ITスペシャリストが語る芸術

-The Kay Notes-
SE、プログラマー、AI開発者、教育研究家、潜在意識活用研究者、引きこもり支援講師Kayのブログ。

マルクス・アウレリウス

当ブログは、第一期ライブドア奨学生ブログです。
◇お知らせ
[2019/12/28]AI&教育問題専用ブログ、メディアの風を公開しました。
[2017/03/01]「通りすがり」「名無し」「読者」「A」等のハンドル名のコメントは原則削除します。

上下をはっきりさせれば敵はなし

信仰を持たない君主ほど、始末に負えない、あるいは、恐ろしいものはない。
なぜなら、自分が、この世で一番偉いと思いかねないからだ。
しかし、君主でなくても、我々凡人が、そんな愚かさに陥る危機にある。
平等思想や差別禁止が極端な形に曲解され、子供の権利、女性の権利、平社員の権利といった「弱者の権利」が、いびつな形で拡張され、頭を叩かれることがなくなった結果、「怒られない自分は偉い」と勘違いする者が沢山いるのである。
無論、弱者の権利は最大限配慮すべきであるが、度を越してもいけないのである。

『自省録』で知られるローマ皇帝マルクス・アウレリウス・アントニヌスが子供の時の教師は偉大で、いかにマルクス・アウレリウスが皇子だといっても、師の方が上であるという立場をはっきりさせた。
だから、師は教えに来ず、マルクス・アウレリウスの方が師の所に教わりに行った。
我が国の皇室においても、今上天皇(現在の天皇陛下)が小学生の時、父君の現在の上皇陛下(明仁上皇)は「(小学校まで)車を出すような距離ではない」と、歩いて通学させられた。
ただ、これらは、当然のことで、本来は特に称賛すべきことではないが、当たり前がなかなか通用しないのが人間の世だ。
上皇陛下が何も言わなければ、子供だった今上天皇は車で通学していただろう。

だが、皇子もやがて君主になる。
人間は、自分が一番だと思った時に堕落し、知恵はなくなる。
だから、自分より、はるかに賢い存在がいることを知らなければならない。
子供の時は、それ(自分より上の存在)は、王や師であるのだが、大人になった時でも、知恵という点で、自分など比較にならない存在がいるに違いないのだし、仮に、自分が人間の中で一番優れているとしても、自分よりはるかに高い存在が絶対に在る。
『バガヴァッド・ギーター』で、神クリシュナは、アルジュナ皇子のことを「人類で最も優れた者よ」と呼びかけるが、賢明なアルジュナは、初めからクリシュナは自分よりずっと優れていることを認識していたし、そして、クリシュナが自分は神であると明かし、その力のほんの一端を見せただけで、アルジュナは、クリシュナのあまりの偉大さに震え上がった。
そんな理解力があるアルジュナだからこそ、クリシュナはアルジュナを褒め、愛したのだ。

たかが、たまたま世間で、ちょっとチヤホヤされたからといって、すっかり自分を高い位置に置く者がいるし、また、マスコミは、さほどでもない人間をさも凄い人物のように言うことが多い。
その祭り上げられた人間こそ災難である。致命的な馬鹿になりかねないのだから。
ジョージ・アダムスキーが、本当に宇宙人と交流したのかは知らないが、彼は、著書に非常に優れたことを書いている。
その1つが、自分を、必ず神より下に置くということだった。
日本人は、キリスト教徒のように、唯一絶対神というものを持っていないかもしれないが、万物の中に神が宿り、万物の総体である自然が神の象徴なので、西洋人のように、「自然を征服する」という考え方は本来なく、「自然と共生する」と考えた。
そして、自然は、人間よりはるかに強く、また、極めて貴いものであることを知っていたので、自然に対し、自ずと身の程をわきまえた。
しかし、中途半端にキリスト教的な西洋思想が入ると、自然を傷付け、自然と敵対するようになり、結果、人間こそ世界の支配者であるという思い上がりを持つようになってしまったと思う。
だが、結局のところ、絶対神を崇めるキリスト教やユダヤ教、あるいは、イスラム教も、自然崇拝を基にした、神道や道教、ヒンズー教も、さして変わらないと思う。
ただ、人間は、自分より高い者が在ることを知り、謙虚でなくてはならないことは同じなのである。
「南無阿弥陀仏」と唱えれば、自分よりはるかに高い存在である阿弥陀如来を意識するので、心は正しくなり、そのような者は、やはり自然(神)の加護を受ける。
自然(神)の高さを認めるほど、加護も大きくなる。
無論、口先で言うだけでは駄目である。
しかし、法然が言うように、常に念仏を唱えれば、その(自分より高い存在である仏がいるという)認識は強くなり、親鸞も言ったように、仏や菩薩が自分の回りを何重にも取り囲んで守るというのは、必ずしもファンタジーではない。
今は証明は難しいが、科学的と言って差しつかえないと思う。

