ITスペシャリストが語る芸術

-The Kay Notes-
SE、プログラマー、AI開発者、教育研究家、潜在意識活用研究者、引きこもり支援講師Kayのブログ。

1万時間の法則

当ブログは、第一期ライブドア奨学生ブログです。
◇お知らせ
[2019/12/28]AI&教育問題専用ブログ、メディアの風を公開しました。
[2017/03/01]「通りすがり」「名無し」「読者」「A」等のハンドル名のコメントは原則削除します。

イチローとテッド・ウィリアムズ

ゲーテの『ファウスト』の序章で、神は、「人間はすぐに怠けたがる。そんな人間のところに悪魔を使わし、悪魔として生きさせる」と言う。
神の意図は、人間を堕落させることではないだろうが、いったん緩んだ人間は、どこまでも落ちる。
私が初めて社会人になった時、男っぽい頼りになる先輩は、23歳にして、どこから見ても、良い意味でオッサンだった(つまり大人)。
その先輩が言ってたものだ。
「人間は、放っておいたら楽な方に行く」
そして、楽な方に行かない人間が高みに昇るのだろう。

そこで私は、イチローとテッド・ウィリアムズの2人の名前をいつも思い出そうと思う。
イチローの説明は無用だろう。
テッド・ウィリアムズ(1918~2002)はアメリカのプロ野球選手だった。
三冠王を2度獲得したのは、メジャーリーグ(アメリカのプロ野球の最上位)では、彼とロジャース・ホーンスビーの2人しかいない。
最高打率.406(40.6%)、通算出塁率.482(48.2%)は、共にメジャー史上最高。
通算安打2654本、通算本塁打521本で、戦争がなければ(彼は戦闘機に乗っていたらしい)、本塁打でメジャー記録を残した可能性もあったと言われている。
イチローとウィリアムスの共通点は、「練習の虫」であったことだ。
この点は、イチローはあまり明かされていないが、ウィリアムズはよく知られている。
ウィリアムズは、少年時代から「起きている時間の全て」を打撃練習に捧げていた。
バットを振るために起き、可能であればいつでもバットを振り、夜は、両親がベッドに押し込まない限りバットを振っていた。
プロになってからも、基本的姿勢は変わらなかったのだと思う。
イチローが練習熱心だったことはご存じの方も多いだろう。
アメリカの雑誌に「イチローのストレッチは永遠に続く」と書かれるほど、ストレッチを始めると長時間続いた。
シーズン・オフも変わらず、週6日練習場に出かけて練習したが、もし、日曜も練習場が開いているなら、週7日になったらしい。
イチローは(ウィリアムズもだろうが)、決してスポ根漫画や『鬼滅の刃』の炭治郎の修行時代のような「もの凄い」訓練をした訳ではなく、短期間なら、プロ野球選手というか高校生でも出来る練習を、年中、そして、長年に渡ってやったのだと思う。
違いは、時間の長さだ。
かなり前になるが、チームラボの猪子寿之社長が、夏野剛氏(現在ドワンゴ社長)との対談で、「この世に天才はいない。能力の差はそれに注ぎ込んだ時間だけ」と述べていたが、このことは、有名な「1万時間の法則(トッププロになるのは1万時間の鍛錬が必要)」の主旨と同じだろう。
「1万時間」を「10年」と言い換える一流も多いと思う。

私も1年程度だが、プログラミングの修行中は、イチローやウィリアムズに近いようなことをしていたと思う。
プログラミングをマスター出来るか出来ないかの違いは、一部のIT業界の大物が言うような「地頭」「才能」ではなく、やっぱり、注ぎ込んだ時間だけの違いと思う。
ただ、やることそものもは、誰でも出来る易しいことで十分なのである。
少々、やり方が下手でも、時間さえかければ、そのうち、うまいやり方も自然に出来るようになる。
一方、「3日でマスター」「1日わずか10分」なんて感じの宣伝は、全部疑った方が間違いない。

いかなることも、イチローやテッド・ウィリアムズの名を忘れなければ失敗することはない。
プログラミングも、スポーツも、芸術も。
「引き寄せ」なんてのもそうで、世界を自在に変革出来る力を得たければ、そのための修行を長時間やれば良く、逆に言えば、引き寄せが出来ないのは、単に修行の時間が足りないのだろう。













当ブログ著者、KayのAI書。
まず、足し算をAIに教えるという、拍子抜けするほど簡単な実習でAIを体験出来、しかも、それでAIを作る方法が分かります。
その後、徐々にステップアップし、「モンティ・ホール問題」「東大数学入試問題予測」「シュレディンガーのエイリアン」「囚人のジレンマ」などの面白いテーマでAIを使うことで、AIのセンスを自然に身に付けます。
ほとんどの実習のためのデータを作れるExcelマクロが無料でダウンロード出来ます。

