深呼吸に優れた効果があることは、昔から多くの人が気付いていたが、その威力は低く見積もられていた。
だが、主に科学者や教育者などの中に、深呼吸に想像を超えた恐るべき効果があることに、薄々気付く者が増え始めた。
だが、あまり大っぴらに深呼吸の効果が宣伝されないのは、今の科学では説明し難い部分が多いからだと思うが、それだけでなく、とんでもない大きな謎があるからだ。

西洋科学では、深呼吸の恩恵は、多量の酸素の取入れが出来ることと考えているだろう。
そして、一般には、いまだ深呼吸の意義は、運動や、知的活動によって血液中の酸素が不足したのを補うためだけと考えられている。
もちろん、それらのメリットは大きい。
しかし、それだけでなく、深呼吸により、脳内麻薬とも呼ばれる快感物質であるドーパミンが発生し、それが脳波をアルファー波に導くことの効果が一部で認識されるようになる。
志賀一雅博士の「よかった・ありがとう」呼吸は、このメカニズムを生かしたもので、簡単な上、素晴らしい効果がある。

だが、もうかなり前から、一部の優れた研究者は、深呼吸の中でも、息を吸った後に、一時、息を止めると、より威力が大きくなることに気付いていた。
とはいえ、なぜそうなるのかは謎だった。
謎ではあるが効果が大きく確実なので、スーパーラーニングという学習法に取り入れられ、実際、優れた成果があった。
しかし、インドのヨーガを始め、中国の仙道や日本の古神道、さらに、西洋でもカバラーなどの神秘思想では、それは古代から、常識的なほど知られていた。
インドでは、吸った後に呼吸を止めることをクンバクと言い、非常に重視されている。
そして、超高度な人物ほど、呼吸を止めることについて深い洞察を持ち、秘儀にする気もないのかもしれないが、性質上、どうしても秘儀となってしまう技法を心得ていた。
私の知る範囲では、たとえば、最近時々話題にしている『弓と禅』に登場する弓術の達人、阿波研造や、釈迦・イエス以上の存在とも言われた松木草垣である。

それで、昨日も書いたが、私はダイアン・フォーチュンの『神秘のカバラー』に書かれていた、「神とは圧力である」を適用し、謎が解けたわけだ。
あらゆる圧力の中に神は宿り、圧力でない力はない。
論では面白くないので、あえて実用的な簡単な例で言えば、日本最高の作詞家であった阿久悠は、息を吸って止め、肺や腹に圧力を生じさせた状態で自分が作詞した曲がヒットすることをイメージしたら、その通りになった。彼はこの方法を使わずにヒットしたことはないと言う。
気圧(けお)されるという言葉があるように、優れた自分には不思議な威圧感があるが、それは、そんな人物が深い呼吸をすることで、やはり胸や腹に圧力を持っていることから、そんな不思議な雰囲気が発生する。
いわゆる貫禄というものも、「ただならぬ貫禄」とまで言えるなら、その人物は深い呼吸をしている。
神は圧力である。
しかし、宇宙は真空で圧力がないように思える。
だが、大きな視点で見れば、宇宙ほど圧力を持つものはない。
宇宙は膨張し続け、銀河同士が急速に離れていっていることが知られている。
宇宙の膨張速度は驚くべきもので、理論上あり得ないが、光速を超える可能性があるという。
そこには偉大な圧力が存在する。

無垢の時代
AIアート360
「無垢の時代」
Kay


若い人は肌に張りがあり、皺がないが、これも様々な圧力が高いためだ。
そして、この世界は一時が万事であり、身体の一部にでも圧力を持たせると、他の部分にも圧力が生じるが、呼吸により胸や腹(実際には肺や横隔膜だが)に圧力を持たせれば、それが全身、さらには、精神に広がり、神秘な力も発揮する。
当然ながら若々しくなる。
あらゆる意味で、深呼吸、そして、息を保つことを取り入れることには偉大な威力がある。








  
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