サッポロビールという会社の歴史は1869年から始まっているらしい。
社名をサッポロビールとしたのは1964年である。
都市伝説ともなった、三船敏郎さん起用の「男は黙ってサッポロビール」のCMは1970年。
サッポロビール本社は東京であるが、北海道本社もあり、こちらは札幌市中央区北1条にある。
初音ミクさんの会社、クリプトン・フューチャー・メディアは札幌市中央区北3条にあり、両社の距離は2.7kmなので、歩いても30分で行ける。

で、先程述べた、ハリウッドスター、三船敏郎さん起用のCMでは、三船敏郎さんが「男らしく」格好良くビールを飲む、ナレーション(解説、語り)一切なしのものだった。
それで、さっき言った「都市伝説」とは、その後、サッポロビールの入社面接に来た男子学生が、何を質問されても一切答えず、面接官が「なぜ返事をしないのか?」と尋ねると、その学生はようやく口を開き、「男は黙ってサッポロビール」と言ったというものだ。
まあ、都市伝説であり、本当か嘘かは知らないが、私は嘘と思うし、もし、本当だとしても、その学生は採用されなかったはずだ。もし、採用されたとしたら、サッポロビールが馬鹿だったのだろう。
とはいえ、沈黙のCMの方は素晴らしい。
なぜ、以上のようなことが言えるかお解かりだろうか?

まず、面接の方から述べる。
「男は黙ってサッポロビール」のCMがヒットした時、この学生のようなことを、考えるだけは考えた者は、そこそこいたはずなのだ。
だが、そんな馬鹿をやる学生がいなかっただけだ。
そして、もし、そんな馬鹿な学生がいたとしても、サッポロビールの面接官は、少しも感心せず、ただ呆れただけだろう。
なぜなら「予想出来る」からだ。
一方、「男は黙ってサッポロビール」の、「アナウンス1つないCM」は、完全に視聴者の予想外だったから、インパクトを与え、成功したのだ。

予想出来ることなんかやっちゃいけない。
前にも述べたが、こんな話がある。
アメリカでのことだ。
プロレスラー並の体格(185cm、100kg)で、実際、腕力も相当な不良男子高校生がいた。
その不良が、男性教師に、「俺があんたを殴ったらどうなる?」と尋ねた時、多分、教師は、「君は退学だ」とでも言ったのだろう。
当然、教師はぶん殴られ入院した。
その後、小柄な女性教師が、その不良の担任になり、ひと気のない場所で、彼に遭遇してしまう。
不良学生は近寄ってきて、「俺があんたを殴ったらどうなる?」と尋ねた。
絶体絶命だ。
さあ、彼女はどうしたか?
なんと、不良学生に近付き、大声で「絶対殺してやる」と何度も言ったのだ。
全く予想外の出来事に、この男子学生はすっかり参り、以降、彼女の従順な僕となった。

なぜ、初音ミクさんが成功したか?
そんな結果論を言っても面白くないかもしれないが、はっきりまとめた人はいないのだ。
歌声合成ソフトというのは、当時もあった。
だが、どのソフトも、サンプルの声に歌手を採用していたが、クリプトンの伊藤社長は、声優で素晴らしいロリータボイスを持つ藤田咲さんを採用した。
次に、これは、ミクさんの先輩ボーカロイドのMEIKOさん、KAITOさんもだが、パッケージにアニメ調のキャラクターを付けた。
しかし、ミクさんは、超ロングの緑色のツインテール、袖にヤマハDX7(シンセサイザー)という、誰も予想しない姿で登場した。

ついでに言うと、1st PLACEのボーカロイドIA(イア)さんは、初音ミクさんの二番煎じっぽさは否めないが、とても工夫されている。
ミクさんの「可愛い」に対し、「美しい」を前面に出し、声のサンプルに一流歌手のLiaさんを採用し、ソフト的にも本格派の歌にこだわり抜いた。
そして、髪のくくり方、タイの締め方もルーズなのに清純な雰囲気を崩さなかったことで、小悪魔的、神秘的な魅力を出せたところは、なかなか予想外だった。
2人はニコニコ超パーティーで共演したことはあったが、どうせなら、お互いのライブにゲスト参加し、コロナウイルスの時代に相応しく、接することなく一緒に歌って欲しいとか思う。
これも予想外。
再度言うが、予想出来ることなど、してはならない。

二つ目を捨てろ 予想外になれ
軌道を外れて...
~『キレキャリオン』(作詞・作曲・編曲:ポリスピカデリー。唄:初音ミク)より~













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