思い上がる心を消すためにも、念仏、呪文、真言を唱えることは良いことであると思う。
思い上がることが、自我の最大の特徴であり、自我が強くては、引き寄せはほとんど出来ない。
逆に言えば、自我が退けば、いかなる願いも、自然に叶うし、自我が完全にひれ伏せば、願わずとも自動的に嬉しいことが実現してしまう。
勉強すれば、そんなことも理解出来るが、それには時間がかかるので、まずは呪文や真言などを実践し、先に安楽になっておいた方が良いと思う。








動かざること山のごとし

心理戦というものがある。
これは、敵の心を乱すことで、実力を発揮させないようにすることと言って良いだろう。
つまり、心が乱れず安定していれば実力が出るということである。

野村克也さんは捕手だった時、バッターに妙なことを言って心を乱す「ささやき戦術」というものをよくやったらしい。
例えば、「フォームがおかしいんじゃない?」とバッターにささやき、バッターの心を乱して集中力を奪ってしまう。
ところが、長嶋茂雄さんは、「フォームがおかしい」と野村さんにささやかれると、「え!本当?」と言ってタイムをかけ、素振りをしてフォームを確認し、ホームランを打ってしまったことがあったらしい。
なぜ長嶋さんに、ささやき戦術が通用しないのかというと、長島さんが馬鹿だからではなく、心が乱れない・・・つまり、不動心であるからだ。
長嶋さんの不動心は、子供のような邪心の無さから来ているように思える。

昔の剣豪同士の対決は、向き合った刹那に決し、そのまま剣を抜かずに去ってしまうものだと聞いたことがある。
これもよく分かる。
不動心に近い方が強く、剣豪ともなれば、相手の姿や目を見れば、どちらが上かすぐ分かるからだ。
ただ、未熟なうちは、打ち合う中で、どこまで心を乱さずにいるか見定める必要があり、無駄に命を落としたり、怪我をしてしまうこともある。

マルクス・アウレリウスの『自省録』は、早い話が、心を乱さぬ方法を説いたものだ。
草柳大蔵さんなんて、本のタイトル自体『不動心』として、抄訳を出している。
これには、もう無茶苦茶良いことが書かれていて、いちいち感心する。
感心するが、ちっとも不動心になれない。小難しいことばかり並べられていて、「アウレリウスちゃん、賢いねー!」ということは分かるが、何をすれば良いのか分からない。

難しい本を読んでもどうにもならない。
大事なことは、アファーメーションをすることである。
それも、「大丈夫」「絶好調」など、肯定的で簡単な言葉をただ1つ選び、それを常に頭の中でつぶやく程度で良い。
良い本を読んでいると、心が乱れる要因が増えるだけなのである。
不動心を得たければ、「動かざること山のごとし」と、感情を込めず、淡々と常に頭の中でつぶやけば、それで良い。
「不動心たる我に敵なし」でも良い。
自分が気に入ったものなら何でもよく、それも、ちょっと気に入った程度のもので十分であり、すぐ始めることが大切だ。そして、変えたくなったら変えれば良い。

凶悪犯罪を犯した者の部屋に、それこそ『自省録』や、優れた哲学書、自己啓発書が書棚にぎっしりあったなんて話はよくある。
別に、それらを読むことが悪い訳ではないが、その者の不幸は、頭の中に否定的なつぶらきが、いつも起こっていたことだ。
逆に言えば、アファーメーションをしていなかったことが、この者の最大にして唯一の不幸だったのである。
常に、「大丈夫」と頭の中でつぶやいてさえいれば、優れた本を読んだことが良い結果につながったのである。
長嶋茂雄さんだって、「僕は絶対打てる」という簡単な言葉をつぶやいていたらしい。
彼はホームランを打つことをイメージしていたと言う者がいるが、そんなイメージは自然に出るものであり、また、イメージなんて難しくて、長く続けられるものではない。
だが、つぶやき、アファーメーションなら、誰でも出来るし、ちょっとの根気があれば続けられる。
「不動心たる我に敵なし」
これで今日からあなたは無敵である。









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プロフィール
名前:Kay(ケイ)
・SE、プログラマー
・初音ミクさんのファン
◆AI&教育blog:メディアの風
◆著書『楽しいAI体験から始める機械学習』(技術評論社)


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