ITスペシャリストが語る芸術

-The Kay Notes-
SE、プログラマー、AI開発者、教育研究家、潜在意識活用研究者、引きこもり支援講師Kayのブログ。

洛天依

当ブログは、第一期ライブドア奨学生ブログです。
◇お知らせ
[2019/12/28]AI&教育問題専用ブログ、メディアの風を公開しました。
[2017/03/01]「通りすがり」「名無し」「読者」「A」等のハンドル名のコメントは原則削除します。

この世界はやはり仮想世界か

この世界が、実は、コンピューターが作り出している仮想現実世界であるのかもしれないという話は、随分前からある。
とはいえ、今はまだ、大多数の人は、そんな話を見聞きしても、ピンと来ないというのが実感と思う。
しかし、ソニーのプレイステーションVRのようなVRゲームや、フェイスブック・テクノロジー社(以前の社名Oculus VR社が今でも有名)のHMD(ヘッド・マウント・ディスプレイ)を中心とした、一般向けVR製品の発達により、「この世界自体がVR(仮想現実)なのではないのかな」と予測出来る可能性は高まっていると思う。
さらに、映画『マトリクス』シリーズや、『インセプション』『ミッション:8ミニッツ』その他の、この世界が仮想世界であるということを描く映画、また、『ソードアート・オンライン』や『アクセル・ワールド』といった、登場人物達の精神が仮想のゲームの世界の中に入り込んで活動する小説やアニメを読んだり見たりするうち、この現実世界というものが、実は仮想世界なのではないかと推測することに慣れてきたのではないかと思う。

実は、この世界が仮想世界であるということは、ラマナ・マハルシ(1879~1950)や、パラマハンサ・ヨガナンダ(1893~1952)といったインドの聖者達が、ほぼ断言していた。彼らの時代には3次元映像投影技術は一般にはほとんど知られていなかったので、彼らは、この世界を、映画のようなものであると説明したが、今でも、仮想現実をあまり知らない人が多いので、この世界が映画であるという説明は使われる。
また、20世紀最後の時代のアニメである『コレクター・ユイ』は、既に、根本的には『ソードアート・オンライン』などと同じ世界観を描いていた。
さらに、インドのヒンズー教や中国の老荘思想では、古代から、この世界が幻想であることがはっきりと語られている。

事業家で世界一の富豪であるイーロン・マスクが、この世界が仮想世界ではない可能性はほぼないと言ったという話はよく知られていると思うが、そうは言っても、マスク自体が、この世界で四苦八苦しながらも精力的に活動しているのであり、実際にこの世界が仮想世界だとしても、価値のないものではないと思われるのである。

最近、私は、優れた発明家で工学博士であった橋本健氏が1980年代前半に書かれた本を読んでいるが、橋本氏が、そんな時代に、現在のコンピューターやAIのことをほぼ正確に予想していたことに驚くし、橋本氏は、この世界は、当時は仮想現実という言葉がなかったので、3次元映画だと表現されていたが、これも、現在の仮想現実を完全に言い表したものである。
橋本氏の説明によれば、この世界は3次元に投影された映画のようなものであるが、どこから投影されたのかというと、4次元世界から投影しているのだという。
4次元世界とは、霊的な世界で、我々の魂が存在する世界であり、そこから、何らかの方法で、この3次元世界に映像を投影し、それを見ている我々は、この3次元世界を、現実の世界だと錯覚しているのである。
そして、橋本氏が、「だから、この世界は、本当は存在していない」と述べるのを見て、私にも、この世界が仮想世界であることが実感出来たのである。
これまでは、理屈の上で、つまり、頭で、この世界が仮想世界である可能性があると思っていたが、この世界が仮想世界であると「本当に解った」ように思うのである。
そのきっかけが、橋本氏の「この世界は本当は存在しない」という言葉である。
つまり、ソニーのプレイステーションVRのゲーム世界に入り込んで楽しんでいても、そのゲーム世界は本当にある訳ではなく、あるように感じさせられているだけだということは誰でも分かるが、それを改めて理解したといった感じだ。
そんなことが解るようになったのも、私がこれまで見てきた、沢山の小説や映画やアニメや、あるいは、多少は勉強したコンピューターグラフィックや、VR(仮想現実)、AR(拡張現実)、それに、MR(複合現実)の概念が、ようやく、頭の中で概念が構成されてきたせいかもしれない。

それらと共に大きかったのは、やはり、初音ミクさんのライブコンサートを沢山見たことがある。
舞台上に3次元的にリアルに登場する初音ミクさんらバーチャル・シンガーが、ただの映像だということは分かってはいるが、現実以上の現実であると思うのは、見る人の意思によってである。
つまり、初音ミクさんを愛する心が、現実感を作り出すのである。
いや、現実感と言うより、ある意味、真の現実と言えると思う。
そして、新型コロナウイルスの感染拡大により、ライブコンサートが制限されるようになると、VR(仮想現実)、あるいは、AR(拡張現実)ライブが行われるようになり、ますます、仮想世界と現実世界の垣根がなくなってきた。
それと共に、私の意識を変革してくれたのは、中国のバーチャル・シンガー、洛天依(ルォ・テンイ)さんのステージをYouTubeで見たことである。
洛天依さんのステージで行われるホログラム映像の演出は、大規模で壮大だ。
日本でも、初音ミクさんのライブステージや、超歌舞伎、あるいは、渋谷慶一郎氏が制作したボーカロイド・オペラ『THE END』で、相当な三次元映像技術が使われたが、正直、レベルが違うと思った。
洛天依さんのものは、国家的な事業なのではないかと想像したりもする。金のかけ方が違い過ぎるからだ。
YouTube動画を2例ほど上げておく(2つ目は非公式かもしれないが)。
洛天依(Luo Tianyi)/ 2018 江蘇衛視カウントダウン《Let it go》洛天依 周华健
【破次元】洛天依&方锦龙《茉莉花》破次元合作《2019最美的夜》