何歳からでも1万時間の法則で人生を開ける

「1万時間の法則」ほど重要なものは、そうはない。
1万時間の法則とは、何事も、プロになるには、1万時間の修練が必要というものだ。
それは、勉強というよりは実践で、作家になりたいなら、本を1万時間読むのではなく、1万時間文章を書くことだ。
プログラミングの場合は、趣味でも仕事でも、1万時間プログラミングすれば良いと思う。
ただ、英語の教師なら、1万時間教えても、教師のプロにはなれるかもしれないが、英語のプロになる訳ではない。
また、教師もだが、会社員だって、それぞれ、教えるプロ、会社の仕事のプロであるという自覚がなければ、1万時間かけたってプロと言えるほどにならない。
なぜ、あえて教師と会社員を取り上げたかというと、これらの仕事は、「している」というより「強制的にやらされている」場合が多く、実際、プロが極端に少ないからだ。

1万時間を達成するには、年中無休としても約9年かかる。
専門をコロコロ変えていたら、なかなか到達出来ない。
また、例えば、40歳で1万時間を達成し、実際、プロの水準になったが、仕事が面白くなくて転身を考えたとしても、次のことでプロになるのは、早くても50歳くらいになっている。
そう考えると、一度道を決めたら、それに邁進すべきだし、無闇に専門を変えるよりは、歩み続けてきた道で高みを目指す方が良い。
あるプロの歌手が、40代で行き詰まり、歌手を辞めようと思ったが、どんな分野でも、プロは20年、30年とやっているのだから、そんな人達の中で自分が通用するはずがないと悟って、歌手で行くしかないと決断して精進した。そうしたら、ぐんとレベルアップし、一流の仲間入りをしたようだ。

問題は、40代、50代になって、1万時間を費やしたものがない場合である。
若い人は、そんなことにならないよう、何でもいいから専門を決め、1万時間を費やすべきである。
だが、不幸にして、それが出来ないまま、歳を取ってしまっていたら・・・
それでも、定年後に、やりたい道でやっていくため、50代から始めるというのも手である。元マイクロソフト(日本法人)の社長だった成毛眞さんも、著書にそんなことを書かれていたと思う。
じゃあ、定年過ぎて何もない場合は?
実を言うと、40代とか50代にもなれば、自覚はないながら、何かを1万時間はやっているものである。
ゲームとか(笑)。
いや、ゲームも1万時間やったのなら大したものだし、毎日7時間やっていれば、わずか4年で達成出来る。
実際、趣味でやっていたことで、定年後、あるいは、それよりもずっと前に独立して成功した人は少なくない。
例えば、コーヒーが大好きで、長年、本格的にコーヒーの研究をしていた人が、コーヒー専門店を開いて成功した事例がある。
趣味でも、強い情熱を込めて続けていたことは、1万時間を超えているなら、案外に通用するのである。

だから、自分が長年、それなりにやっているものがないかを見直し、それが見つかれば、いっそう力を入れれば良いだろう。
引き寄せの法則や超能力だって、1万時間やればモノになるかもしれないし、それそのものでなくても、ちょっと視点を変えれば、その1万時間が有効になる。
分かり易い例でいえば、超能力研究や修行を1万時間やったら、中岡俊哉さんのような、超能力や霊能力の研究家・啓蒙家になれないとも限らない。
私は、中岡俊哉さんの著作には大いに励まされ、力を与えられたもので、中岡さんの伝記『コックリさんの父 中岡俊哉のオカルト人生』は、私は大変な名著と思う。













当ブログ著者、KayのAI書。
「AIなど、自分には関係ないし、まして、自分でAIを作れるとは夢にも思わない」と言う人が大半と思います。
しかし、今は、Excelが使えるくらいのスキルがあれば、AIは誰でも作れますし、作る必要もあります。
「しかし、それには難しい勉強が必要なのでは?」
いえ、プログラミングも数学も、難しいAI理論も不要です。
普通の言葉と普通の考え方で出来る実習で入門が出来ますし、自分でAIを作れる力をつけるために、面白いテーマの実習を用意しました。

引き寄せも、かけた時間次第

引き寄せの法則、潜在意識の活用による成功法則などと呼ばれる成功哲学、願望達成術は、長く残っている有名なものは、ほぼ全て真理であるし、ちょっと人気が出てすぐ消えていくようなものですら、そんなにひどいものはないように思う。
ところが、これといった成果を収められない人が多いのだと思う。

