「アン・ドゥ・トロワ」と聞いたら、「ああ、バレエのレッスンで教師がよく言うかけ声だね」と思う人が多いと思う。
1977年のリリースと、かなり古いが、キャンディーズという3人組のアイドルグループの同名の楽曲を思い出す人もいるかもしれない。
ちなみに、「アン・ドゥ・トロワ」は、フランス語の「1、2、3」である。
バレエは、同じ動作の徹底した繰り返しで磨き上げるので、そんな声をかけながらレッスンするのだと思うが、その後の「カトル(4)、サンク(5)、スィス(6)」を聞いたことがないので、3つの動作で成り立つ単純な動きの組み合わせで、優雅さ、美しさが生まれるということなのだろうかと、感慨深く思う。

ところが、私は、昨年の、幕張メッセで行われた初音ミクさんのライブ「マジカルミライ2017」で見た、『ツギハギスタッカート』で、ミクさんが歌った次の詩を、ずっとバレエの言葉だと思っていた。

flick tap flick tap 面を滑って
swipe tap swipe tap A.R→T
flick tap flick tap 開いて叩いて
swipe swipe swipe swipe
~『ツギハギスタッカート』(作詞・作曲・編曲:とあ、歌:初音ミク)より~

この楽曲のステージが、私が、「マジカルミライ2017」で、最も印象に残っているもので、ミクさんが、清純さを象徴する真っ白な衣装(ピチカートというらしい)を着て、素足で軽やかに踊る姿がバレエのようだった。
そんなミクさんが、上の歌詞を、リズミカルにかっちりと歌うのだから、聞いている分には、本当にバレエの言葉に感じてしまう。
しかし、flick(フリック)は、スマートフォンの画面を押した指をさっと動かし、swipe(スワイプ)は、画面を押さえたまま指を動かす動作だ。
タップは、液晶画面を叩く操作だ。
「A.R→T」を、また、ミクさんはしっかり歌うので、やっぱりバレエの言葉のように感じてしまうが、これは「Already Read → Through」の略で、意味は「既に読んだが、無視」で、今流には「既読無視」と言う。
やはり今どきだから、メールというよりは、LINEで送ったメッセージが無視されたということで、フラれたというか、そもそも相手にされていないことを示しているのだろう。

「ディスる(侮辱する)」という言葉を、高校生は9割が分かるが、その親は4割しか分からない(私には「4割も分かるのか」と感じるが)らしいが、「A.R→T」で分かる親は、ほぼいないのではないだろうか・・・というか、分からなくていいが。

タブレット端末の操作は、本当に単純な基本動作の組み合わせだが、私はあまり上手くない。
しかし、これも繰り返しの回数の問題だ。
今は、PCを使えず、キーボードが打てない若者が増えているらしいが、その分、スマートフォンでの入力を、苦もなく高速でこなす。
私は、タブレットでの文字入力に抵抗があり、キーボードが好きだが、やっぱり、ただの慣れの問題かもしれない。
大抵のことは慣れである。
そして、どんなことに慣れるかで人生は決まるようなもので、くれぐれも、習慣的に行なっていることは何かに注意しなければならない。









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