掛け値なしに素晴らしい漫画作品に出会った。
伊田チヨ子さんの『ベルと紫太郎』である。
久々に「読むのが勿体ない」感覚が起こり、Kindle版を購入後、一週間近く経つのに、まだ半分くらいしか読んでいない。
大正時代を舞台にした、4コマラブストーリーで、ベルは下町の舞台女優、紫太郎(したろう)は、財閥の三男坊である。
著者の伊田チヨ子さんは、本当は江戸時代がお好きらしいが、編集さんから、もう少し近代と請われ、華やかながら、ギリギリ日本文化の良さを残す大正時代のお話になったようだ。
とにかく、伊田チヨ子さんの昔の日本LOVEは半端なく、非常に博識で時代考証もしっかりしていることを感じさせる。
作品自体は、お軽い雰囲気のラブコメであるが、そんな背景のあるこの作品の耀きが私を夢中にさせる。
小学校を出てすぐに働きながら、芝居の魅力にとり憑かれ、下積み時代を過ごしたベルは苦労人だが、これが性格的にも無茶苦茶可愛い。
紫太郎は、大金持ちのボンボンで、頼りないところもあり、現代の男の子と通じるところもあるが、純粋で天然な(つまり、やや阿呆な)、愛すべきキャラクターだ。
2人は一緒に暮しているはずが、エロいところなど全くなく、また、それが妙に自然だ。
うっかり「ベル姐さん」の着替えでも見てしまったら、『天動のシンギュラリティ』の香々地アイリスのように「裸を見られるのって恥ずかしいことなんですか?」と言わせても似合いそうだが、紫太郎はベルに問答無用で張り倒されるだろう。

私がどのように、『ベルと紫太郎』という作品を知ったかというと、次のような事情だ。
江戸から東京に変わって150周年を祝う「東京150年祭」のメインプログラムで、浜離宮恩賜庭園(はまりきゅうしおんていえん)の「潮入りの池(海水の池)」で、初音ミクさんが噴水をスクリーンにしたプロジェクションマッピングで美しくアピアランス(出現)し、明治、大正、昭和、平成の名曲39曲を14着の衣装で歌ったが、その衣装の素晴らしさに感動した。
その衣装担当に、伊田チヨ子さんの名があったので、早速調べたら、そんな素晴らしい漫画家で、『ベルと紫太郎』という見事な作品を出しておられたという訳だ。
ミクさんがまとった、明治、大正の衣装はセンスも抜群で美しかった。その時代、日本で華やかな装いが出来たのは富裕層だけだったのだが、そんな豊かな家の奥方や令嬢は西洋の衣装への関心も高く、また、センスも磨いていたのだと思うし、デザイナーさんや洋裁職人も、よく修行していたのが相まって、当時の服飾のレベルは、実はとても高かったのだと思うのである。
そんな上流家庭の優れた衣装センスは、経済の発展と共に、庶民のファッションにも影響を与えたのかもしれない。
とにかく、東京150年祭の、可愛いミクさんに似合う素晴らしい衣装には見とれてしまうのである。
東京都も、まさかカメラを入れてなかったことはないと思うのだが、公式映像を公開するとか、blu-ray/DVDで販売すれば、少しは人気も出ると思うのだけれども、センスのない東京都関係の面々では無理だろうか。まあ、ミクさんをメインプログラムにご登場頂いたのは評価出来るが、入場希望者が予想をはるかに超えて混乱が起こったり、ミクさんグッズが即座に完売して買えない人が沢山いたりは、「もっと勉強しろ」と言いたくもなるのであるが。
◆東京150年祭ホームページ
◆Tokyo 150 Years Festival Hatsune Miku Video Mapping / 東京150年祭 初音ミク プロジェクションマッピング -YouTube-
◆東京150年祭 公式初音ミクグッズ 予約受付ページ









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