世の中に対して文句を言う者に、金持ちや成功した人はいないと思う。
総理大臣に対して文句を言う者も、たとえ名がある政治家や元政治家でも、微妙な人が多いように思う。
会社の中で社長に対する文句を言う者も、それが役員であったとしても、いなくても良い人の場合が多いと思う。
学校で、教師に対する文句を言う生徒には、あまり見所のある者はいないと思う。
上位の思想家に対して文句を言う思想家にロクなのはいないし、人気作家に対して文句を言う作家は人気が出ない。
人気YouTuberに対して文句を言うYouTuberはアクセスが増えない。

とにかく、何と言うか、文句を言うと、ツキが逃げていくのだ。
だから、ライバルが自分の文句を言っていたら、「シメシメ勝った」と思って間違いない。

宮本武蔵は、決闘にいつも遅刻したことになっている。
これは創作だろうが、そんな話を作った者は、良いポイントを突いている。
武蔵と佐々木小次郎の「巌流島の決闘」も、事実はどうだったか分からないはずだが、お話では、武蔵は大幅に遅刻したことになっている。
武蔵は、小次郎が武蔵への文句をタラタラ言っていることを期待していたのだろう。
小次郎が武蔵への文句を言えば、小次郎から勝負運が逃げていく。
幸運の女神は、文句を言う者が嫌いなのだと思う。

ホリエモン(堀江貴文氏)とひろゆき(西村博之氏)が喧嘩別れしたらしい。
ちょっとYouTubeで見てみたら、ホリエモンはひろゆきへの文句を少し言っていたが、ひろゆきはホリエモンへの文句を全く言わない。
ただ、ホリエモンも、ほんの少しだし、聞かれない限り自主的には言わないので、今後もツキが落ちることはないだろう。
ひろゆきは、(少なくとも動画では)文句を全く言わない人なので、今後も躍進は続くだろう。
ホリエモンは、時に文句を言うので、それをやめると、さらに良いだろう。

1997年のNHK大河ドラマ『毛利元就』で、尼子経久(あまごつねひさ)は、元就に、
「策多ければ勝ち、少なければ負ける」
と教え、その教えに従った元就は破竹の勝利を重ねるが、もっと良い教えは、
「文句少なければ勝ち、多ければ負ける」
だ。
滅多にはいないが、一言も文句を言わない者は無敵である。