成果が出ないただ1つの理由は、単に、時間をかけていないだけである。
だが、そう言うと、「いや、何十年も、いろんな成功法則の本をはしごしてきた」と言う人がいると思う。
けれども、30冊の本を1回ずつ読んだところで、1冊読むのにかかる実質時間を、かなり長めに20時間と考えても、たった600時間である。
また、それらの本に書かれてる実践となると、1冊につき10時間なら、かなりマシと思うので、最大300時間。
合わせて900時間。
これでも、相当時間をかけている方だろうが、こんな時間のかけ方でうまくいくはずがない。
それにもし、900時間でも本当にかけたのなら、最低限の成果は出ているはずである。
かなり自在に引き寄せが出来るようになるのは、やはり「1万時間の法則」の通り、1万時間・・・1日3時間で9年、5時間で5年半である。
ただし、先にも述べた通り、900時間でも最低限(それでもかなり)の成果は出るので、1日1時間でも、わずか2年半である。そして、普通の人は、この程度もやらないのである。

まず、引き寄せ関連の本は、有名なものなら、どれも同じである。
以前も述べた、私が超大手教育会社の人に聞いた話であるが、東大生をアルバイトに雇ったところ、その東大生は仕事でも非常に優秀で、合理的にテキパキとこなして高い成果を上げていた。
超大手教育会社の人は、この東大生なら受験のやり方も合理的だったに違いないと思い、どんな勉強のやり方をしたか尋ねたところ、その東大生は、「(人気のある参考書なら)どの参考書も書いてあることは同じなので、1冊覚えてしまえばいいのです。それで誰でも受かります」と、超シンプルに期待通りの明解な答を言ってくれた。

成功哲学・成功法則も全く同じである。
有名なものは全部同じであり、どれでもいいから、1冊に決めて、暗記するまで読めば良いのである。
それが最短時間で引き寄せの法則をマスターする方法だ。

ちなみに、人気のある成功哲学の本と言えば、
ナポレオン・ヒル
クラウド・ブリステル
ノーマン・ヴィンセント・ピール
ジョセフ・マーフィー
らが有名で、これらの著者のものを選べば間違いないと思うし、半世紀以上のロングセラーなら、極めて優れたものばかりと思う。
ただ、あくまで私見であるが、ピールの『積極的考え方の力』の最新訳はちょっとひどいので、出来れば、旧版の桑名一央(相沢勉)訳を読むのが良いと思う。








宮本武蔵は常に木刀に触れていた

育ちの良さを極端に表現する言葉に「箸より重いものを持たない」というものがある。
出典は歌舞伎らしく、なかなか由緒ある言葉のようだ。
もちろんこれは、普通の人がやらなければならない、煩わしいこと、しんどいこと、格好悪いことの多くをしなくて良い・・・お手伝いさんなどがやってくれるということだし、通学もお抱えの運転手が送ってくれるといった、庶民とは違った境遇を大袈裟に言ったものである。

ただ、そんな時に注意しなければならないのは、普通の人がしなくてはならないことを免除される代わりに、普通の人がしない特別なことをするのが本当の貴人であるということだ。
お金持ちであっても、成り上がりの者というのは、そんなことが分からず、自分の子供に、他の子供がやっていることをやらせないのに、特別なこともやらせないのである。
結果、自分の子供は、どうしようもない駄目な人間になってしまう。

ところが、今の普通の人は、かつての王侯貴族より豊かなのである。
誰もがしなければならないことはわずかになり、それも短時間で終えることが出来る。
そして、誰もしない、自分だけがやることを自由に選べるが、その選択範囲は昔の大金持ちよりはるかに大きい。
それなのに、他の人達と同じことをするのは愚かである。
いまだ社会を支配するのは、平民が長時間かけて同じことをしていた時代の価値観であり、皆に同じことをさせようと強制する力があり、人々の方も、皆と同じことをしたがる。
新型コロナウイルスは、もう、群れて皆と同じことをするのを止め、引きこもっているように見えても、自分独自のことをやりなさいという天からのメッセージかもしれないし、そう受け取るべきだと思う。

