今回は『老子』第74章である。
『老子』は全81章なので、74/81まで来たわけだ。
この章を一言で言えば「裁くな」である。

「裁くな」は、キリスト教で有名な言葉だ。
イエスは「裁く者は裁かれる」と言ったらしいが、なぜそうなるのかまでは説明しなかった。
復讐の宗教とも思われるイスラム教では、「復讐は神にまかせよ」と言うらしい。つまり、自分で復讐をするなということで、これも「自分が裁くな」という考えが根本にあるのだと思う。
こちら(イスラム教)の方は、「人間であるお前が裁いたり、復讐をしようとしても、力がなくてうまくいかない。しかし、神なら確実だ」という意味であると思う。
しかし、イエスのように、「裁く者が裁かれる」とは教えていない。

老子はこう言っている。
「裁くのは天だ。お前ではない」
「素人が大工の真似をしても怪我をする。まして、天の真似をして裁けばただでは済まない」
「天は道に外れた者を必ず裁く。だから、人が裁く必要など全くない」

これは確実だ。
悪い者を自分が懲らしめようとしなくても、悪い者は必ず天が懲らしめてくれる。
ところが、世間の人は、「悪いことをしながら、のうのうと愉快に暮らしているやつが沢山いる」などという。
だがそれは、ほんの一時のことで、やがては転落を免れない。
いや、表向きは愉快そうでも、実際は死ぬほど惨めなものなのだ。

妖精
AIアート21
「妖精」
Kay


「裁く者は裁かれる」も、「天は必ず裁く」も原理がある。
その原理は、イエスも(知られている範囲では)老子も述べていない。
しかし、2人とも、その原理を知っていたと思う。
その原理とは、こうである。
地球には、超高度なテクノロジーで作られたマインドコントロール装置が仕掛けられていて、この装置が、人間の魂の力を低め、虫けらのような状態にしている。
そして、この装置の影響が大きな者が悪いことをする(正確には、自然の理から外れたことを行う)のである。
装置の影響が強い者は、より悪くなっていくが、それは自然の理からますます外れるということなので、必ず悲惨な状況になるのである。
よって、表向きで言えば、悪い者は、必ず裁かれるということになる。
次に、「裁く者が裁かれる」である。
裁くというのは無駄な考えで、そのような無駄な考えに、マインドコントロール装置は反応し、その者をより強く支配する。
そうすれば、その者自身も悪の面が多くなり、結局、自分が裁いた悪と同じになって、そして、裁かれる。
元々は正義の立場で、悪い者や悪い団体を糾弾していた者が、自分自身も悪くなって滅びるというのは、珍しいことではない。
だから、SNSなどで悪い政治家の悪口を盛んに書いている者も、実は危ないのである。

あなたは無駄なことをせず、ただ「私は誰か?」と自分に問えば良い。
すると、あなたはマインドコントロール装置の影響を受けないようになり、いずれは、本当の自分が、全知全能の無限の魂(=神)であることが分かるようになる。
そうなった時に、天道に従い、裁こうとせずに裁くことになるし、その裁きは絶対である。








  
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