が17歳の時に出会ってすぐに結婚したそうだ。

十六歳の少女
AIアート385
「十六歳の少女」
Kay


さて、このアイアコッカの自伝の中で、私が最もよく覚えていることは、『アイアコッカPart2』の裏表紙に書かれた、
「所詮、成功するためには勤勉しかないのだ」
だった。
この勤勉は、サラリーマンが社畜として、休日返上、毎日残業で働くことではない。
だが、確かに、上昇意欲はありぞうだが、「こいつ、絶対にロクなものにならないな」と感じる人間はいる。
どんなやつかというと表現が難しいが、簡単に言えば、自己評価が高過ぎるやつだ。
そんなやつに、私はよくこう言う。
「16歳の美少女なら(お前のようであっても)許されるだろうけどな」
そんなやつに、引き寄せのことを教えると、そいつは、何もせずのんびりして大金を得ることを考えたり、タイムリープして昔に戻ってうまくやるといった甘っちょろいことを言う。
なんで自分にそんなラッキーが与えられると思えるのだろう?
16歳の美少女じゃあるまいし(笑)。
いや、16歳の美少女より値打ちがないと無理だ。
だが、人間の魂は世界一の美少女千人分以上の価値がある。
魂の輝きを出してこそ、引き寄せもタイムリープもパラレルワールド移動も出来るのであり、そのきたないままで(笑)幸運の女神が微笑んでくれるわけではない。
魂の輝きを出すための勤勉であり、そのためには、一生懸命働くことや人のために尽くすことが有効なこともある。
だが、やはり、まずは深呼吸である。
たゆまず、熱心に深呼吸をすれば、必要なら一生懸命働くようになるし、苦しい戦いに挑むこともあるが、それは楽しいことであるはずだ。








  
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