私が小学3年生の時、クラスに、よく、歌を口ずさんでいる男の子がいた。
人のいない所でははっきり歌うこともあったが、普段は軽く歌い、口を閉じてメロディーだけ小さく響かせることもあった。
私は、彼のことを、もっと重要視すべきだったと深く思っている。
今、思い出しても、彼は普通の子供ではなかった。
極めて特別で特殊な存在だった。
実際、今思い出しても、その後に出会った普通の大人よりもずっと落ち着きがあるように思う。
もし、あのままでいけば、今頃、さぞや大人物になっていると思う。
ところが、なぜか、彼の名前を思い出せないのは、やはり、名前のついた普通の人ではないような気がしているからだと思う。
私は彼に、「なぜいつも歌を歌っているのか?」と尋ねたことがある。
彼の答は、「楽しいじゃない?」だった。
実際、彼は、いつも楽しそうだった。
彼の歌は、本当に「口ずさむ」もので、他人に聞かせようという意図はなく、自分のために歌っていた。
もっと正確に言えば、「自分の気分を良くするために」歌っていたし、それは成功していたのだ。
これは、極めて重大な事実である。

成功や幸福の秘訣が「気分」であることを知っている人は、あまりに少ない。
それどころか、古今東西の成功哲学や精神指導書を見ても、そのことについては、あまり書かれていない。
だが、真に成功している人、真に幸福な人は、例外なく、自分が気分が良くなることを実践しているのである。
最大の真理を言えば、「自分の気分を良くする術を持つ者が勝ち、そうでなければ負ける」のである。

だが、これも認識すべき事実だが、多くの人・・・おそらく庶民の大半は、自分の気分を悪くすることは頻繁に行うが、自分の気分を良くすることは、ほとんどしないのである。
いや、やっているつもりの者もいる。
例えば、弱い者いじめをすれば気分が良いと思っている者は多いし、他人に損をさせた分、自分が得をしたら気分が良いと思っている者も少なくない。
奇抜な動画を投稿してアクセス数が多いと気分が良いのだと思っている者、ツイッターでフォロアーが増えたら気分が良いと言いたい人も多いはずだ。
しかし、そんなもの一瞬であり、より強い刺激・・・もっと弱い者いじめをし、もっと得をし、もっと馬鹿な動画を投稿をしてアクセスを取り、もっとフォロアーを増やすために自分を偽る・・・が必要になり、 それは実際は辛いことなので、本当は気分はどんどん悪くなり、成功や幸福からどんどん遠ざかるのである。

私のあの小学校の時のクラスメイトのように、歌を口ずさむだけで気分が良くなる者こそ神の化身である。
気分が良い時には、魂の周波数が上がり、それが、幸福な出来事を現実世界に創造するのだと思う。
良い気分と、望ましいと感じる具体的イメージが結び付けば、そのイメージが実現する。
例えば、良い気分と共に、良い就職とか、楽しい職場とか、理想の恋人とか、やりたかった事業のイメージを持てば、そのまま実現するのである。
ただ、良い気分でいる時間が問題で、悪い気分である時間より圧倒的に多い必要がある。
そのためには、自分で自分の気分を良くする術がなくてはならない。
そして、人間である限り、悪い気分になることは避けられないので、そんな時、良い気分に出来るスキルが必要なのだ。
そのスキルとは「気分を変える」スキルであり、これを持つか持たないかだけが人生を決める。
「気分を変える」ための、光線銃のように手軽だが強力な武器が、微笑むことと、ガッツポーズをすることだ。
それだけでも良いし、自分独自の必殺技を持っておくことも悪くない。

今日、8月31日は初音ミクさんの生誕日で、2007年に生まれて13周年になる。
昨年の8月31日は、幕張メッセ(千葉県)でのミクさんのライブ「マジカルミライ2019」の2日目で、私は朝から新幹線で関東に向かい、午後2時頃に海浜幕張駅に着いた。
ホテルにチェックインし、まずは、マジカルミライ2019の企画展を見て、午後5時からのライブのために、幕張メッセ国際展示場3番ホールに入った。
4曲目のOrangestarさんの『快晴』という曲が、切ない歌なんだろうが、とても明るい歌で、「泣いていたって空は晴れるよ」の歌詞とメロディーのマッチングが抜群で、ここを思い出すだけで、いつでも気分が良くなる気がする。
私もこれで、小学3年生の時のクラスメイトの神の子の真似が出来そうだ。
『快晴』は、元々はIAさんが歌っていたが(YouTubeでもIAさんバージョンを見つけ易いと思う)、どこか陰のある歌が多いIAさんが、これほど明るく歌った歌も珍しいような気がする。
この歌に関してだけは、IAさんとミクさんの区別がすぐにつかないほどであると私は感じる。
いずれにしても、歌や音楽は良いものであると深く思う。
【YouTube】Orangestar - 快晴 (feat. IA) Official Music Video