最も簡単、確実に願いを叶える公式が、
「私はXだから、Yにならないとおかしい」
だ。
例文としては、いずれ、もっと良いものを考えるが(笑)、
「私はこんなにいい女なのだから、素敵な彼がいないのはおかしい」
がある。
私の場合、
「SFのヒーローみたいだから、プログラマーになれないとおかしい」
で、それまで、セールスマンや事務員だったのが、簡単にプログラマーになったということがある。
「私はXだから、Yにならないとおかしい」
のXは、何でも良く、客観的真偽も問わない。
これは1つのプログラムだ。
『波動の法則』で足立育朗さんは、「プログラムして宇宙に投げれば叶う」と、非常に抽象的に述べていたが、この「私はXだから、Yにならないとおかしい」が、そんな1つの優れたプログラムなのである。

以上はいつもの話なので、少し変わった、面白い話をする。
皆さんが、
「私はXだから、Yにならないとおかしい」
のコツを掴むヒントになればと思う。
そこで、こんなありふれた事例を取り上げる。
親が金持ちだと、一流大学に入り易いという話がある。
たとえば、東大生の親の収入は非常に高い場合が多く、平均を取っても、一般家庭の平均を大きく上回る。
親にお金があると、快適な勉強部屋を与えられ、良い予備校に通え、高価な良い教材を揃えることが出来るというのが一般的な理由だ。
しかし、そんな理屈に囚われると、本質を見失う。
私は、沢山の高学歴者を見たが、彼らに共通するのは、むしろ、「自己評価の高さ」だった。
それが悪い方に働き、鼻持ちならない者や、己惚れが過ぎる者も少なくなかったが、受験で成功した者は、一様に自己評価が高い。
つまり、家に金があるから、子供の時から、良い服や、良い物を買ってもらえ、他の子より良い車に乗っていたから、自分は偉いと思って自己評価が高くなるのである。
別に家が金持ちでなくても、親が褒めまくって育てることで高い自己評価を持っている者は、受験に限らず、何をやってもうまくいく。
そして、自己評価の高さを、
「私はXだから、Yにならないとおかしい」
として使うと、凄い力になるのである。
たとえば、「私は頭がいいから、合格しないとおかしい」と、楽々唱えることが出来る。
実際、「こいつ、なんで自分のことを頭が良いと思ってるの?」と思う高学歴者がいたが、彼は別に、本当に頭が良いわけではなく、親や教師が、彼に、「お前は頭が良い」とよく言ってあげていたのだろう。

私は、元々セールスマンだったが、あるセールスの達人に、「良いセールスマンは自己評価が高い」と言われたことがある。
それを、今考えると、全く納得出来る。そして、実は、それはセールスマンに限らず、おそらく、いかなる職業でも同じだ。
ただし、「私はXだから、Yでないとおかしい」というプログラムや、それに類似の何かを偶然に使った場合に成功するのである。

よって、まずは、自己評価を高めるべきであるが、別に、人間全体としての自己評価を高めろなんて言わない。
人間としての自己評価を高めるとか、自己肯定感を高めるなんて、心理学の1つの大きなテーマで、一生かかったって成功しない。
自己評価を高めるノウハウが書かれた本は沢山あり、なかなか良いことが書かれているが、実用性はおそらく低い(あるいは実質ない)。
そうではなく、部分的な、小さなことで良いのである。
「私はいい男だから、可愛い彼女がいないとおかしい」について言えば、自分のことを「いい男」「いい女」と思うのは易しい。人間は己惚れ屋だからだ。
だから、本来、自己評価の高さも、さほどはいらない場合が多い。
だが、どうしても、自分がいい男(女)と思えない人もいるし、また、自己評価が高い方が、より自分を、いい男、いい女と思えるので、より簡単に素晴らしい彼氏や彼女が出来る。
そして、いい男、いい女という自己評価をより確定的にするには、自分の美点に注目すれば良い。
「背が高い」「二重瞼だ」「痩せている」「体格が良い」「初音ミクに似ている」「手がきれい」「神秘的だ」
何か1つくらいあるだろうし、あくまで自分の思い込みで良い。思い込めば本当になる。
つまり、事実かどうかより、「思い込み易い」美点に注目すれば良い。
ある意味、思い込み易い馬鹿は得である。もちろん、私は得だ(笑)。
私が、セールスマンとして駆け出しの時にセールスコンテストで優勝したのだって、私がある、優秀なセールスマンとそっくりなタイプだと言われたことで自己評価を上げたからだ。ところが、実は、そう言った者は、まさに「言っただけ」で何も考えていなかったのである。ただ、私がそう思い込むことが重要だったわけだ。
それで、私は「私〇〇さんとそっくりなタイプだから、売れないとおかしい」と思い、駆け出しでありながら、ベテラン強豪セールスマン達を差し置いて、セールスコンテストで優勝したのである。

私は、映画でも小説でも、格好良いヒーローを見ると、精神的に、そのヒーローになり切るのが好きだ。
ルパン三世、ジェームズ・ボンド、ジェダイの騎士・・・何でも良い。
「俺はジェームズ・ボンドだから、うまくいかないとおかしい」
は割とよく使ったのである。
子供のように、ヒーロー、ヒロインに憧れ、それになり切ることは、多少の冷静さがあれば、大きな力になると思う。
私は、最近は、『魔王学院の不適合者』の魔王アノス・ヴォルディゴードを、なかなか気に入って同一化している(笑)。