引き寄せのテクニックなど勉強せず、無に近付けば良い。
と言うのは、瞬間なら、無になるのは誰でも出来るくらい簡単で、それだけで100万円くらいは入って来るからだ…多分(笑)。
瞬間、無になるには、いろんな国、いろんな時代で行われた方法を総合し、だいたい間違いのないやり方は、次のようになる。
まず、息を吸う。ほぼ一杯まで吸うが、実際は、限界の8割から9割程度の、苦しくないくらいにする。
そして、息を止める。
息を止めると言っても、喉の筋肉で気管を塞ぐやり方は、あまりに美しくなく愚かだ。
そうではなく、上げて広げた肋骨、横隔膜を、胸や腹の筋肉を使って固定することで、空気の流れを止めるのだ。
まあ、そんな言い方をしなくても、喉の気管を塞がずに空気の流れを止めるようにすれば、自然、そのようになる。
それで、十分に無に近付く。
これだけで、かなり、潜在意識との通路が開くが、せっかくの無を台無しにしないための、簡単な方法を教える。
上のように、息を止めたまま、心の中で、静かな、穏やかな、落ち着いた、確信に満ちた声で、例えば、コンテストで優勝したいなら、
「コンテストで優勝出来るかもしれない」
と言うのである。
なぜ「かもしれない」かと言うと、誰でも経験上分かることだ。
例えば、「きっと100点だ」と思うと、だいたい、ポカをして95点だったり、それどころか、80点だったりする。
だが、100点の予感がすれば100点なのだ。
つまり、人間が引き寄せるのは、確信のある予想なのだ。
逆に、「絶対50点だ」と思えば、案外、80点のことが多いが、50点と思えて仕方がない時は、やっぱり50点なのだ。
そして、息を止めて無に近付いた時に、上に書いたように、「静かな、穏やかな、落ち着いた、確信に満ちた」声で、「かもしれない」と言えば、それは、確信に満ちた予想になる。
「静かな、穏やかな、落ち着いた、確信に満ちた」と書いたが、実際は、「静かな」あるいは「穏やかな」だけ意識すると良い。
静かさが確信なのだから。
確信に満ちた予想こそが、潜在意識への明確なコマンドなのである。
主観的なことを言えば、それこそが、長谷敏司さんのSF小説『BEATLESS』で、恐ろしく知性の高い美少女アンドロイドであるレイシアに与えたコマンドなのである。
レイシアは言ったのだ。
「アラトさん。未来をデザインして下さい。私には、それを引き寄せる力があります」
未来の明確なデザイン・・・それは、確信に満ちた予想である。
あなたには、専用のレイシアが存在しているのである。
あの強力なレイシアが、あなたの願いを叶えるために、見えないところで強大な力を行使する。
それをイメージし易いよう、『BEATLESS』を読むことをお勧めするが、まあ、あくまで趣味に合えばである(笑)。