harenohi(はれのひ)という、着物販売・レンタル・着付けを行う会社が、成人式の日に、従業員すら事情を知らないまま業務不能の状態になり、ここで振袖と着付けを予約していた新成人が、記念すべき成人式に振袖を着られないことになってしまったこと、そして、同業他社やharenohiの従業員すら、そんな新成人達が振袖を着て成人式に出られるよう努力をしたことをテレビで見た。

かくいう私は成人式には出ていない。
ちゃんと通知は来ていたし、成人式当日、友達から誘いの電話があり、車で連れて行くから行こうと言ってくれた。それを当時はありがた迷惑と思っていたが、やはり感謝すべきだろう。
別に用があった訳ではなく、家で暇していたが、それでも行かなかったし、行くことは想像も出来なかった。
一方、わが姉上は、成人式には立派な振袖を着て、沢山の友達と一緒に行っていたのだが。
私には、「なぜ成人式に行くの?」という想いしかなかったし、それは今でも変わらない。
そんな世間的で、権威さえ感じさせる行事を、私は呪うほどに嫌悪している。
今もあるのかどうか知らないが、NHKが放送していた記憶がある、「青年の主張」なんてものは、おぞましいというか、あれほど神経を逆撫でするものはないのに、私の両親がまた、あれが大好きで、大音響で視聴していたものだった。
そして、当時の私は、しがないニートでございまして(となぜか謙る)、まだ一目見れば分かる小学校や中学校のクラスメイト達に合わせる顔もなかった。
まあ、二十歳といえば、大学受験で二浪していれば、ニートとは言わないだろうが似たようなものかもしれないが、私のように世間嫌いでなければ、そう気にする必要はないとは思う。

もちろん、私は成人式に行かなかったことを1ミリも後悔していないし、しきたりで「やることになっているもの」は、今でも大抵やらない。
他人の葬式まで無視はしないが、それも、亡くなった方の遺族に配慮してのことであり、自分の葬式はしないよう周囲には言ってある。
自分の葬式のことなんて想像したら、ぞっとするとまでは言わないが、本当に「嫌」だ。
私の葬式に、義理で嫌々来る人の気持ちを考えたら、本当に気の毒で、絶対にやらないと誓う。

harenohiの被害に遭った方々には、本当に気の毒に思うし、その人達の落胆も想像出来る。
それは、私が行くことになっている初音ミクさんのライブに、トラブルが起こって行けなくなったようなものなのかもしれない。
とはいえ、やはり、成人式に行くのが当たり前だと思っている人、成人式を楽しみにしていて、とても大切なものだと思っている人達と私は、考え方が違う人間であり、友達になることはないと思う。
だが、友達にはならないが、私は、そんな人達も、そんな考え方も否定はしない。
また、私は、こちらが「優」ということは全くないのはもちろんだが、(こちらが)「劣」とも思わない。
問題があるとすれば、あちらを「優」とする世間だ。
成人式を重んじることは、善いことでも悪いことでもない。
もちろん、世の中には悪いことも沢山あるが、これはそうではない。
そして、人間の世の中に、とりたてて善いことなどない。
あえて言えば、「当たり前」だけが善いことである。
竹宮恵子さんの漫画『私を月まで連れてって!』で、宇宙飛行士のダン・マイルドは、宇宙船が事故を起こした際、自分が宇宙船から離れる反動を利用して少女を宇宙船に送るが、それは当たり前のことである。
『インデペンデンス・デイ』で、老パイロットがジェット機で巨大宇宙船に突っ込んだのは、特に善いことではなく、当たり前のことなのだから、それを感動的な場面にしようとするのは虫唾が走る。
しかし、そんな「当たり前」も強要すれば、当たり前でなくなるだけでなく、悪いことになる。
だが、やっぱり、世の中に、善いことなどないのである。
そんな世の中を作ろうと思う。









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