ITスペシャリストが語る芸術

-The Kay Notes-
SE、プログラマー、AI開発者、教育研究家、潜在意識活用研究者、引きこもり支援講師Kayのブログ。

エリクソン

当ブログは、第一期ライブドア奨学生ブログです。
◇お知らせ
[2019/12/28]AI&教育問題専用ブログ、メディアの風を公開しました。
[2017/03/01]「通りすがり」「名無し」「読者」「A」等のハンドル名のコメントは原則削除します。

自己暗示の効果を発揮させるためには

心の深奥にまで届く暗示というものは、確かに効果がある。
催眠術で、通常の意識(顕在意識)が退き、無意識と接触した時に、催眠術師が暗示を与えると、催眠術にかけられた者は、異常な怪力を発揮したり、全く(あるいはほとんど)痛みを感じなかったり、逆に、ありもしない痛みや熱を感じさせることもできる。
私も自分でやってみたり、目の前で見たこともあるが、腕に針を刺しても痛くなく、血も出ないし、ライターであぶっても熱くなかった。
このように顕在意識が弱くなった状態を、トランス(変性意識状態)と呼ぶことがあるが、この状態で暗示を受けて病気が治ったり、怪我の症状が消えたり、弱まったりすることすらある。
魔法を使って治しているとまで言われた有能な精神科医のミルトン・エリクソンは、患者をトランスに入れる達人だった。また、彼は、自分自身も簡単にトランスにし、神秘的とも思われる能力を発揮して、誰も治せない精神病を瞬時に治してしまうことがあった。
また、エリクソンは、病気治療だけではなく、例えば、手のつけられない不良高校生と一言二言会話しただけで瞬間的に更正させてしまうこともあった。彼の娘は高校教師だったが、やはり、自分を殴りに来た巨漢の不良男子高校生(彼は前の担任は既に病院送りにしていた)を瞬時に自分の忠実な僕(しもべ)にしてしまった。また、彼女は、非常に小柄で美人でもなかったが、高校生時代、学園のヒーローを、予告の上、一言二言の会話で簡単に虜にしてしまったこともあった。

顕在意識の活動が弱まっている時の暗示が効果的に働くことは、確かに本当だろう。
しかし、普通の目覚めている状態では、顕在意識は暗示に反発して荒れ狂い、結果、潜在意識への通路は断たれて暗示は伝わらず、暗示の効果は発揮されない。
そのため、顕在意識を静かにする方法がいろいろ考案されているが、どれもあまりうまくいかない。
「病気を治したい」「腰痛を消したい」「積極的な性格になりたい」「人前でも上がらないようになりたい」などと思って、せいぜい心を静かにしたつもりで、「私はもう人前で上がらない」と暗示をかけると、その時はもう顕在意識がしっかりと前面に出ている。
アメリカでは、セールスマンに、鏡の中の自分を見ながら、「お前は偉大なセールスマンだ。今日は物凄く売れる」と暗示をかけさせることが流行ったらしいが、ほとんどの場合、うまくいかなかった。まずは、トランスに入る技術が必要なのだ。それは、容易なことじゃあない。
顕在意識は自我と言ってよく、それは欲望で出来ているようなものだ。
欲の想いのあるところ、自我が現れ、願いを叶える無意識(潜在意識)への扉の前に立ち塞がるのだ。

そこで、フランスの心理学者エミール・クーエは、自我が抵抗しない方法をうまく考えた。
それは、欲望を感じない暗示を利用することだ。
「毎日、私は、あらゆる面でますます良くなっていく」
という彼の暗示であれば、具体的なことが言われない分、欲望の自我が反応しない。そして、無意識はあらゆる面を良くするのである。
実際、クーエは、主に病気治療でおそるべき成果を上げた。自分で歩くこともできず、彼の治療院に担ぎ込まれた患者が、10分後には元気に走り回っていることなど、ごく当たり前だった。
この暗示は、そのように自我の反発が無いのだが、それでも、自我意識の弱い、寝入り端と寝起きに実施することが勧められている。
ただ、クーエの自己暗示には注意すべきことがある。
彼の暗示は、フランス語でリズム感のある言い方を慎重に考えた末にできたものだ。
後に、英語版を作る時も、彼が協力して、リズム感を重視した言い回しとなるよう努力した。
しかし、日本語の、「毎日、私は、あらゆる面でますます良くなっていく」なんて、全く駄目だ。センスがないってやつだ。どこにもリズムがなく、つっかえてしまう。
そもそも、英語やフランス語は表音原語と言って、音が重視されたもので、もともとリズム感があるのだ。
日本語は、世界でも珍しい表意言語だ。
私は、日本語は、自己暗示に向かないと思う。
それよりも、私が普段お奨めしている腕振り運動を淡々と繰り返せば、顕在意識(自我)は退くのだから、その時に、願い事が成った様子をイメージすれば良い。
だが、そんな時でも、過ぎた欲をかくと、たちまち悪魔(自我)が復活し、神(無意識)への道は消えてしまう。
しかし、願望が悪いということはない。
ただ、間違った願望を持つなということだ。
ジョセフ・マーフィーの成功法則も、暗示を利用するが、マーフィーは、女優になりたいという女性に、その願望に正当性がないことを指摘し、正しい目標を持つよう諭した。彼女のその夢は、本当のものではなく、単に幼い空想だと簡単に分かったからだ。
過ぎた収入を望んだり、見栄や欲望のために、格好の良い彼氏や可愛い彼女を欲しいと思っても、欲望の自我が出しゃばるだけで、何も良いことは起こらない。我々は、まず、精神的に向上しなければならない。
マーフィーの本を読む時は、そのようなことも含めて学ぶつもりで読めば、必ず望みは叶うのである。









