私がこの頃、眠っている時に見る悪夢は、妖怪やお化けの類であることは、まず無い。
ほとんど全て実社会の個人的な問題や事件である。
例えば、今朝の私の夢では、クレジットカードが1枚なくなっていたというものだった。
そんな時は、クレジットカード会社に電話して、使用停止にしてもらうのだろうが、そんな依頼をしたことのある人はほとんどいないだろうし、私もない。
そして頭に浮かぶのは、それがひどくややこいいのではないのかということだ。
なんといっても、自分が確かに、そのカードの所有者であることを証明しないといけない。
それだけではない。きっと他にも、面倒なことが沢山あるに違いない。
なぜそう思うのかというと、現代の社会は、何もかも複雑化してしまっているからだ。
私は、niftyという通信サービス会社で、昔、電話回線でのインターネット接続契約をしていた。
そして、もう随分前から、電話回線アクセスポイントもないはずなのに、解約しなかったので、10年ほどもクレジットカードで支払い続けていた。少し前に、意を決して、解約しようとniftyのWebサイトに入ったが、ひどく憂鬱だった。解約なんて、一筋縄でさせてもらえるはずがないと分かっているからだ。
案の定、IT専門家である私ですら、「さっぱり」やり方が分からない。
サイト内でそれらしいところまではたどり着き、「これだ」と思えるボタンをクリックしても、光回線やADSLなどの宣伝が出て来るばかりだ。やがて怒りを通り越し、絶望を感じた。
それで、niftyに「解約手続きを教えろ」とメールを送っても、「まずはこれこれをご確認下さい」だの、的外れな回答ばかりが来る。諦めて、長時間の超人的努力の末、遂に自分で解約方法を発見したが、まさに複雑なパズルだった。
ところが、解約処理を行い、画面に現れた「ほんとうに解約しますか?」の問いに、「イエス」とクリックしたら、ななんと、「その操作はできません」といった意味のメッセージが出る。
もう問い合わせたくないがniftyにメールを送ったら、「今は解約できない期間なので、○○日以降、再度お願いします」という回答だった。
嗚呼、疲れる・・・

私が、実社会のことで悪夢を見るのも無理はない。
上では、たまたまniftyを悪者にしてしまったが、どこも同じであるのかもしれない。
これは、必ずしも、サービス側の悪意や利益保護のためだけではなく、セキュリティや個人情報保護のことを考えれば、あらゆることが複雑化せざるを得ないのだ。
ただしそれは、サービス提供側の企業の損失を防ぐためであり、その一方、ユーザーの危険性に対しては、ほとんど「ザル」なのである。
最近は、高校生がスマートフォンを持っているのは当たり前であるし、小学生が持っていたって少しも驚かない。
小学生の方も、いまさらスマートフォンを持っていることを自慢する気もないだろう。
しかし、そういったことに対し、私は、彼らの親はいい度胸してるなあと思うのである。
いまだスマートフォンを持たない人の中には、純粋に、「持つのが恐い」と思っている人がいるし、それは社会のことをよく理解している人・・・例えば社長さんや、経理部長などには、そんな人が多いのである。
GoogleやFacebook、あるいは、アップルは、個人情報の収集に執念を燃やしていて、そのために、巧妙な罠を張り巡らしている。あなたは最早、連中の前に丸裸であるかもしれない。
私は、自分のスマートフォンすら恐いのに、実質、自分のスマートフォンを、社会のことを何も知らない子供に持たせるのは、正直、ちょっとおかしいのではないか、はっきり言って無知ではないかと思ってしまうのだ。
子供向けの防犯対策があるっていったって、そんなものが何の役に立つだろう?
そんなものをかいくぐる方法なんて無限にあるに違いないからだ。

上で、セキュリティや個人情報保護のためにITが複雑化していると書いたが、著作権保護というか、権利者保護も、恐ろしくITを複雑にしている。
テレビのHDDで録画したものを、DVDやブルーレイにコピーしたら、元のHDDから消えてしまうというのは、本来は無茶もいいところだが、そうやって権利者の利益を守るために、実に複雑な仕組みを作っているのだ。
そのために、ちょっと古いDVDレコーダーが、新しいテレビでうまく使えないといったことも起こる。
また、テレビのHDDからDVD等にコピーする際に、画面に出てくる選択肢を選ばないといけないことがあるが、専門家である私ですら、回答不能な質問が出てくることがあって呆れてしまったことがある。
テレビのHDDからDVDにコピーしたものをPCで見ようとしたら、普通にはどうやっても見れなかった。
仕方がないので、違法を承知でCPRM(一度だけしかコピーできないようにするためのプロテクト)を解除した・・・人もいるかもしれない。
言っておくが、権利者の利益を保護するのに腐心した結果、結局は、権利者は損失を被るのである。
一方、余計な権利を手放した初音ミク(の権利者)は、豊かに繁栄しているのである。

セキュリティと権利者の利益保護のために、ITは限りなく複雑化し、すでにそれは異常なレベルであり、一般の人にとってはITは既に怪物であり、たとえ専門家であっても、自分が分かる範囲以外ではやはりそうなのである。

だが、それよりも、皆、もっとセキュリティ意識を持った方が良い。
例えば、Google playでは、基本的にクレジットカードでしか買い物ができないが、これまで普通に使っていたGoogleアカウントにクレジットカード情報を持たせるなど、無謀もいいところだと思う。
私は、普段使っているGoogleアカウントにクレジットカード情報を持たせていない。つまり、Googleウォレットを利用していない。
Nexus5は欲しいが、あれはGoogle playでしか買えない(あくまでSIMフリーで欲しいので、eモバイルのはいらない)。
もし、Google playで買い物をするなら、次のようにして欲しい。
(1)新しいgoogleアカウントを取得する。このアカウントは、メール、SNSその他で一切使用しない。
(2)この新しいGoogleアカウントのパスワードは、決して安易なものを設定せず、複雑なものにする。
(3)パスワードを忘れた時に対処するために使うメールアドレスは、やはり、Yahoo!やOutlookで新しいアカウントを取得し、それらのアカウントも普段、決して使用しない。
これが面倒だというなら、Google playで買い物をすべきでない。

しかし、いくら注意深くしたところで、確実な安全にはほど遠い。
インターネット関係で利用しているサービスを見直し、必要でなければ、片っ端から解約することを強くお勧めする。
もはや管理することが不可能になっているサービスがいくつもあるかもしれない。
できれば、オバマ大統領やレズニック(MITメデイァラボ教授)らの薦めに従い、コンピュータプログラミングを学んで欲しい(私のお薦めはExcelでのVBAだ)。
まともな思考力を持っているなら悪夢は続くのである。









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