ラルフ・ウォルドー・トラインの本の中に、80歳を過ぎているが25歳以上に見えないという女性の話がある。
なぜ、そうなるのだろうか?
歳を取って老いぼれることは、嬉しくはないながら、それほど悪いことではない。
それに、だんだんと老いを嘆く元気もなくなってくる。
老いるのが嫌で、若返ろうと努力する人は、嘆く間もないほど奮闘している間は、多少、老化は遅くなるが、いよいよ嘆きが大きくなると、むしろ、普通の人より老ける。
その、歳を取らない女性は、60代くらいまでは普通に老いていったのだが、ちょっと変わったのだ。
現実を無視するというのではないが、まあ、気にしなくなったのだ。
しかし、それだけでは、多少、老化が遅くなる程度で、単に、上品なお婆さんになるだろう。そして、彼女は、それでも、別に、不幸とは思わないだろう。
だが、彼女は、現実のあらゆることを気にしなくなった・・・つまり、どんな意味でも、優劣の比較をしなくなった。
それにより、是非好悪による反応をしなくなったのだ。
なぜ、そうなったのかというと、「正しい」「間違っている」「好きだ」「嫌いだ」・・・などと、いくら自分が思ったところで、世界は全く変わらないことに気付いたのだ。
自分には、何の力もない。
自分には、世界をコントロールする権限はない。
かといって、世の中を変えようと、選挙に行く人を馬鹿にすることはない。
絵が好きだった彼女は、ある日、マリー・ローランサンの少女の絵を見た時、自分が絵の中に入ってしまい、自分が絵の少女になった(ような気がした)。
これは、ローランサンの絵の天国的な美しさと共に、絵の独特の遠近感の影響があったのではと思う。
ローランサンの絵の遠近感というのは、現実世界の遠近感ではなく、高次元の世界を投影したものだ。
彼女は、ローランサンの絵の少女になることが気分が良かったので、それに馴染んでしまったのだろう。
それから若返っていったのだ。そのうち、二十歳にも17歳にも26歳にも見えるようになった。全く、ローランサンの絵の女性のようだ。
彼女は、現実に興味がないわけではない。ただ、気にしないだけだ。
現実を気にしないことが、若さを保つ秘訣だと聞くと、現実を否定したり、無視しようとする人がいるが、それは、現実を気にしているということなのだ。
自分には現実への支配力がないことを悟ることで、現実を気にしなくなるのである。
それに、ローランサンやシャガールのシュール(超現実的)な絵は、意識を内側に向かわせる。
すると、自分には現実を変える力がなかったはずが、実は、自分が現実を創っていることが分かるのである。
なぜ、そうなるのだろうか?
歳を取って老いぼれることは、嬉しくはないながら、それほど悪いことではない。
それに、だんだんと老いを嘆く元気もなくなってくる。
老いるのが嫌で、若返ろうと努力する人は、嘆く間もないほど奮闘している間は、多少、老化は遅くなるが、いよいよ嘆きが大きくなると、むしろ、普通の人より老ける。
その、歳を取らない女性は、60代くらいまでは普通に老いていったのだが、ちょっと変わったのだ。
現実を無視するというのではないが、まあ、気にしなくなったのだ。
しかし、それだけでは、多少、老化が遅くなる程度で、単に、上品なお婆さんになるだろう。そして、彼女は、それでも、別に、不幸とは思わないだろう。
だが、彼女は、現実のあらゆることを気にしなくなった・・・つまり、どんな意味でも、優劣の比較をしなくなった。
それにより、是非好悪による反応をしなくなったのだ。
なぜ、そうなったのかというと、「正しい」「間違っている」「好きだ」「嫌いだ」・・・などと、いくら自分が思ったところで、世界は全く変わらないことに気付いたのだ。
自分には、何の力もない。
自分には、世界をコントロールする権限はない。
かといって、世の中を変えようと、選挙に行く人を馬鹿にすることはない。
絵が好きだった彼女は、ある日、マリー・ローランサンの少女の絵を見た時、自分が絵の中に入ってしまい、自分が絵の少女になった(ような気がした)。
これは、ローランサンの絵の天国的な美しさと共に、絵の独特の遠近感の影響があったのではと思う。
ローランサンの絵の遠近感というのは、現実世界の遠近感ではなく、高次元の世界を投影したものだ。
彼女は、ローランサンの絵の少女になることが気分が良かったので、それに馴染んでしまったのだろう。
それから若返っていったのだ。そのうち、二十歳にも17歳にも26歳にも見えるようになった。全く、ローランサンの絵の女性のようだ。
彼女は、現実に興味がないわけではない。ただ、気にしないだけだ。
現実を気にしないことが、若さを保つ秘訣だと聞くと、現実を否定したり、無視しようとする人がいるが、それは、現実を気にしているということなのだ。
自分には現実への支配力がないことを悟ることで、現実を気にしなくなるのである。
それに、ローランサンやシャガールのシュール(超現実的)な絵は、意識を内側に向かわせる。
すると、自分には現実を変える力がなかったはずが、実は、自分が現実を創っていることが分かるのである。