ITスペシャリストが語る芸術

-The Kay Notes-
SE、プログラマー、AI開発者、教育研究家、潜在意識活用研究者、引きこもり支援講師Kayのブログ。

鑓の権三重帷子

当ブログは、第一期ライブドア奨学生ブログです。
◇お知らせ
[2019/12/28]AI&教育問題専用ブログ、メディアの風を公開しました。
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本当はIQが下がり続けている日本人

『赤穂浪士』という小説のために、「赤穂浪士」という言い方が一般的になった赤穂事件について、史実ではないのかもしれないが、お話の概要は多くの人が一通り知っていると思う。
ところが、このお話について、やれ「主君への忠義あふれる武士の心意気」だの、吉良上野介(きらこうずけのすけ)が強欲で高慢な人間であったから悪いだのといった、どうでも良いことばかりが注目され、問題の本質が分からない者がほとんどだ。
これは、特に戦後の思想統制のために、日本人のIQが引き下げられてしまっているからである。
日本人は世界的に言ってIQが高いなどと言われているが、外国との比較の実際は不明ながら、こんな日本人のIQが高いはずがない。
(ただ、明治以前は高かった可能性がある)

ここでは慣例に倣い「赤穂浪士」と言うが、「赤穂浪士」のお話は、何が問題なのだろう?
とりあえず、「赤穂浪士」のお話を簡単に述べる。
赤穂領主である大名、浅野内匠頭(あさのたくみのかみ)は、江戸城で朝廷の勅使(使者)を接待する役目だった。この接待役は、大名が順番で行うことになっており、この時は浅野内匠頭の順番だったわけだ。
ところが、この接待の典礼(儀式の手順やしきたり)は極めて複雑でありながら、書にまとまったものがなく、浅野内匠頭は吉良上野介(きらこうずけのすけ)という者に教えてもらう必要があった。
吉良上野介は、こういった典礼を専門とする格の高い家柄の旗本である。
つまり、吉良上野介は、武士としてはそれほどの身分ではないが、典礼のことを知っていて、大名は儀式の際にそれを教えてもらう必要があるので、吉良上野介にペコペコするのであった。
そこで、儀式のことを教えてもらう際、大名は吉良上野介に高額の謝礼をする慣例が定着してしまっていた。
浅野内匠頭も、それなりの謝礼は用意したが、田舎者のためか、他の大名に比べ、それが著しく少なく、そのために吉良上野介を激怒させ、吉良上野介は浅野内匠頭に散々いやがらせをしていじめるが、それでも浅野内匠頭は莫大な謝礼を出さなかったので、吉良上野介は「それなら儀式のやり方は教えてやらん」という態度になる。これには、さすがに浅野内匠頭は困る。儀式に失敗すれば大変なことになるからだ。
私は、その後の経緯はあまり知らないが、堪忍袋の緒が切れた浅野内匠頭は江戸城内で吉良上野介を切りつける事件を起こし、結果、浅野内匠頭のみが切腹となり赤穂藩は解体(取り潰して他の者達に譲り渡す)となったが、吉良上野介は何のお咎めもなかった。
そしてその後、浪人となった赤穂藩士47名が、吉良邸に押し入って吉良上野介を討ち取り、赤穂藩士達は全員、切腹となる。

さて、このお話の何が問題かというと、ややこしい典礼(儀式の手順やしきたり)を崇める愚かしさだ。
こんな全く不要なものを価値ありとし、それを成立させる機構を作ってしまう者達のIQが低さが諸悪の根源である。

似たお話に、近松門左衛門の浄瑠璃『鑓の権三重帷子(やりのごんざかさねかたびら)』がある。
似ているとは、下らない儀式を崇める愚かしさの部分だ。
こちらのお話の儀式は、茶の湯の儀式である。

風と舞う
AIアート214
「風と舞う」
Kay


本当に大切なことは、単に「敬う」ことであるのに、そのための儀式の方を優先・・・いや、優先どころか、それのみを重んじるのだから、あまりに愚かである。
もう長い間、こんな簡単なことが分からないくらい、日本人のIQは低下してしまっているのである。
(このブログでずっと説明してきたように)我々は、思考を消し、真の叡智を蘇らせる必要がある。
つまるところ、老子や荘子は、そんなことを言っているのであるから、コリン・ウィルソンが言う通り、人類は数千年も騙され続けているのである。
しかし、思考を消すことで、ついに新しい「まともな」人類になれるのである。








軽やかさの秘訣は万事に通ず

近松門左衛門(ちかまつもんざえもん)という江戸時代の歌舞伎・浄瑠璃の作家を知らない人も多いかもしれないが、『曾根崎心中』という浄瑠璃のタイトルを何となく知っている人は少なくないと思う。
浄瑠璃は、三味線で伴奏する人形芝居である。
近松の作品は、ポルノと言ったら言い過ぎかもしれないが、女の情念を描いたようなものが多いと思う・・・と言っても、私も詳しいわけではないが。

その近松の「近松三姦通物の一」とも言われる浄瑠璃『鑓の権三重帷子(やりのごんざかさねかたびら)』という作品が、1986年に、郷ひろみさんと岩下志麻さんの共演で映画化されている(映画のタイトルは『鑓の権三』)。
私は昔、その映画の最後の方をDVDか何かで見て、気になったことがあり、書籍で読んだことがあるが、記憶が断片的にしかない。
ところが、そのお話の中に、ちょっと面白い相関図があったことを憶えている。