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子供の教育に金をかけられないことは大変に良いことである

英才教育だとか、天才に育てる教育だのというものの宣伝をよく見る。
おそらく、キャッチフレーズは、「幼い頃に才能を育てないと手遅れだ」といったものだろう。
だが、正しくは、「幼い時に大切な創造性を破壊すれば、取り返しがつかない」ではないかと思う。

ミルトン・エリクソンという精神科医がいた。
おそらく、人類史上、最も有名な精神科医はジクムント・フロイトだと思う。
近代の精神の研究は、全てフロイトから始まっていると言って良いかもしれない。
そして、フロイトは、医者としても極めて熱心で誠実であった。しかし、事実上、彼が治療に成功したことは、ほとんどなかったらしい。
元々、精神病の治療など、極めて難しいものなのだろう。
しかし、エリクソンは、「魔法を使って治している」と言われるほど、奇跡的な成果を上げ続けた。
そのエリクソンが子供の頃、家には辞書と聖書しか本がなかったようだ。
それならば、両方、あるいは、聖書を読めば良さそうなものであるが、エリクソンは辞書を選び、繰り返し読んだという。
それでいながら、学校に入っても辞書の引き方を知らず、言葉を調べる時は、いつも、最初のページから順に見ていったという。

エドガー・ケイシーは、自己催眠状態に入ることで、病気治療の方法を教えることができ、それは驚くべき成果を上げたという。
エリクソンもまた、自分をトランス(変性意識状態。催眠状態の1つと思われる)に導くことができ、それによって治療を行っていたことは、本人も明かしている。
面白いのは、エリクソンは事務的な仕事を前に、自分をトランスに入れると、しばらく記憶が無いのだが、通常の意識状態に戻った時、知らない間に仕事が片付いており、しかも、その内容は完璧であったという。
ケイシーは医者ではなかったが、エリクソンと似たところがあったのかもしれない。
そのケイシーは9歳の時、親にねだって、自分専用の聖書を買ってもらうと、それ以降、毎朝必ず読み、14歳までに13回通読したという。さらに、生涯に渡り、毎朝聖書を読むことを欠かさなかったという。

全く英才教育とは無縁の2人であったばかりか、今日はもちろん、彼らの時代においてすら、教育環境としては恵まれていなかったはずだ。
しかし、彼ら以上の天才は滅多にいない。
一方、英才教育では、立派になるよりは、おかしな人間になったり、悲惨なことになる場合の方がずっと多いように思えるのである。
そして、エリクソンも、ケーシーも、テレビゲームやアニメどころか、映画や絵本にもほとんど無縁で、気晴らしになるものが何も無かったので、1冊の辞書や聖書を熱心に読めたのだろう。
だから、教育に金をかけられなくても、全く悔やむことはない。
むしろ、それは間違いなく、大きな幸いである。
日本人なら、1920年に書かれ、現在もロングセラーを続ける鈴木三重吉の『古事記物語』でも子供に渡せばどうだろう?
これは、子供でも読めるように書かれてあるが、文章は格調高くて美しい。きっと、子供の精神に良い影響を与えるだろう。
もちろん、大人が読んでも良いのである。
ところで私は、「超訳」といったものはあまり好きでないのだが、鎌田東二さんの『超訳 古事記』はとても素晴らしいと思った。鎌田さんは、子供の時に、やや精神を病んでいたのだが、『古事記』と『ギリシャ神話』を読んで癒されたようだ。彼が読んだ『古事記』は、福永武彦の著作らしいが、これも実に素晴らしいのである。









