よく、照れながら「自分の語彙力(使える言葉の数)の少なさを実感する」と言ったり思ったりする人がいる。
これは見事に「語彙力=IQ」だということを表している。
実際、IQと語彙力が比例するという研究報告があるし、また、語彙を増やせばIQが上がるという研究結果もある。
語彙を増やす方法について、世の中には複雑な方法があるようだが、複雑だという時点で駄目である。
アメリカの驚異的な能力を持っていた精神科医ミルトン・エリクソンは、ごく簡単な方法で語彙力を鍛えた。
この方法は、頭を良くするための優れた本にも書かれていた。
何のことはない。辞書を読むことである。
エリクソンが育った農家では、家に本は聖書と辞書しかなかったが、エリクソンは辞書を選んで読んだのである。
また、馬鹿だと思われるかもしれないが、かなりの年齢(12歳くらいか?)になるまで、エリクソンは辞書を引く時、通常のようにアルファベットの昇順で調べるのではなく、常に最初の"a"のページから順に見ていった。
非効率極まりないやり方だが、これで、少なくとも、アルファベットの最初の方の文字で始まる言葉の語彙は相当増えたことだろう。
それで彼はIQが上がったし、また、知能向上のための研究によれば、辞書を使った語彙力向上の訓練をした人は、新しく覚えた言葉をよく目にしたり耳にすることが多いことに驚いたという報告があるが、これは神秘現象というのではなく、言葉を知らない時には気付かなかったことに気付くようになったということだ。このことは、語彙が増えると情報収集力も上がることも示しているように思う。
最近よく「自分で調べることの重要性」が指摘されるが、語彙力がなければ調べる、つまり、情報を収集する能力が低いことが分かるのである。

私も昔、小さな紙の辞書を常にポケットに入れ、暇があるごとに見ていたことがあるが、どのページを開いても「聞いたことがあるような気はするが正しい意味を知らなかった言葉」が多いことに驚いたものだった。
つまり、語彙力がなくIQが低かったということである。

朝の森
AIアート340
「朝の森」
Kay


エリクソンの治療方法があまりに効果があるので、そのノウハウの研究は今も行われているらしいが、それは少し的外れかもしれない。
エリクソンはノウハウを勉強したのではなく、自分の中の知性を引き出しただけである。
ある意味、矢追純一氏が言うように、「僕は頭が悪いから考えることを放棄した」というのと同じと言えると思う。
自分の頭で考えることを放棄することで、内なる偉大な知性にアクセス出来るのである。
だが、世の中では「自分の頭で考えることが大切だ」という大誤解がまかり通っている。
自分の「ちっぽけな」頭で考えることが大切なはずがないじゃないか?
エリクソンは仕事の山を前にして、考えるのをやめた。
本人は「無意識に入った」と言い、確かに、その時のことは覚えていないのだが、気が付いたら仕事は片付いているのである。
「え?それをやるノウハウを研究しなければ」と言うのは、やはり的外れである。研究とやらも含め、考えることをやめれば良いだけだ。
そのための簡単な方法の1つが、最近よく取り上げる、志賀一雅博士の「よかった・ありがとう」呼吸である。
やり方は簡単で、息を吸いながら「よかった」と思い、息を吐きながら「ありがとう」と思うだけである。
松下幸之助の不眠症を即座に治した呼吸法でもあり、就寝時に行うと、速やかに安らかに眠ることが出来るはずである。








  
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