アイザック・ニュートンの勉強法を興味深いと思ったことがある。
ニュートンは、何かの本(例えば、デカルトの数学の本)を学ぶ際、最初から読んでいき、解らなくなったところで、その本の勉強をしばらく止め、また最初から読んだ。
すると、2回目は1回目より先に行ける。
それを繰り返せば、いずれ、1冊読み終わり、内容をマスターしている。

現代のAIの主流であるディープラーニングも、そんな学習をする。
ただ、ディープラーニングの場合は、本に例えれば、最初から1冊読み切ってしまうのだが、本と違って、最初の方と終りの方に差異がないデータで学ぶから、それで良い。
それを、何百、何千回と繰り返し、遂に、内容をマスターしてしまう。

本は、最初の方と終りの方では内容が違うので、必ずしも、最初に通読する必要はない。
そして、ニュートンは、その本をいったん読むことを止めても、別のことを勉強したり、あるいは、自然を観察したり、何かを考えたりしていたのだと思う。
それは、ディープラーニングには出来ない勉強だ。
確かに、AIは、固定された(同じような)情報であれば、人間とは比較にならないほど速く、数多く繰り返すことが出来る。
とはいえ、やはり、AIが学ぶ範囲は狭いし、多様性に欠ける。

ところで、ニュートンだって、「解らなくなった時点で、いったんその本の勉強を止める」といっても、案外に、放置する時間は短かったかもしれない。
そして、前の方の部分を特に数多く繰り返し、その中にある法則を掴み取るのであるが、重要な基礎は前の方に書かれてある場合が多く、ニュートンは基礎を柔軟な形で習得したのだと思う。
だが、現代の学校で流行の短気集中型学習では、基礎が深く定着せず、せいぜいが受験には役に立つが、実用的なことが出来る力はつかないと思う。
私は、ディープラーニングの良い面も意識しながら、ニュートンのように勉強しようと思う。
短期間に詰め込むような学校式の勉強は避け、あまり一生懸命やらず気楽で良いが、例えば1日1回は必ずテキストを開こうと思う。
これなら、何でもマスター出来るだろう。