2014年に、映画『ロボコップ』のリニューアル版が作られているが、昔の『ロボコップ』との共通の設定は、殉職した優秀な警官の頭部を、スーパーロボットの身体と融合するというところだ。
こういった設定のロボット、あるいは、サイボーグものの映画(アニメ、小説、漫画等も同じだが)というのは、うまく描かないと、果てしなくドロドロし、不気味になる。
日本の漫画・アニメ『エイトマン』(ロボコップのはしりだ)や、『サイボーグ009』、あるいは、『新造人間キャシャーン』や『キューティーハニー』は、そのあたりを気を付けて描いたから、人気者になれたのであり、もし、『ロボコップ』のように、現実的な面を持ち込むと、やはり、グロテスクなところも出て来てしまったはずだ。

ところが、人間の身体の代替に十分になる、あるいは、人間の身体をはるかに超えるロボットの身体というのは、そう遠くない未来に登場し、人間に死というものがなくなると予言したのが、「シンギュラリティ」の提唱者である、発明家、AI研究家であるレイ・カーツワイルだ。
カーツワイルは、未来のテクノロジーを正確に予言してきた未来学者で、現役の研究者であり、カーツワイルの予言は、決して空想ではなく、根拠があるものだ。
それによれば、人類がやがて開発する機械の身体や電子の脳は、人間の身体や脳をはるかに超える。
そして、現在73歳のカーツワイル自身も、それらを得ることになると言っているらしい。

ところで、テクノロジーを使わずに不死になるという考えは、大昔からある。
簡単な例で言えば、ゾンビだ。
そして、ゾンビの実現は可能と言う科学者も、昔から案外いたし、特に、近年では、IPS細胞の発見・利用により、その可能性が見えてきたかもしれない。
『新造人間キャシャーン』(1973)というアニメでは、1人の人間全体をロボットに融合させて作るのが「新造人間」で、それは、人間の意思を持ったロボットだ。
そして、このアニメを元に作られた、2004年のSF映画『CASSHERN』(キャシャーン)では、「新造細胞」という、いわば、IPS細胞の超発展形のバイオテクノロジーによって作られた超人がキャシャーンだった。
今でも人気の高い『キューティーハニー』は、原作漫画の連載が始まったのが1973年らしいが、ヒロインの如月ハニーはロボットだった。
ところが、1997年のアニメ『キューティーハニーF(フラッシュ)』では、ハニーはロボットという設定ではなく、生命テクノロジーによって作られた人造人間で、子供を産むことも出来る。

ところで、超IPS細胞のようなテクノロジーでも使わないと出来ないようなことをやっていたのが、イエス・キリストだった。
歩けない人を歩かせ、盲目の目を見えるようにし、死者を蘇らせることすらやっている。
ただ、そのようなことを実際にやると、ロクなことにはならないと見抜き、イエスによって救われた人々が後に不幸になったことを、オスカー・ワイルドが書いていたという話もある。
ところが、精神が進歩すれば、イエスのような力で、即座に再生出来る身体を持っても問題はなく、むしろ、そうなるべきとしたのが、平井和正原作の桑田次郎の漫画『デスハンター』(1969)で、原作者の平井和正は、後にこれを『死霊狩り(ゾンビー・ハンター)』として小説家している。
そして、このように、精神が進歩すれば、人間が万能の超人になっても良いのではなく、精神が進歩すれば、自ずと、イエスや、インドの伝説の聖者ババジのようになるという説もある。

そして、根本的には同じような考え方なのだが、心の中の不純物(あるいはマイナス因子)を消すことで、人間は、はるかに健康に、そして、高い能力を持つというのが、L.ロン.ハバートの『ダイアネティックス』や、アレクサンダー・ロイド博士の『ヒーリングコード』だ。
よくは分からないが、このうち、『ダイアネティックス』は、いろいろ問題が指摘されており、個人的にだが、『ダイアネティックス』の本やDVDを見たところ、かなりの疑問も感じた。
『ヒーリングコード』が正解であるかどうかも分からないが、聖書との矛盾がないことや、科学的に正しいことも実証しているらしい。
他にも、私の知らないものもあるかもしれない。
人類には無限の可能性があるのか、あるいは、コロナでなくても、近く滅びてしまうのか、それはやはり、人類の精神の進歩次第かもしれない。