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人類史上最高に有能な魔法使いのごとき人を超える

私が、コンピュータシステムの専門家として顧客に対し、
「それは出来ないことです」
「それは法に触れますので、やってはならないでしょう」
と言うと、その後、時には、そのほとんど直後に、顧客が、
「誰々は、それは出来ると言っています」
「あなたとは違うことを言っている人がいますが」
と言ってくることがよくある。
その「誰々」は私が知らない人だし、「誰々」が直接言ってきたり、私の前に現れることはない。
ほとんどの場合、「誰々」は、何も知らない素人で、ほんの少し知識のあるプライドの高い人であることが多い。
そんな時、私は、本音では、
「では、誰々さんの都合の良い妄想を信じて下さい。さようなら」
と言いたいのであるが、サラリーマンとしては、顧客にそんなことは言えない。
いや、サラリーマンでなくても(事業主、フリーランサー等)、そんなものの言い方をしていればお客様がいなくなるし、それ以前に、すぐにそんな突き放した物言いをするのは、大人として失格だ。
そこは、忍耐強く、大人の対応をしなくてはならない。

ただ、これが社内での話となると、面倒なことが多いのである。
私を嫌っていて、私の意見は何でも反対したがる人はいる。いや、大勢いるのは、私の不徳だろう。
そんな人達は、私の論が誤りだと感じると、さも私が馬鹿であるといったものの言い方をしたがるものである。
そういった中では、私は、足元をすくわれないよう注意深くならなくてはならない。
(ヨーロッパでは、「小人のように注意深くあれ」と言うらしい)
私だって間違うことはあるが、私の間違いが発覚でもしようものなら、敵(?)は、鬼の首を取ったように、「やっぱりKayは頼りにならない三流だったねえ」「Kayの言うことなんか信じちゃいけないよ」と、あちこちで声を上げる。
まあ、私のような立場の者は多いはずだ。
別に私は優秀ではないが、専門家なので、専門のことに関しては、そうでない者より大抵は正しい。だが、世の中には、自分の専門というものを持っていない、自称「ゼネラリスト」や、専門家ぶってはいるが、素人に毛の生えた程度という人が多く、そんな人達は、劣等感から、専門を持つ者を嫌うという単純な傾向がある。

では、そんな時にどうするかだ。
正々堂々、正論を主張し・・・というのが格好良いが、これが一番下手なやり方だ。最後には勝つにしても、老けたくなければやめておくことだ。
アメリカの、あるポルノ映画の監督がこう言ったことがある。彼は、自分のツルツルの剥げ頭を撫でながら、
「剥げ頭になりたくなければ、ポルノ映画の監督にはならないことです」
と、見事なウイット(気のきいた会話や文章などを生み出す才知)を見せたものだ。
ポルノ映画の監督は、並々ならぬ苦労があるのだろう。裁判で国と争えば、相手は、無限の金と時間があるのだから、髪の毛だけで済むはずもない。
それはともかく・・・
少し前の私であれば、「はい、私は3流、いや4か5流ですよ」と最初から相手にならずに撤退した。まあ、言い方には多少、配慮はするが。
それは、楽ではある。
そんな時、相手は狼狽することも多いし、後で、難癖を付けてきた者が直接では決してないが、和解を打診してくるものだ。相手も、自分が何の信念もなく私に敵対していることくらい知っているからだ。
1つ、優れた知恵を教えるなら、相手が予想できるような反応をしないことが、何事もうまくいく秘訣だ。
これをマスターすれば、およそ思い通りにいかないことはない。どんな高値の花だって恋人にも出来るだろう。
これは、魔法の精神医と言われたミルトン・エリクソンから学んだことだ。
エリクソンは札付きの不良少年を一言で更生させ、彼の娘は高校時代、学園のヒーローを、ほとんど何もせずに虜にし(別に彼女は美人でもセクシーでもない)、教師になってからは暴力的な不良高校生を一瞬で自分の忠実な僕(しもべ)にしたのだ。

だが、今の私は、結果はどうなろうと、ただ良心に従うことにしている。
そうだ、自分のことに関する限りは、結果はどうでもいいのだ。
また、自分の問題だけでない場合は、世間的な駆け引きをすることが良心に従うことである。
そして、これが、世界一、いや、史上最高の有能な精神科医エリクソンを超えることなのだ。
ただ、エリクソンの手法を学ぶための本と、彼のノウハウを研究して開発されたNLP(神経言語プログラミング)の原開発者による、一般向けNLP技術の本、および、参考になると思われる本をご紹介しておく。まずは、これらを学ぶことにも意味があるだろう。









