以前、書いたことがあるが、著名な投資家のマックス・ギュンターが、著書『運とつきあう』で、彼が最高の投資家と考えている人の、投資における最大の秘訣は、
「欲張らないことだよ」
だった。
これは、万能の幸運の秘訣であると思う。
株への投資においては、買った株が、元値よりも値下がりし、それでも下がり続けるようなら、損が少ないうちに、見限って売ってしまう、いわゆる「損切り」が大事だ。
それを、「いすれ持ち直す」と期待して、売らずにホールドを続けると、実際に持ち直す場合もあるだろうが、そうではなく下がり続けて大損することが多いものだ。
値上がりをしている時も、「もっともっと」と欲張っていたら、不意に値下がりしてしまって、儲けを逃すことが多い。
もちろん、根本的には投資の実力が最も大切なのであるが、欲をかくと、実力を発揮出来ないことは、何事も同じなのだ。

アレキサンダーやナポレオンといった征服王が、なぜ、ある時から駄目になっていったかというと、やっぱり欲張ったからなのだ。
占領が成功し続ける中で、いくつかうまくいかない場所があっても、勝てる確証がなければ無理をせず、引くべきところは引かなければならないのだ。
もう昔になるが、ドワンゴが、ニコニコ超会議を始めた時のテレビCMの、「幕張メッセを、だいたい占拠」というアナウンスは、面白いだけでなく、印象的だった。
当時、ドワンゴの会長だった川上量生さんが、よく、「だいたい」「わりと」という言葉を多用していたが、この欲張らない姿勢が、案外、ドワンゴの成功の要因の1つではあるまいかと思う。
アレキサンダーも、ナポレオンも、「だいたい征服」で良かったのだ。

今回のアメリカ大統領選挙で、トランプの敵らは、長続きはしないと思う。
つまり、そろそろ崩れてくる頃で、そうなれば、崩壊は速い。
と言うのは、敵の上層部の者達の欲は限度を知らないし、敵の上層部を操る、どこぞの社会主義国家の権力者達の欲にも果てがないからだ。
たとえ悪者であっても、「足るを知る」立派な悪者(笑)は、非常に長続きし、大物として尊敬もされ、さらには、世の中の役にも立つのである。
しかし、餓鬼のごとく、果て無く欲しがる浅ましい悪者は、あっという間に悲惨な最後を迎えるのが常だ。

もちろん、望みは大きな方が良い。
そして、正しいやり方を知っていれば、願いは叶うだろう。
しかし、いつかは、「ここが引き時」ということが分かるだろう。
それはおそらく、新しいステージに進むべき時が来たということだ。
>