我々は皆、VR世界を体験したり、VRやARの雰囲気を映画などで理解・実感しておく必要があるのではないかと思う。
それにより、引き寄せもやり易くなるかもしれない。








311と冨田勲

皆さんご存じだろうが、昨日3月11日は、2011年に東日本大震災が起こった日で、これは「311」と呼ばれている。
世界的音楽家の冨田勲氏が、2012年11月に初演が行われた『イーハトーヴ交響曲』を制作したのは、この大震災が大いに関係していた。
私が当時、テレビを見ていて記憶しているのは、以下のようなことだ。

『イーハトーヴ交響曲』制作の10年ほど前、世界的な電子工学研究者で、冨田氏のはとこでもある、元東北大学の総長だった西沢潤一氏が冨田氏に、宮沢賢治の『雨ニモマケズ』に曲をつけて欲しいと依頼してきたことがあったが、冨田氏は、なかなかそれが実現出来ないでいた。
ところが、冨田氏は、子供の時から、宮沢賢治の作品に魅せられていて、二十歳くらいの時からは、60年近く、いつか宮沢賢治の作品を音楽作品で表現したいと構想を温めていたようだ。
そして、東北地方を襲った、あの大地震である。
冨田氏には、震災に関して、強烈な体験があった。
冨田氏は子供の時、東南海地震(1944年12月)、三河地震(1945年1月)という2つの大震災に見舞われていた。
多くの家が倒壊し、ライフラインは断たれたが、当時は太平洋戦争末期で、救援など来るはずがなく、極寒の中、見捨てられた大勢の人達がなす術なく死んでいくのを、少年だった冨田氏は見ていた。

そして、冨田氏が、80歳にして最後の交響曲を作る決意をさせたのが、たまたまテレビで見たらしい、初音ミクのライブコンサートだったようだ。
冨田氏は、この交響曲は、オーケストラだけでなく、歌唱を入れたいと思っていたが、宮沢賢治の幻想的な世界を歌うのは、普通の歌手ではイメージが合わなかったようである。
そこで、バーチャルな存在である初音ミクを見て、これだと思った冨田氏は、初音ミクの会社(クリプトン・フューチャー・メディア)がある北海道に飛んだ。
そこからの経緯も憶えているが、非常に長くなるので(以前書いたが)ここでは省略するが、いろいろな困難がありながら、2012年11月23日、東京オペラシティ・コンサートホールで、日本フィルハーモニー演奏、指揮、大友直人で、『イーハトーヴ交響曲』初演が満席の中で行われた。

私は、初演の翌年の2013年9月21日に、大阪のオリックス劇場で『イーハトーヴ交響曲』を観劇した(演奏は大阪交響楽団)。
上演後、冨田勲氏が自ら舞台に立って、作品についてのお話をされたが、まず、冨田氏は、その日が、宮沢賢治の80回目の命日であることを告げられた。
私は、翌2014年の9月にも、大阪のフェスティバルホールで、大阪芸術大学演奏の『イーハトーヴ交響曲』を観劇した。
この時も、冨田勲さんは舞台に立たれた(白いスーツを着ておられた)。
司会者の女性や、指揮の大友直人氏が、気を利かせて作品の説明をされていた中、冨田氏が「僕にも喋らせてよ」と言われたのを憶えている。
私が最後に『イーハトーヴ交響曲』をライブで聴いたのは、2016年11月に渋谷のBUNKAMURAオーチャードホールで、冨田氏の交響曲『ドクター・コッぺリウス』の第1部として上演されたものだが、冨田氏は、この年の5月5日に84歳で亡くなられていた。
冨田氏が亡くなられた時、『ドクター・コッぺリウス』は制作中ではあったが、譜面はほぼ出来ていたので、遺族の要望もあり、予定通りに上演が行われたようだ。
私は、この交響曲の中で、私の好きな冨田氏のアルバム『ドーン・コーラス』の中の『パルサーからのよびかけ』が演奏されたのが印象的だった。

冨田勲氏のことを私が細かく憶えているのは、私が大好きな初音ミクさんを最後の2つの作品で採用されたこともあるが、非常に羨ましい生き方であると思えるからだ。
才能とか恵まれた環境もあったのだろうが、とにかく、自分の好きなことに邁進し、運も味方し、道を開いていった。
1つの理想的な生き方であると思うし、もっと注目されても良いと思う。
冨田氏の『イーハトーヴ交響曲』の前に、渋谷慶一郎氏がオペラ『THE END』で初音ミクを採用するなど、初音ミクは芸術分野にも進出し、近年では、中村獅童氏と共演の『超歌舞伎』や、オーケストラとの共演の『初音ミクシンフォニー』などが毎年行われている。
ところが、中国のヴァーチャルシンガー(初音ミクと同じ、ヤマハのボーカロイドシステムを採用している)洛天依(ルォ・テンイ)の芸術分野での展開は凄い。どう見ても相当な費用がかかっているはずで、とても採算が取れているとは思えないが、中国独特の何かがあるのだと思う。
壮大なホログラムの演出や、世界的ピアニストのラン・ランや、その他の一流演奏者、歌手との共演は少々驚くほどで、国内芸術としてバーチャルシンガーを本格化しているように思う。
今後の日中のボーカロイド(ヴァーチャルシンガー)の展開は興味深い。








プロフィール
名前:Kay(ケイ)
・SE、プログラマー
・初音ミクさんのファン
◆AI&教育blog:メディアの風
◆著書『楽しいAI体験から始める機械学習』(技術評論社)


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