学校時代、他の子達が、70点は取っていて、よくできる子は100点を取っていた試験で、せいぜい10点か20点しか取れなかった。
スポーツもさっぱりで、友達もいなかったし、憧れた女の子はいたが口も利けなかった。
大人になってからも、人付き合いは下手で、要領も悪いので、ずっと、底辺のみっともない仕事しかやれなかった。
そんな男が、「俺はなんて駄目なやつなんだ」と思わず呟いた時、誰かが、「君はちっとも駄目じゃない。自分でそう思っているだけさ」と言った。
その時、男は何かを感じて、何日もずっとその言葉を考え続けた。「俺は駄目なやつだと、自分で思っているだけだ」
男はすっかり変わってしまった。誰もが、彼を偉大な賢者と見るようになったのだ。
これは実話だし、著書に引用した世界的作家もいる。しかし、彼に何が起こったか、誰も説明していない。いや、できないのだ。有名な作家にも、本当のことは分からないのだ。
この男は、わずか数日で、ソクラテスと同じになってしまったのだ。
ソクラテスは、自分が知恵者だの賢者だのとは、本当に、全く思っていなかったのだ。
そして、ソクラテスは、世に賢者の誉れ高い人の噂を聞くと、すぐに訪ねて行き、熱心に対話した。その結果・・・。ソクラテスは自分の方が知恵があると結論せざるをえなかった。だが、それでも、ソクラテスは、自分は何も知らないと、本当にいつも実感していたのだ。
例えば、ソクラテスは有名な作家を訪問し、その作家の作品について尋ねてみた。すると、その作家は、自分の作品についてソクラテスに多く語るのだが、ソクラテスは、作家がその作品のことを何も知らないことが分かったのだ。
だが、作家は自分ではそのことに気付いていない。
もし、ソクラテスが孔子を尋ねたらどうなっただろう?
ひょっとしたら、ソクラテスは、孔子は何も知らないことを見抜いたかもしれないのだ。
だから、荘子は、孔子をずっと馬鹿にしていたのかもしれないのだ。荘子もまた、自分は何も知らないと知っていたのだ。
インドの聖者ラマナ・マハルシに誰かが言った。
「あなたは、なぜセミナーをしないのか?」
マハルシは答えた。
「やってるじゃないか?私は毎日、演壇に登って熱弁をふるっている」
もちろん、マハルシのそんな姿を見た者はいなかった。マハルシが会話をすることすら稀だった。
沈黙に勝る雄弁は無いのである。
毎年、世界中の何十万の人々が、マハルシの沈黙の雄弁を無意識に求め、彼のところに来たのだ。
小賢しい人の知恵が消えた時に現れる真の英知、光の生命・・・それを掴むと、あの不幸な男のように、瞬間に人を超えたものになることもあるのだ。
黒住宗忠は、死の手前で、まさに、光が自分に来るのを見たのだ。それを受け入れると、死の病はたちまち癒えた。そして、彼には、イエスのような知恵と力が備わった。
きっと、自分の駄目さ、どうしようもない煩悩、無知、弱さ・・・それを、本当に、腹の底から分かった時、光が訪れるのだと思う。
アニメ『BLOOD-C』で、ヒロインの少女、小夜(さや)が、時々、不思議な光を見るのだが、どうしても掴めないというのが、とても興味深かった。私も、あれと同じ光を見たことがある。だが、私は恐れてしまったのだ。あの作品を見て、自分の経験を思い出した人は、他にもきっといるだろう。また、あの光をUFOと感じることもあると思う。
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スポーツもさっぱりで、友達もいなかったし、憧れた女の子はいたが口も利けなかった。
大人になってからも、人付き合いは下手で、要領も悪いので、ずっと、底辺のみっともない仕事しかやれなかった。
そんな男が、「俺はなんて駄目なやつなんだ」と思わず呟いた時、誰かが、「君はちっとも駄目じゃない。自分でそう思っているだけさ」と言った。
その時、男は何かを感じて、何日もずっとその言葉を考え続けた。「俺は駄目なやつだと、自分で思っているだけだ」
男はすっかり変わってしまった。誰もが、彼を偉大な賢者と見るようになったのだ。
これは実話だし、著書に引用した世界的作家もいる。しかし、彼に何が起こったか、誰も説明していない。いや、できないのだ。有名な作家にも、本当のことは分からないのだ。
この男は、わずか数日で、ソクラテスと同じになってしまったのだ。
ソクラテスは、自分が知恵者だの賢者だのとは、本当に、全く思っていなかったのだ。
そして、ソクラテスは、世に賢者の誉れ高い人の噂を聞くと、すぐに訪ねて行き、熱心に対話した。その結果・・・。ソクラテスは自分の方が知恵があると結論せざるをえなかった。だが、それでも、ソクラテスは、自分は何も知らないと、本当にいつも実感していたのだ。
例えば、ソクラテスは有名な作家を訪問し、その作家の作品について尋ねてみた。すると、その作家は、自分の作品についてソクラテスに多く語るのだが、ソクラテスは、作家がその作品のことを何も知らないことが分かったのだ。
だが、作家は自分ではそのことに気付いていない。
もし、ソクラテスが孔子を尋ねたらどうなっただろう?
ひょっとしたら、ソクラテスは、孔子は何も知らないことを見抜いたかもしれないのだ。
だから、荘子は、孔子をずっと馬鹿にしていたのかもしれないのだ。荘子もまた、自分は何も知らないと知っていたのだ。
インドの聖者ラマナ・マハルシに誰かが言った。
「あなたは、なぜセミナーをしないのか?」
マハルシは答えた。
「やってるじゃないか?私は毎日、演壇に登って熱弁をふるっている」
もちろん、マハルシのそんな姿を見た者はいなかった。マハルシが会話をすることすら稀だった。
沈黙に勝る雄弁は無いのである。
毎年、世界中の何十万の人々が、マハルシの沈黙の雄弁を無意識に求め、彼のところに来たのだ。
小賢しい人の知恵が消えた時に現れる真の英知、光の生命・・・それを掴むと、あの不幸な男のように、瞬間に人を超えたものになることもあるのだ。
黒住宗忠は、死の手前で、まさに、光が自分に来るのを見たのだ。それを受け入れると、死の病はたちまち癒えた。そして、彼には、イエスのような知恵と力が備わった。
きっと、自分の駄目さ、どうしようもない煩悩、無知、弱さ・・・それを、本当に、腹の底から分かった時、光が訪れるのだと思う。
アニメ『BLOOD-C』で、ヒロインの少女、小夜(さや)が、時々、不思議な光を見るのだが、どうしても掴めないというのが、とても興味深かった。私も、あれと同じ光を見たことがある。だが、私は恐れてしまったのだ。あの作品を見て、自分の経験を思い出した人は、他にもきっといるだろう。また、あの光をUFOと感じることもあると思う。
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