しかし、多くの人は、自分独自のことをどうやるか分からない。昔のスポ根もののように、過激な鍛錬なんか3日と持たない。
ピアニストやヴァイオリニストになるには、誰よりも厳しい練習をしなければならないと思い、過剰な練習をした結果、手が駄目になってしまうということが本当にある。
1万時間の法則というものがあり、トップクラスになろうと思ったら、1万時間の訓練が必要であるが、それは、ずっと「ぜいぜいはあはあ」と悶え苦しむ1万時間ではない。
メジャーリーグの最後の4割打者テッド・ウィリアムズは少年時代から、起きている時間の全てでバッティングの練習をやりたがるほどだったが、ずっと全力でバットを振っていたのではない。時にはぼーっとバットを構えていたこともあったはずだ。
サッカー王国イタリアでは、サッカー選手志望の少年達に、常に難しい練習をしろと教えるのではなく、単に、常にボールに触れることを薦めるだけだ。
そして、大選手ほど、日常が練習になっているものである。

一流のガンマンは常に銃を手元に置き、一流の狩猟者は懐にいつもお気に入りのナイフを忍ばせていた。
護身の意味もあったが、宮本武蔵は1日24時間、木刀に触れていたという。
一流のプログラマーは常にノートパソコンを持ち歩くか、そうでなくても、いつでもアルゴリズムを書き込めるノートとペンを持っていたり、あるいは、頭の中でいつもプログラムのことを考えているのである。
仙人の口元はいつも呪文があり、法然は何をしていても念仏を唱えていた。
注意したいことは、宮本武蔵は、常に木刀を振り回していたのではなく、ただ、常に触れていたのである。
あなたも、あなただけがやる特別なことに、ただ触れる程度で良いが、常に触れていなければ大したものにはなれないのである。








1万時間の法則と10万回の法則

仙道研究家の高藤聡一郎さんの著書は、何十年も前に書かれた古書に高値が付いているものが多い。
その高藤さんの『驚異の超人気功法』という本が、ある意味面白い。
この本の全般に渡って、詳細で具体的な調査研究の成果と共に、気功鍛錬法も写真を使って丁寧に解説し、立派なテキストとして仕上がっているのに、最後の最後で、それらを一切不要にしてしまう超人のお話を記述している。そして、その部分がとても良いのである。

それは、韓国のある僧のお話である。
著者が直接、韓国の仙道団体の理事をしている人から聞いたということであるが、この本の、それまでの内容と違い、具体的名称が出てこない。
それを、「疑わしい」と取るか、「より深い内容」と取るかは自由であろうが、その判断は、読者が内容から自分で判断するしかない。
私は、そういうのは嫌いではない。
その内容は、簡単に言うと、こんな感じだ。
韓国北部の山に超人的な僧が住んでいて、たまたま、その力を見た人から村中に、その僧の噂が広がった。
その僧は、人間を超えた力を持つが、仙道の修行のようなことはせず、瞑想の修行で、その恐るべき力を得たらしい。
その修行のやり方は次のようである。
最初は、瞑想中に、寺の庭にあった巨岩を持ち上げることを想像した。
すると、しばらくしたら出来そうな気がしたので、やってみたら本当に出来た。
次は、大きな木を引っこ抜くことを想像したら、これも、時間はかかったが出来た。
そして、今は、山を持ち上げる想像をしているらしい。
この僧が言うには、想像とはいえ、山を持ち上げようとしている者には、少しくらい人間離れした力を発揮することなどは容易いようだ。

この修行にも、1万時間の法則が適用出来ると思う。
つまり、イチローのバッティング、ビートルズの演奏、ビル・ゲイツのプログラミング、坂本龍一のピアノのようなもので、1万時間の訓練を積むことで一流になれる。
スポ根漫画のように誰にも出来ない修行をするのではなく、短期間なら誰でも出来る練習に長い時間を注ぎ込んだ者が成功するのだ。
口癖、呪文、あるいは、自己暗示も似たところがあるが、もっと易しいかもしれない。
「神様の奇跡が起こる」と唱え続けたホームレスが宝くじで1億円当てた(しかも2回)時も、彼は暇だったこともあったが、1~2週間とはいえ、1日中唱えていたらしい。
江戸末期の神道家、黒住宗忠に「ありがたい」と1日1万回言うよう指示された、ハンセン氏病(らい病)の武士は1週間で完治した。
一方で、1万回「ありがとう」と唱えて全く治らなかった癌患者がいた(別の方法で治ったようだが)。
呪文や自己暗示には、10万回の法則があるように思う。
(ハンセン氏病の武士は、それまで、1日百回や1日千回をやっていたので、合計で10万回ほどになると思う)
1万時間の法則と10万回の法則。
いずれでも好きな方をやれば道は開けると思う。








プロフィール
名前:Kay(ケイ)
・SE、プログラマー
・初音ミクさんのファン
◆AI&教育blog:メディアの風
◆著書『楽しいAI体験から始める機械学習』(技術評論社)


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