私はよくIQ(知能指数)の話をするが、それは、IQは本当に重要だからだ。
ただIQは、悪名高いL.ロン.ハバードの本(『ダイアネティックス』だが)の中に、頭の中のガラクタを取り除けば「打ち上げ花火のように上がる」と書かれていた通りで、いくらでも上げられると思う。
例外はあるだろうが、IQが高い=地頭が良いと考えて、ほぼ間違いない。
ところで、私はIQが高そうなドワンゴ創業者の川上量生氏が好きで、以前は彼の著書をよく読んでいたし、今でも動画を見つけるとよく見る。
その中で彼が、「企業は、地頭が良い人が欲しいんでしょ?」と言われていたのを印象的に憶えている。
つまり、企業は、ある程度の常識や良識がある地頭が良い人、つまり、ある程度の常識や良識があるIQが高い人が欲しいのである。

それで、IQ、つまり、地頭の良さは何で分かるかと言うと、意外に思うかもしれないが知識量でほぼ分かる。
こういうと、「本当の頭の良さ、つまり、知恵と知識は違う」と言う人がいるはずだが、この認識の誤解は是非解いておきたい。
私の言う知識とは、「幅広い知識」で、「特化した(狭い)知識」ではない。
あるところに「アリストテレスを自在に引用出来る頭の良い人」がいたらしいが、その人は、どんな話もアリストテレスに持っていってしまう「馬鹿」だった。
つまり、その人は、「アリストテレスを自在に引用出来る頭の良い人」ではなく「アリストテレスしか引用出来ない頭が悪い人」なのだ。
同じようなことで、私は実体験がある。
以前私は、有名な学習塾に関わっていたことがあるが、そんな塾の先生は、ほぼ全員が、有名大学・一流大学を出た勉強が出来た人達である。
私は、そんなに良い大学を出ながら、なんで塾の先生になるのか疑問だった。
ところが、リクルート社で重役だった人から「塾の先生は落ちこぼれなんですよ」と言われ、あまり意味が分からなかったが、ピンとくるものがあって憶えていた。
そして、こんなことがあった。
その塾の日本史の先生が2人で喫茶店で昼食を取っているのを見た。
2人は、声高らかに、日本史の話をしていて、非常に詳しくて感心したが、それは教科書に載っている話がほとんどだろうと思われた。
多分、彼らは、「教科書にはこう書かれているが、それは嘘で本当は・・・」という話は知らないだろう。
後に、彼らに、教科書に載っていない日本史の話をしたら、やっぱりぽかんとしていた。
そして、日本史以外のことはあまり・・・特に、ITのことは「サッパリ」だった。
日本史に詳しいだけでは知識があるとは言えず、IQは高くないだろう。だから、塾の先生しか出来ない。
彼らが、「馬鹿みたいに」喫茶店で声高らかに日本史の話をしていたのも、他に自慢出来るものがないからだと了解出来た。
日本史に限らず、自分の専門の科目だけとか、小学校の先生では、ある程度幅広いのだが、やはり、教科書に出ていることしか知らない者ばかりだった。
だが、彼らは、良い大学を出たし、給料が高い塾の社員になったともあり、自分は頭が良いと思っていて、プライドが高い者が多かった。
まあ、始末に負えないタイプであるが、こういった人間をうまく使うことが塾成功の秘訣かもしれない。
しかし、カーン・アカデミーのようなビデオ学習の普及やAI教師の登場で(あるいは、それらの融合で)、彼らの仕事はなくなるかもしれない。

心理学者の村上宣寛氏の『IQってホントは何なんだ?』という本に簡単なIQテストがあるが、それは単なる雑学クイズにしか見えない。
それは、多少幅広い教養試験みたいなものだが、それでだいたいのIQが分かることは検証しているらしい。
つまり、やはり、幅広い知識とIQはほぼ一致する。
ビル・ゲイツは、マイクロソフトのCEO時代、IQが高い社員を求めていたことはよく知られている。自身が相当IQが高いのだろう。
その彼が、優秀なプログラマーの特徴を「何でも話題に出来る」と言っていたのを憶えている。

頭が良い人はよく「僕は広く浅くですよ」と言うが、案外に多くのことで深いのである。
まさに、頭が良い(=IQが高い)人であると思う。
実際、頭が良い人は「専門が多い」とか「引き出しが多い」「何でもよく知っている」と言われる。
アインシュタインがアーサー・ケストラーのことを「彼は神様より何でも知っている」と言っていたらしい。
ただ、そんなふうに、頭が良い人は、どんな話題でも対応出来るが、自分が話したがる傾向があったり、教養がない人を見下す場合は、友達が出来ず、あまり楽しい人生を送っていない。
オタクも、幅広いオタクは良いが、特定のことしか分からないオタクが、いわゆる「ダサくてモテないオタク」である。
幅広くて聞き上手のオタクはモテるのである。

どうすれば幅広い教養が得られるのかというと、普段の心構えしかない。
だが、思考を消せば、自然、幅広いことに関心を持つので、「私は誰か?」と自分に問うたり、世界コマンド「私は何も考えない」「われ思わず」を唱えることは有効である。
ただ、IQが高くない者は、これらのことをやり難いので、多少は無理にでもやると良いと思う。








  
このエントリーをはてなブックマークに追加   
人気ランキング参加中です 人気blogランキングへ にほんブログ村 哲学・思想ブログ 人生・成功哲学へ