昔(と言っても10年も経ってないと思うが)、あるテレビ番組で、大学受験生が好きな言葉ランキングというものを簡易に調査していたが、1位は「大丈夫」で、理由としては「安心出来る言葉だから」といった感じだったと思う。
同じ頃、選抜試験というなら、世界一過酷と言われるネイビーシールズ(米国海軍特殊部隊)の入隊試験を突破するような者は、いつも頭の中で「大丈夫」といった言葉をつぶやいているものだという話をある本で読んだ。
また、ある人気自己啓発家が、最もプラスの効果がある言葉は「大丈夫」であると言うのをYouTubeでたまたま見たことがある。
そして、20世紀の作品ながら、いまだ人気が高い漫画・アニメ『カードキャプターさくら』のヒロイン、桜の最強無敵の呪文が「絶対、大丈夫だよ」だった。

「大丈夫」の人気の高さは大したものだが、この言葉はある程度の実力がある者用だ。
あるいは、ある程度の根拠を要する言葉である。
何かの問題を前にした時、それを解決出来る力が自分にあることを、ある程度確信出来る時には「大丈夫だ」と言うと落ち着く場合もあるが、ギャンブルのような状態で「大丈夫」と言っても根拠がなく、少しも落ち着かないだろう。

「大丈夫」というのは、「余計な心配をしない」という効果を期待する言葉で、これはつまるところ「余計なことを考えない」というのと同じであるから、思考を消すという意味合いを多少含んでおり、悪い言葉ではない。
知っている人は少ないが、人間は(意識があるまま)思考を消せば全知全能である。
思考を消す最高の言葉は、いつも言う通り「私は誰か?」であるが、これは神頼みの言葉ではなく、自分に問いかけることで無限の効果を発揮する。

無題
AIアート117
「無題」
Kay


この世界がコンピューターゲームで、我々がプレイヤーであるとすれば、「私は誰か?」は、ゲームに必然的に組み込まれた強力な隠しコマンドで、反則級の力がある。
どのくらいの威力かと言うと、ゲームそのものを作り変えてしまう。
「大丈夫」は、簡単に使えるが、威力の小さな攻撃コマンドのようなもので、良いものではあるが、それほどの期待は出来ない。
一方、管理者用のマスターコマンドにあたる言葉があり、一般管理者用が「私は何も信じない」で、システム管理者用が「私は何も考えない」だ。
このようなことをバラシて良いのかと思うが、現在、ゲームが暴走して、世界は第三次世界大戦に突入してしまった。
ただ、それ(現在は既に第三次世界大戦中であること)に気付いていないプレイヤーが多いのだが、それでも、1割くらいのプレイヤーは、ゲームがおかしくなっていることには気付いていると思う。
「私は何も信じない」は完璧な防御機能を持つが、「私は何も考えない」は、周囲の一切の影響を受けない、ある意味、幽霊のような存在になりながら、実行力だけは完璧に持つという、反則もいいところのデタラメなものだ。

作家の西尾維新という人の作品を読むと、彼はこんな仕組みを薄々と感じているように思える。
よって、彼の作品はなかなか参考になるが、長くなり過ぎると、書くことがなくなるのか、相当ダレる傾向があると思う。








  
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