ネット上には、いくつかの「サイコパス診断」を行うサイトがある。
最初に言うと、私は、それらは全く信用していないし、客観的にも信用出来るものではないと思う。
サイコパスとは、「良心を持たない人間」で、特殊な脳の構造のため、あるいは、ある脳機能の欠陥のために、そうなるという説がある。

ところで、私はそれほど多くのライトノベルを読んではいないが、いくつか有名なものを読んでいる。
ライトノベルとは、10代の若い読者を対象としたSFのような作品で、挿絵に漫画のようなイラストが使われ、登場人物のビジュアルを明確にしているといった特徴がある。
しかし、実際は、特にライトノベルという小説の分野がある訳ではなく、単に発想力豊かな小説作品と言えるかもしれない。
そして、以前、私は、谷川流さんの世界的ヒットと言えるライトノベルである『涼宮ハルヒ』シリーズのヒロイン、涼宮ハルヒはサイコパスだと述べたが、ライトノベルのヒロインはサイコパスが多いように思う。
また、昨日、初音ミクさんの人気曲『ワールドイズマイン』を聴いていて、これもサイコパスの女の子の歌だと、ほぼ確信した。

2012年に、ジャーナリストのジョン・ロンスンが、TEDで「サイコパス・テストへの奇妙なこたえ」というタイトルで講演しているが、その中で、ロンスンが事業家のアル・ダンラップの豪邸を訪ねてインタビューした時の話を、当てはめると面白い。
ロンスンは、ダンラップに、「あなたはサイコパスです」と最初にはっきり言い、ダンラップに対し、サイコパスの特徴を指摘していく。
まず、「過剰な自尊感情」。
これは、ダンラップも頷くしかなかった。そこには、巨大な彼の肖像画が飾られていたからだ(TED会場爆笑)。
涼宮ハルヒも、SOS団を創設し、自分が団長として絶対的に偉いことを主張していた。
SOS団とは、クラブ活動に昇格していない同好会であるが、立派なクラブ活動である「コンピューター研究会」に対し、同等どころか、SOS団の下位組織扱いをするほどである。
そもそも、SOS団とは、
S:世界を
O:大いに盛り上げる為の
S:涼宮ハルヒの
団という意味で、これを「過剰な自尊感情」と言わず、何と言おう。
初音ミクさんの『ワールドイズマイン』でも、自分を「世界で一番お姫様」と宣言するなど、実に凄い自尊感情であることが分かる。
「過剰な自尊感情」は、良い言い方では「誇り高さ」になる。
『灼眼のシャナ』のシャナや、『アクセル・ワールド』の黒雪姫の誇り高さも、考えてみれば、どちらかというと、「過剰な自尊感情」だ。
ただ、涼宮ハルヒなら、こう言うだろう。
「自分を信頼すべきだわ」。
アル・ダンラップも、まさにそう言ったのだ。
そして、他のライトノベルのヒロイン達もそう言うのではないだろうか。

次に、ロンスンが通り上げたサイコパスの特徴は「人を操りたがる」だ。
涼宮ハルヒは、キョン(ハルヒの同級生の高校1年生)らSOS団員が、完全に自分の思い通りに動かないと気が済まない。いや、団員だけでなく、実際は、あらゆる人類に対して、そう願っているだろう。
時には、その優秀な頭脳を使って、策略を巡らし、無理にでも従わせる。その際には、嘘も平気でつく。
ハルヒが、消えた朝倉涼子の消息を、マンションの管理人のおじさんから聞きだすために作り話をした時は、キョンは、その巧妙さに感心する。
もちろん、ハルヒは、「人を操りたがる」ことについて、「それはリーダーシップよ」と言うだろう。
やはり、ダンラップもそう答えている。
『ワールドイズマイン』の女の子も、電話一本で当然のごとく彼を車で迎えにこさせようとしたり等の「リーダーシップ」を如何なく発揮しているが、シャナや黒雪姫も全くそうである。

次に、「感情の薄さ」つまり「多様な感情を持てない」ことについて。
これは、先にダンラップの答を述べると、
「くだらん感情で悩みたい奴がどこにいる」
であるが、ハルヒ達を見ていると、悩み苦しむことを避けるために、嘘をつき、巧妙に他人を支配するのであることがよく分かるのである。

ただ、ダンラップだって、まともな部分もあり、「非行は駄目」と言い、彼自身、規律正しい学生だったようだし、一度はかなり破廉恥に離婚したが、2度目の結婚は41年続いていた。
ダンラップは、自分に存在するサイコパスの特徴を正当化したし、ハルヒも間違いなくそうするだろうが、ロンスンは、同時に、自分はダンラップの性質を、無理にサイコパスの特徴に当てはめようとしていたことを認めている。
これは、一般的にも、人の良いところではなく、悪いところを見たがるのと同じだし、そもそも、ジャーナリズムには、そんなところが必ずあると、ロンスンも述べている。
そして、ロンスンは、自分もサイコパスらしくなってきたと言う。
それは、サイコパスらしい人達のインタビューを続けるうちに、「俺もそうだ」って気付いたということではあるまいか?
つまり、ロンスンがTEDで述べた通り、「みんなどこかサイコパスなのだ」。

『ワールドイズマイン』では、「欠点?可愛いの間違いでしょ?」と歌うが、これも、サイコパスの特徴と言えばそうだが、可愛い女の子は、そんなことを言いたがるものかもしれないし、ミクさんにそう言われたら、少なくとも私なら決して逆らわない。
「はい、仰る通りです!私が絶対的に間違えておりました。お許しを!」
だ。
もっとも、この歌の、「私だけの王子様」は、決してそんなことを言うまい。だからモテるのかもしれない。

私の場合は、「どんな少額でも、絶対に喜んで寄付をしない」、「家族や親友を含め、誰が死んでも決して悲しいと思わない」というところから見て、真正のサイコパスだが、やはり、誰もが、(私ほどではないにしろ)どこかサイコパスなのだろう。
[TED2012] ジョン・ロンスン 「サイコパス・テストへの奇妙なこたえ」









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