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高学歴ニートと学校教育に縁のなかった天才

子供や若い人は、頭が柔らかくて理解力があるが、年を取ると、頭が固くなって新しいことを習得出来ないとよく言われる。
確かに、実態も、ほぼその通りと思える。
しかし、それで言うなら、今は、中学生ですら、必ずしも若いとは言えないし、大半の高校生は、もう老人並に固定観念が出来上がっているのではないかと思う。

そもそも、理解するとはどういうことだろう。
世間では、それは、理屈を組み合わせて答を導き出すことであるように言われるが、その考え方こそが、子供から理解力を奪っている。
理解するというのは、心の奥に、ぱっと閃くものがあり、それをしっかりと感じることだ。その時、「分かった」と思うのだ。
子供は、その閃きが多いので、理解力が高いのである。
つまりは、理解というのは、所詮、全て閃きであり、もっと端的に言えば直感なのだ。
しかし、高度な科学を理解するには、必要な基礎がなければならないと言われるだろう。そうなのかもしれないが、直感と共に理解しなかった基礎というのは、何の役にも立たないなかりか、そのまま高度なことをやろうとすれば、恐ろしい間違いを犯すのだ。
自然な閃きと共に構築された基礎があれば、そこから先もずっと進歩していけるのである。
しかし、今の子供は、試験の点を取るために、本当に理解もせずに、暗記や問題の解き方のテクニックを頭につめ込む勉強ばかりしているので、直感がすっかり鈍っており、大切なことが全く理解できないので、大人になっても役に立つことは何も出来ないのだ。だから、学歴は素晴らしいのに、何も出来ずにニートになってしまう者が沢山いるが、彼らは親の欲望の被害者なのかもしれない。

素晴らしい新発想の商品を開発し続ける会社の社長に、ある人が、「あなたの会社の社員の方々の学歴は素晴らしいのでしょう?」と尋ねたところ、「いえ、皆、中卒、高卒です。ちなみに私は小学校しか出ていません。エリートに発明なんか出来ません」と言われたらしい。発明が出来ないとは、直感が無いということであり、本当の理解力が無いということなのだ。
ある大教育者が言ったが、教育というのは、ある偏見から別の偏見に付け替えるだけのことなのである。それは、直感を完全に窒息させるものと言って間違いないだろう。
真に学ぶべきことは全て自然の中にある。
幼稚園を中退したアメリカのイツァク・ベントフが、天才的な医療エンジニアであったのは、自然を畏敬の念を持って熱心に観察したからであると思われる。例えば、毒蛇の牙を愛しむように観察して、素晴らしい皮下注射の方法を考案したことがあった。
自然を観察することの重要さについては、ジョージ・アダムスキーが詳細に解説し、直感的な理解力を得る方法を教えているが、その成果は、人間に超能力とでも言うしかない力をもたらす。しかし、それは単なる自然力なのである。
魔法の力を使って治しているとまで言われた天才的な精神科医であったミルトン・エリクソンは、トランス(変性意識)状態でしか不可能な恐るべき観察眼を持っていたが、それは、我々が普通に考える観察眼の延長ではなく、別次元のものであり、それが直感の力であるのだ。彼は、自分を自在にトランスに入れることで、いつでも直感の助けを得られたのである。
エリクソンの手法を多くの医学者や精神分析学者、心理学者が必死で研究するが、誰も彼のようなことは出来ない。皆、直感の力というものを理解していないからだ。
しかし、アダムスキーに素直に学べば、それが可能であるかもしれない。









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蔑み疎まれる者は仙人候補であるという理由

もし、想念を完全に静止させることが出来れば、大変なことになるだろう。
画家であれば、傑作を描くだろう。
演奏家であれば、最高の演奏をするだろう。
格闘家であれば、超人的な戦い振りを見せるだろう。
科学者であれば、隠された真理が閃くだろう。

端的な例を上げれば、不世出の空手家、大山倍達氏が若い頃、真剣を持った剣術の達人と決闘した際、「勝てるはずがない。よし、死のう。ただし、相打ちで」と思って突進していった後のことは何も憶えていないという。そして、気が付けば、剣術の達人は倒れてぴくりとも動いていなかった。
真に、無になれば不可能はない。

難しいのは、想念は静止しても、意識がなければならないことだ。
つまり、気絶していたり、眠り込んでいる状態とは違うのだ。
ごく簡易なこととしては、呼吸を止めれば数パーセントは想念は止まるだろう。
ただし、想念を止める目的(戦いに勝とう等)があれば、想念が数十パーセント多く動くので、息を止める程度ではどうにもならない。

