アメリカ海軍特殊部隊ネイビーシールズの名を知っている人は多いと思う。
最も過酷で危険な任務を行う特殊部隊で、海軍に所属してはいるが、シールズ(SEALs)という言葉が、SEがSEA(海)、AがAIR(空)、LがLAND(陸)を意味し、「どこでも活動する」部隊である。
入隊試験の厳しさも想像を絶し、全米の肉体も頭脳も優秀な若者達が志願するが、8割以上が脱落する。

そのネイビーシールズで教官をい務める者による、腕立て伏せを指導するYouTube動画を見た。
どんな立場の人が投稿したのか分からないが、とりあえず、リンクは以下の通りだ。
【YouTube】筋トレ:腕立て伏せで、対コロ特殊戦に備えよう(ネイビーシールズ)

実際の指導に入る前に、この教官がこう言ったのに共感した。
「諸君の多くは、できるだけ早くことを済まそうとする」(動画内の翻訳字幕)
これこそが、多くの人がうまくいかない理由で、これは、腕立て伏せで腕力をつけることに当てはまるだけでなく、ほとんど全てのことにあてはまるのだ。
腕立て伏せにおいては、多くの者が、鍛えることよりも、出来るだけ楽に回数を稼ごうとし、結果、少しの成果しか得られないのである。

「簡単」「手軽」が日本を含む先進国のトレンドだ。
ダイエットにおいては「3分で痩せる」「これを飲むだけで痩せる」といったものが好まれる・・・というより、そんなものしか見向きもされないが、そんなものは存在するはずがない。
つまり、私の考えでは、そんな甘言で気を引こうとする者は詐欺師でしかない。
著名なコンピューター科学者のピーター・ノーヴィグが、こんなことを自分のブログに書いている。

Amazonで「日」「学ぶ」で検索したら、出て来たのは、ほとんどがコンピューター関連の本で、書名は、
『7日で学ぶJava』だの『3日で学ぶPascal』(Pascalは以前は人気があったプログラミング言語)
といったものだ。
この結果に対し、ノーヴィグは「数日で学ぶベートーヴェンや量子力学や犬の調教って本はないのに、コンピュータープログラミングを学ぶのは、信じられないくらい易しいらしい」と皮肉を言う。
ノーヴィグが考える「プログラミングをマスターした」というレベルに到達するには、ノーヴィグは10年かかると言う。
彼の考えるレベルは確かに非常に高いだろうが、それでも、3日や7日では何も出来ないことは確かだ。

実際、プログラミングをマスター出来ない人というのは、プログラミングを、せいぜい、「なんとか食べられるクッキーを作る」程度の難易度と期待しているのだと思う。
なんと言っても、本当に『3日でマスター!Python』なんて本は多いのだ。
私は、あまり賢い方ではないが、「初心者向き」と言われたBASIC言語を、そこそこに使えるようになるまで数ヵ月かかったし、そこからC言語を勉強し始め、通勤電車の中でテキストを20ページ読むことをノルマとし、毎晩、3時近くまでパソコンで練習し、それを1日も欠かさず継続した。
それで、数ヵ月で「少しは書ける」程度になり、多分、C言語でプロと言えるほどになるのに3年はかかったと思う。
マイクロソフトAccessとVBA言語で、大きなシステムを作ることが出来るようになるのにも、やはり、数年はかかっている。
これは、どんな言語をやっても同じようなものだったはずだ。
以前いた職場で、私がAccessとVBAで、業務を大いに効率化するシステムを楽々作るのを見て、「自分もやりたい」という人がいたのは良いことだったが、皆、私と同レベルになるのに、まさか一か月以上かかるとは思っていなかったようだ。

私が最近、熱烈にお勧めしている、魔法の力をもたらす真言についても同じなのである。
毎日、せいざい10回か20回唱えて、数日で、給料が上がったり、皆に敬われたり、モテモテになることを期待している人は多いのだと思う。
また、真言こそ、雑に唱えてはならず、かといって、お堅いお坊様やスピリチュアリストが書籍やYouTubeで言うような大仰なマナーも必要ないが、丁寧に唱える必要があり、それなりに時間がかかる。
そんな唱え方で、心構えとしては四六時中唱える気持ちで、出来るだけ多く唱えれば、いかなる奇跡だってごく現実的だ。

私は楽なことしかやらないし、人にも楽なことしか勧めないのだが、あまりに甘ったれた、子供っぽい考え方をしている者も実際にいて、それはもう私の手には負えない。
もちろん、そんな人でも、真言を唱えれば、唱えた分の恵みはある。
だから、元々は、そんなふうに超甘ったれた私でも、なんとかモノになったのであり、それには、努力、忍耐、克己など必要としなかった。
ただ、確かに、私は『3日で学ぶC言語』みたいな本は見なかった。
これが、真言を唱えていたことの、仏様の恵みかもしれない。
とにかく、丁寧に出来るだけ数多く真言を唱えれば良いのだと思うし、私も、それ以外はやる気はない。
そこで、上にご紹介した、ネイビーシールズの教官の腕立て伏せを実施し、「丁寧に」やることを、再度、思い出そうと思う。

時間をかけることの大切さを私が感じた書籍を以下にご紹介する。