著名なユング派心理学者、河合隼雄さんの京都大学での退官講義を収録した『こころの最終講義』 に、こんな話がある。
息子が登校拒否で学校に行かないという父親が、河合さんに、
「先生、学校に行くボタンってないですかね?」
と尋ねたらしい。
言っては悪いが、私が、最も愚かな人間の代表と考えている例である。
子供が学校に行けない原因は複雑で、父親はその原因に大きく関わっているはずである。
その責任を一切放棄して、ボタンを押して解決したいという、虫が良いなんてもんじゃない、自分の子供をモノ扱いしているのであり、それが、子供が歪んだ原因だろう。
そして、そのような人間は増える一方なのかもしれない。

これと、ちょっと似ているが、異なる話をする。
私は、筋トレは好きでは無いが、筋トレ絶賛派のTestosterone(テストステロン)さんという作家、事業家、トレーナーは大好きである。
彼は、いかなる質問にも同じ答をするように思う。
「モテない?なら筋トレだ」
「人生に不安がある?なら筋トレだ」
「嫌な上司がいる?なら筋トレだ」
人生の問題の99.9%は筋トレで解決すると断言する。
爽快である。男は(女もだが)、このくらい信念がないといけない。
実際に彼に会えば、本当に筋トレで全て解決する可能性が高い。
法然も全く同じだった。
何を聞かれても、「なら念仏だ」だったはずだ。
法然に直接会った人なら、実際、それで全て解決する。

日本航空社長や日銀副総裁などを歴任した柳田誠二郎さんは、若い人達に、
「何でもいいから、心を締める鍵を1つもちなさい」
と言い、自分の場合は、たまたま、岡田虎二郎に教わった静坐がそうだったと言う。
自分は、岡田虎二郎の静坐で全てうまくいったが、皆、それぞれ好きなことをやれば良いと言う訳だ。
だが、早くそれを持った方が良いとは言えるだろう。

Testosteroneさんや、法然や柳田誠二郎さんらの問題解決手段(柳田さん式には「心を締める鍵」)と、最初の、登校拒否の子供を持つ父親の「学校に行くボタン」は似ているようで全然違う。
「ボタン」は、「俺はボタンを押すだけで、面倒なことは一切しない。俺に責任はない」というものだ。
対して、Testosteroneさんらは、問題解決の手段を示しているのである。
そして、その手段を、徹底的に探求したので、自信があるのだ。
そして、柳田さんが言うように、手段は何でも良いのだ。
Testosteroneさんだって、ある本でつい「もう筋トレでも何でもいいからやれ」と本音を言うが、それは、筋トレの価値を落とすどころか百倍化し、私もうっかり筋トレをやりかけたほどだ・・・いや、多少やっているが。
大村あつしさんや小川慶一さん(Excelマクロ達人養成塾塾長)なら、「・・・?、ならExcel VBAだ」となるかもしれない。

それで言えば、私は今は、佐川幸義系のKay式四股だ。
四股で人生の問題の99.9%は解決する。
「金がない?なら四股だ」
である。
柳田誠二郎さんの師、岡田虎二郎もそう言っていた。
岡田式静坐法は、腹の力を作るものである。
金に窮しているという男に、虎二郎は言ったらしい。
「金?腹に力がつけば金はいくらでもできますよ」









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