身の丈に合った仕事をし、身の丈に合った収入に満足していれば、日本で貧しくなることはない。
しかし、身の程を知らない職業や給料を望むと、おかしなことになり、長年月、収入が得られない状態が続き、挙句、落伍者になりかねない。
30代半ばの、人生の落伍者と言うしかない「まるで駄目男君」に、「社長にでもなるか?」と、半分冗談、半分励ましで言ったら、まるで駄目男君は、「社長、いいですねえ」と真顔で言うのに呆れたことがある。
彼が人生の落伍者であるのは、身の丈、身の程を知らないからだ。

若い時に、身の程をわきまえた仕事をしていれば、やがては実力もつき、自然に待遇も良くなっていく。
しかし、最初から高望みし、何もしなければ、身の丈はどんどん小さくなるだけである。
私は昔、詐欺師紛いの仕事をして、若いのに高級車に乗っていた男を知っていたが、やはり彼も、身の程を知らない収入を望んだから、そんな仕事をするようになってしまったのであり、そんな仕事では何の実力もつかないので、中年になってから全うな仕事をしようと思っても、とんでもなく困難なのである。

少なくとも8割の人間は、自分の身の丈を、実際より相当高く見誤っている。
そんな人達は、自分の容姿や好感度さえ、かなり自惚れた誤解をしているものだ。
卑屈になって、自分を肯定出来ない人も多いと聞くが、私はそんな人は、やはり、自分を高く見積もり過ぎ、周りがそれに見合った扱いをしてくれないことの不満から、そうなっているのだと思えるのだ。

そもそも、凡人というものは、全く大したものではないし、我々も、少しも特別でない凡人なのだから、大した者であるはずがない。
しかし、自分を凡人でなく、特別な者であると思い違いしている人が多過ぎるのである。
それは、高学歴であろうが、スポーツで好成績を上げた者であろうが、全く同じなのである。

そして、ソクラテスが典型なのであるが、本当に凄い人は、自分を本当に身の丈通りに・・・つまり、自分は凡人だと認識しているのである。
徳川家康も全くそうだったのだと思う。
彼は、天下取りの秘訣は「身の程を知る」であると言ったのだ。
本気で謙る者は、神が助けるので、危うさはないのだと思う。









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