ドイツ人心理学者カールフリート・デュルクハイムが大正時代に来日し、書の大家を尋ねた時、その書家がデュルクハイムに書をプレゼントすると言って、その場で書いてくれたことがあった。
ところが、書家は、硯(スズリ)に水を注ぐと、悠然と墨をすり始めた。
時間はかかったが、墨がすりあがると、書家は神業ともいえる見事な作品を仕上げた。
デュルクハイムが、「なぜお弟子さんに墨をすらせなかったのですか?」と尋ねると、書家は、「墨をすっていると心が澄んで無になる。その時に、私の内側の書家が書くのだ」と答えた。

「魔法を使って治している」とまで言われた天才精神科医のミルトン・エリクソンは、自分を容易にトランス(変性意識)状態にすることが出来た。このトランスが、想念を消した状態と言えるだろう。
実際、エリクソンは、トランスに入った後のことは全く憶えていないが、気が付いた時には、仕事が仕上げられていたということがよくあったらしい。もちろん、仕事をしたのは、自分で、そんな時の仕事は完璧であったようだ。
本日の朝の記事で、「仕事は、自分がやっているという自覚なしに出来る」と述べたことを、不可解に思った人もいると思うが、現実に可能であるばかりでなく、非常に良いことなのである。

では、どうやれば想念を静止させることが出来るかというと、早い話が訓練しかない。
法然は1日6万回、「南無阿弥陀仏」の念仏を唱え、ラマナ・マハルシの弟子プンジャジが1日4万回、クリシュナの名を唱えたが、それだけやれば想念は静止状態になる。ただ、普通の人に出来ることではない。

ここで、ほんの少し話を変え、想念を静止させる方法のヒントとしたい。
稀に、何気なしに、簡単に想念を静止させることができる人がいる。
ほとんどの場合、本人は、それで何かするというのではない。
そんな人というのは、例えば、子供時代に非常に辛い時間が長くあり、その苦しみを逃れるため、自然に想念を止める術を身に付けてしまったのだ。
矢口高雄さんの漫画だったと思うが、マタギと呼ばれる狩猟家の若者が、目の前で2人の男女がセックスをするところをじっと見なければならないという修行をするというものがあったと思う。実際にそんなことが行われるのかは知らないが、想念停止のための良い修行ではないかと思う。
いずれも、やむにやまれず、想念を消す必要に迫られ、その方法を身に付けたのである。

家庭にしろ、学校にしろ、会社にしろ、あなたが辛い状況にあるなら、それは、神が、「想念を止める技を修得し、超人、あるいは、仙人になれ」と言っているのである。
引きこもりなんて、どこに居ても辛いはずだ。つまり、引きこもりは全て、仙人候補である。
もちろん、私も思考を静止させることが出来る。
しかし、「どうやるのか?」と問われても困る。一応、何らかの精神的操作はするのだが、言葉で言えない。思考の流れの渦を空中で静止させる・・・そんな感じなのである。
しかし、想念を止めざるを得ない状況にいれば、意識さえあれば、誰でも、すぐに出来るようになるだろう。
だから、想念を静止せざるを得ないような嫌なことは、どんどんやるべきなのだ。
例えば、蛇が嫌いなら、本物は大変だろうから、大きくリアルな蛇の絵でも、部屋に飾っておきたまえ。
ヒンズースクワットは良い。ただ、しゃがんで立ってという動作を繰り返すだけのシンプルなトレーニングなのだが、これが地味で実に辛いのだ。私は、毎日、連続200回を欠かさない。1年365日、欠かさず毎日やっていると、想念を消しでもしないとやっていられなくなる。
これで、無念無想になるコツを掴めるばかりか、脚が強くなり、ダイエットにもなる。負荷なしのヒンズースクワットでは脚が細くなる。いいことだらけではないか?

ただ、こんなことがよくあったので、注意しておく。
悪意のある相手を前に、想念を静止させると、その相手は、大怪我したり、不幸な出来事が起こったり、最悪、本当に死ぬ。こちらに向けられた邪念は、こちらが無であれば、それを受け取らない。すると、それは、そのまま、発した者に返るのだ。密教では、呪い返しと呼ばれる秘法である。
自分の邪念で死ぬのが、その者の運命であったのだろうが、気味の良いものではない。
私も、殺すまではしていないと思うが、とんでもなく酷い目に遭わせてしまったことは数知れない。それは良いことではない。人の恨みは買わないことだ。









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プロフィール
名前:Kay(ケイ)
・SE、プログラマー
・初音ミクさんのファン
◆AI&教育blog:メディアの風
◆著書『楽しいAI体験から始める機械学習』(技術評論社)


当ブログは第1期ライブドア奨学生ブログです。
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