『引き寄せの法則』は、いかなる願い・・・どれほど大きな願いであっても、それを叶えるという。
だが、人々が、実際には、どんな願いを持っているかは追及しない。
富とか、事業の成功とか、結婚とかいった、お決まりのことしか話題にしない。
しかし、人間の内面は、複雑で、神秘的で・・・往々にして不気味だ。

それぞれの人が、本当はどんな願いを持っているかは分からない。
あまりに不道徳なもの、世間体の悪いものは隠されて明かさないからだ。
極端なことを言うので、気味が悪くてもお許しいただきたいが、好きな女の子の肉を食べたいなんて願望を持っている者は、意外と居るものらしい。
江戸川乱歩の小説の中には、かなり奇妙な性癖を持った、普通の人には、変人奇人としか思えない人がよく登場すると思う。
例えば、悪者の中には、美しい男女がいたら、はく製にして、その美しい姿を永久保存したがるとかだ。

自分の娘どころか、孫の世代以下の若い娘に執心することなら、ゲーテ、イェイツ、ピカソ、ルイス・キャロル、チャップリンなど、超ビッグネームにも数多く、ピカソは「60代が青春」とばかりに、大いに実践した。
いや、ピカソがやり過ぎなだけで、ゲーテ、イェイツもかなりやらかしていて、慎ましかったのはルイス・キャロルくらいのものだ。
チャップリンは、どろどろし過ぎて話題にするのもはばかられる。
年齢の高い女性が、若くて美しい男を好むなどは、むしろ、男のロリコンよりずっとすさまじいかもしれない。
また、いまや、同性愛も珍しくはないとはいえ、特に日本では、世間的にはおおっぴらにし難いと思われる。

上に挙げたことすら、まだまだ「お可愛いこと」かもしれない。

では、そのような「世間的には逸脱した願望」を持つ場合、どうすれば良いか?
ところで、これらの願望を持つことは、意外と興味深いのである。
と言うのは、願望が、事業の成功とか富とかであれば、自分でエネルギーを注ぐ・・・つまり、アファーメーションを唱えてやる気を出したり、目標を忘れないよう紙に書いて壁に貼ったりしなければならないが、世間的に逸脱した願いというのは、内面からの衝動、情熱が勝手に溢れるので、まさか、アファーメーションで気分を盛り上げる必要はない。

そして、薄々(あるいは明瞭に)気付いている人もいると思うが、世間的に逸脱した願望を持たない人間はいない。
つまり、人間、皆、変態なのである。
そして、他の動物と違い、人間の個性がやや極端である原因は、そんな「特殊な趣味」が原因なのである。

だから、気楽でいることだ。
願望を否定せず、とはいえ、最初から衝動があるのだから、特に願わず、ましてや、願望達成のために動かず、放置することだ。
堂々たる願いであっても、自分で何とかしようと思って、自分の浅はかな考えで動いても良い結果になることはないのだ。ましてや、秘密の願いの場合は。
実は、特殊な、狂気と感じるほど強い願望は、予備エネルギー経路が開いている証拠なのだ。
だから、合理的でない願望を持たない者は(いればだが)、特別なエネルギーを持っていないのである。
その意味、変態、大いに結構である。
その余分なエネルギーを、別の目的に回すことだ。
不合理な、逸脱した願望のエネルギーは、予備とはいえ、意外に、あるいは、驚くほど大きいので、転用すれば、巨大な力になる、
転用すると言っても、ただ、特殊な願望を放置し、気楽でいれば良いのである。

悲惨なのは、特殊な願望を叶えようと行動してしまうことだ。
そうすることで、せっかくの予備エネルギーを失うだけでなく、メインエネルギーも容易く枯渇させる。
大物の中には、特殊な願望に関してもうまくやったように見える者もいるが、多くは、自分で厳しく限度を決めていたが、それでも、哀れな晩年を送っている。
いずれにしろ、気楽で、良い気分でいることだ。
そうすれば、いかなる願望も味方になってくれるのである。