第二次世界大戦中の日本のスローガンは「欲しがりません勝つまでは」だった。
興味深いことに、このスローガンは今でも覚えている人が多いのである。
だから、「マジカルミライ2018」鏡音リン・レン10周年Anniversaryテーマソング『劣等上等』で、「欲しがります死ぬまでは」と歌われた時は、おかしな感覚を感じたものだった。
この歌で、「パッパッパ 変わる時代 悪いことばかりじゃないでしょう」と言うのは、かなり天才的な感性と感動する。
こんな言い方をする者はいなかった。
「欲しがりません勝つまでは」
から、
「欲しがります死ぬまでは」
の時代に変わり、それは、良いとも悪いとも言えるし、良いとも悪いとも言えない。
だけど、前向きに、「悪いことばかりじゃないでしょう」と言うのだが、それはつまり、「悪いことの方が多い」ということなのかもしれない。
どんな時代であろうが、我々は生きなければならないのだ・・・死ぬまでは。

しかし、あまりに「欲しがります」の時代になり、必然的に、新型コロナウイルスが現れ、「欲しがりません」を強制されつつある。
人間は「喉元過ぎれば熱さを忘れる」愚かな生き物である。
とはいえ、それが必要なことも確かだろう。
小椋圭さんの『それが夢ならば』という曲で、
「どんなつらい愛も旅も 過ぎてみればただ遠いところから ほらほら 笑いながら手をふるよ」
と歌っているのが救いになるのは、小椋さんが相当つらい想いをしたからだろうと想像出来るのである。
そして、そんなつらいことが多い人生は夢であると、この歌は言うのである。

インドの聖者ニサルガダッタ・マハラジは、「人生は1つの夢のようなものを見なされるべきである」と言い、彼より有名だったラマナ・マハルシは、もっと強くこう言った。
「夢は短く目覚めは長い。それ以外に両者に何の違いもない」
大正から昭和の超売れっ子作家で、現在も人気が高い江戸川乱歩は、色紙にサインをする際、
「うつし(現)世はゆめ よるの夢こそまこと」
あるいは
「昼〔ひる〕は夢 夜〔よ〕ぞ現〔うつつ〕」
と書き添えたというが、こちらとなると、夢の方が本物で、現実と呼ぶものは幻でしかないということになる。
宇宙人バシャールのメッセージも、それと同じだったと思う。

だが、夢を作り出すのは我々の心だ。
「20世紀最大の詩人」と言われたアイルランドの詩人・劇作家、W.B.イェイツは、『再来』という詩の中で、我々は2千年の夢の中で悪夢を見るようになってしまったが、その悪夢は、凶暴な獣の再来によって終わると言う。
その凶暴な獣は新型コロナウイルスか?
いったん世界は終り、新しい秩序が生まれる。
我々は、せめて、それを平和に行わなければならない。
まず、いくらなんでも、いまだ、オリンピックをやると言っているなら、悲惨は免れない。
心が間違っているからだ。
全ての人と平等な弱い絆を持つことが要求されている。
言い換えれば、君子の淡い付き合いのようなものだ。
人の心に踏み込まず、人を操らないが、それは他を拒絶したり、まして、見下すことではない。他を敬うことによって、それが実現出来る。貴い宝は、離れて崇め、それに奉仕するものである。
こんな簡単なことが分からない人間に、もはや生存は許されない。
しかし、そんな簡単なことが解れば、新しい時代は、楽で済み良い世界になるのである。













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