権三(槍の達人):25歳
権三の許嫁:13歳
権左の許嫁の母:37歳
権三の許嫁の父:49歳

13歳、25歳、37歳、49歳と、全て酉年の12歳違いである。
このうち、13歳の権三の許嫁は、ほとんど登場せず、ただ、彼女にとって12歳年長の権三はおじさんに見えるといったことが書籍に書かれていた。
権三は、許嫁の母と駆け落ちとなるが、武道の達人ではあっても経済力はなく、生活に困窮する中、大刀を売り、鞘の中に竹光(たけみつ。竹の刀)を持っていたが、そこに、駆け落ち相手の夫が追ってきて、果し合いとなる。
映画の方では、権三は尋常に果し合いに応じるが、竹光しか持っていないので、やむなく、脇差を抜いて構える。
だが、本の方では、権三に戦意はなく、さりとて、逃げる気もなく、「形ばかりお相手いたしましょう」と言う。私は、この態度が好きだ。

で、映画で私が気に入ったのは、郷ひろみさん演じる権三が死に際に「せめて竹槍でもあれば、槍の権左の異名を取った槍裁き、見せてやれたものを」と悔しそうに言うところだ。
しかし、本の方では、権三は、
「竹槍でもあれば、槍裁きを見せてあげられましたが、せめて、足さばきを何かの参考にして下さい」
みたいなことを言っていたと思う。

映画の方の「せめて竹槍でもあれば、槍の権左の異名を取った槍裁き、見せてやれたものを」と言うのが、私の心を打った。
素晴らしい能力を持ちながら、理不尽な理由でそれを発揮出来ない悔しさを味あわねばならない人間は多い。
そんな者達の怨念を、この権三の姿に感じ、私は異様な感動を憶えたのだ。
だが、私は最近、本の方の、「足さばきを見て下さい」について考えることが多い。
私は少し前から、毎日、何時間も佐川幸義流四股を踏んでいるが、それにより、「やはり達人の秘密は足さばきにある」と確信するようになった。
それには、上記の他に、2つのことを思い出したことも関係する。
2つとも、個人的には、すごく怪しいと思う人達の話だが、彼らも、このことに関しては本当のことを言っているように思うのだ。
1人は、空手家の大山倍達氏である。
大山氏は著書(書くのはゴーストライターらしいが)で、空手とダンスは似ていて、自分もダンスが得意だと書いていた。
そして、似ている動きの多くは、やはり、足さばきだと思う。
もう1人は、物理学者で合気道家の保江邦夫氏(佐川幸義の直弟子でもある)だ。
保江氏は、著書で、ダンサーが戦えば格闘家より強く、武術でも、踊りながら戦うと強いといったことを書いていた。
この「踊る」も、やはり、重要なことは足さばきに違いない。
いずれも、どの本だったかは憶えていない。
だが、佐川幸義の四股は、こういった重要な足さばきを磨き上げるものに違いないと思う。
別に、武術やダンスだけでなく、足さばきを磨けば、あらゆる能力が向上するとも思えるのである。
引き寄せも、当然、その中に含まれる。
私も、身体の動きが軽く、キレキレになってきた。

佐川幸義流四股と述べたが、おそらく、決まったやり方はないと私は思う。
佐川幸義が四股を踏むところを見た者はいないらしいし、佐川が細かく四股のやり方を教えることもなかったようだ。
佐川のお弟子さん(あるいは孫弟子)が、雑誌や本、あるいは、YouTube動画で、この四股のやり方を説明しているのを、私は出来る範囲で全て見たが、全部異なっていた。
私のやり方は、喜多原歓喜地(きたはらかんきち)氏のものに近いが、実際は、かなり異なる。
3年程研究する中で、たどり着いた今の形が心地良く、本当に暇さえあれば、好きでやっている。
やり方は以下の通りだ。右足を上げることから始める場合である。

(1)足を肩幅に開いて立つ。ただ、好みに応じ、若干広く、あるいは、狭くても構わない。足は外股でも内股でもなく平行にする。
(2)右足を踵から上げる。よって、つま先が残るような感じである。つま先が床からほとんど、あるいは、全く離れないやり方でも良い。私の場合は、つま先は床から1~3センチ離れると思う。
身体は意図的には傾けないが、自然に傾く分には構わない。足と言うより、膝を上げる感じである。
(3)右足をつま先から床にそっと下ろす。それから踵をそっと下ろす。足を下ろした時に意図的に腰を沈めることはしない。
(4)左足で同じことを行う。
(5)(2)に戻る。

(1)では、最初は、膝を伸ばして立つ。
そのままでも良いが、身体が温まってきたら、膝と足首を少し曲げて行っても良い。曲げるほど負荷も大きくなるが、無理に深く曲げてはならない。
また、膝や足首を曲げて行うと、身体を左右に傾けたくなるかもしれないが、なるべく真っすぐなままでやる。

ここからは、好みに合わないならスルーでも良いが、バーチャルシンガーのIAさんの『SEE THE LIGHTS』という動画(MMDというソフトウェアで作ったアニメ)での、IAさんの足さばきがとても良いと思う。
おそらく、人間のダンサーの動きをキャプチャーして作ったのだろうが、つま先を残して踵を上げる動きがとても良くて佐川流四股に似ており、また、一瞬だが、私の解釈の佐川流四股と全く同じになる場面がある(1分3秒あたりだろうか)。
◆YouTube◆ 【IA OFFICIAL】SEE THE LIGHTS feat. IA / ASY (MUSIC VIDEO)
私は昔から、ダンスを含め、人間の軽やかな動きの秘訣はつま先の扱いにあるとずっと思っていたが、最近、総合的にそれが正しいと分かった。








プロフィール
名前:Kay(ケイ)
・SE、プログラマー
・初音ミクさんのファン
◆AI&教育blog:メディアの風
◆著書『楽しいAI体験から始める機械学習』(技術評論社)


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