ITスペシャリストが語る芸術

自分が不幸で辛いと感じている時、極端に不幸な人達のことを思い浮かべ、
「あの人達に比べれば、自分なんか全然幸福じゃないか？このくらいで苦しいと思ったらばちが当たるぞ」
などと思ったことがあるかもしれない。
そんな時、一瞬、心が軽くなったように感じるかもしれないが、実際は、こんなことで納得出来たりはしない。
一度は前向きな気持ちになったような気がしても、その効果は長続きしない。
なぜなら、これらは全て思考上のものであるが、思考に解決を求めると必ず間違うからだ。
悩みや苦しみを解決したければ、思考を消す以外に方法はない。
ただし、思考を消せば、いかなる問題も解決出来る。
思考には、いかなる問題も解決出来ず、簡単なことですら最悪の対処をするのである。


AIアート162
「風立ちぬ」
Kay


誰とは言わないが、超インテリのエリート社会学者が、その膨大な知識と頭の良さで、社会問題を完璧に分析し、誰が悪いのか、何が悪いのか、説得力ある見解を示している。
一般人を「思考停止の馬鹿」と見下し、責任をそこに転嫁（てんか。なすりつける）する。
だが、彼には何の力もなく、何の問題も解決出来ない。
当然だ。彼にとって、問題は頭が悪い一般人にあるのだから。
彼も立派そうな解決策を示すが、まさに絵に描いた餅。全く有効性はない。

頭で考えれば考えるほど、彼のようになる。
彼は、彼が見下す「思考停止の馬鹿」と全く変わらず、むしろ害は大きいかもしれない。
問題を解決するのは、ただ思考を消すことなのだが、こんなことを言う者を彼はこっぴどくこき下ろすだろう。
そして、一般人は、こんな人の影響を受け、洗脳されてしまう。
多くの一般人は「思考停止した馬鹿」ではなく「愚かな思考をする馬鹿」なのだ。
実際は、思考は全て愚かなので、もっと端的に言えば、多くの一般人は、「思考停止した馬鹿」ではなく「思考作動している馬鹿」なのである。

この社会学者のような人は、おそらく多いのだと思う。
自分は賢く、他人は馬鹿だと言う者を相手にしてはならないのは当然と思う。
彼らこそ、この世の不幸や悲惨に大いに貢献しているのである。
我々は、思考を消すことで自分も世界も平和にする。
その簡単な方法はいつも言う通り「私は誰か？」と自分に問うことである。