私が好きな古い引き寄せの本に、『トーチェ氏の心の法則』がある。
1959年に書かれたもので、もちろん、当時は「引き寄せ」という言葉があったわけではないが、引き寄せの本と言っても良いと思う。
元々は、研究報告書のような形で書かれたもので、全ての話がエビデンス(根拠)となる具体的事例と科学的推論に基いて書かれているが、一般向けに書き直したのか、決して難しくはない。
『トーチェ氏の心の法則』では、まさに、世界は意識が作っており、人間は、信念・・・というか、自分の思い込みで世界を作り上げていることが明晰に語られている。
たとえば、ある末期癌の患者が、沢山食べれば治ると思い込み、一生懸命食べていたら、本当に治ってしまったという話の他に、沢山の不思議な話が書かれている。
逆に、「思い込みがなければ起きない」という、逆方向の面白い話もある。
たとえば、ある未開民族の人々は、脚が折れたら走れなくなることを知らないので、脚が折れていても平気で走り回っていたという。
また、酔っぱらって3階か4階から落ちた酔っ払いの2人連れは、酔いのため、ちょっと何かを踏み外しただけだと思っていたので、すぐに起き上がると、気分良く歩いて行った。
今、参政党という新興の政党が人気がある。
この参政党では、小麦製品を食べてはいけないと主張している。
つまり、パンや小麦で作ったクッキーのようなお菓子は絶対に食べてはいけないという。癌になるリスクが高まるのだそうだ。
『トーチェ氏の心の法則』の著者が、もし、この話について研究していたら、次のようなことを書くかもしれない。
「これまでパンやクッキーを沢山食べても健康だった人が、参政党の話を信じてしまい、癌になって死亡した」
コリン・ウィルソンの『超越意識の探求』という本のあとがきに、こんなエピソードが書かれている。
何をやっても駄目で、自信がない青年がいた。
ある時、この青年が「僕はなんて駄目なんだろう」とつぶやくと、側にいた知人が、
「君はちっとも駄目じゃない。自分でそう思っているだけさ」
と言ったところ、この青年は何かを感じ、知人のその言葉が心から離れなかった。
そして、この青年は、誰からも尊敬される素晴らしい人物に生まれ変わった。
『トーチェ氏の心の法則』を適用すれば、この青年は思い込みを「自分は駄目」から、少なくとも「ちっとも駄目じゃない」に変えただけだ。
もし、あなたの収入が少ないなら、自分は安い収入しか得られないと思い込んでいるだけだ。
もし、あなたがモテないなら、自分はモテないと思い込んでいるだけだ。
引き寄せというのは、つまるところ、自分に都合の良い思い込みを持つというだけのことだ。
ドナルド・トランプが若い頃、「俺はスーパースターだ。どんな女もモノに出来る」と威勢よく言う音声が公開されたことがあった。2016年の大統領選で、敵側がトランプの人格を攻撃するためだった。
これに対し、トランプは、「若い時は誰だってこんなことを言うものだろう?」と言い、「そりゃそうだ」ということになった。
しかし、羽目を外した冗談は誰でも言うが、トランプのように「俺はスーパースターだ」とは滅多に言わない。
トランプは、いつもそう言っているうちに、それが思い込みになり、本当にスーパースターになったのだ。
一種のアファーメーションである。
だが、多くの家庭では、親によって子供に酷い思い込みを持たせている。
「お前はグズだな」
「あんたってブスね」
「この短足」
そのために、子供は自分がグズだと思い込んで本当にグズになり、ブスになり、脚が短くなるのだ。
アンデルセンの『みにくいアヒルの子』という有名な童話があり、このお話は、自分は醜いと思い込んでいたアヒルの子が実は白鳥だったというもので、単純に捉えれば、トーチェ氏の話と反対のように思える。
だが、それは全くの誤解だ。
このお話は長く、いろんな想いが込められている。
このお話は、アンデルセン自身の物語であり、アンデルセンは読者に「君は本当は素晴らしいのだ」と教えているのである。
それも巧妙にね。
このお話を、特に子供の時に真面目に読んだ人は幸運である。
1959年に書かれたもので、もちろん、当時は「引き寄せ」という言葉があったわけではないが、引き寄せの本と言っても良いと思う。
元々は、研究報告書のような形で書かれたもので、全ての話がエビデンス(根拠)となる具体的事例と科学的推論に基いて書かれているが、一般向けに書き直したのか、決して難しくはない。
『トーチェ氏の心の法則』では、まさに、世界は意識が作っており、人間は、信念・・・というか、自分の思い込みで世界を作り上げていることが明晰に語られている。
たとえば、ある末期癌の患者が、沢山食べれば治ると思い込み、一生懸命食べていたら、本当に治ってしまったという話の他に、沢山の不思議な話が書かれている。
逆に、「思い込みがなければ起きない」という、逆方向の面白い話もある。
たとえば、ある未開民族の人々は、脚が折れたら走れなくなることを知らないので、脚が折れていても平気で走り回っていたという。
また、酔っぱらって3階か4階から落ちた酔っ払いの2人連れは、酔いのため、ちょっと何かを踏み外しただけだと思っていたので、すぐに起き上がると、気分良く歩いて行った。
今、参政党という新興の政党が人気がある。
この参政党では、小麦製品を食べてはいけないと主張している。
つまり、パンや小麦で作ったクッキーのようなお菓子は絶対に食べてはいけないという。癌になるリスクが高まるのだそうだ。
『トーチェ氏の心の法則』の著者が、もし、この話について研究していたら、次のようなことを書くかもしれない。
「これまでパンやクッキーを沢山食べても健康だった人が、参政党の話を信じてしまい、癌になって死亡した」
コリン・ウィルソンの『超越意識の探求』という本のあとがきに、こんなエピソードが書かれている。
何をやっても駄目で、自信がない青年がいた。
ある時、この青年が「僕はなんて駄目なんだろう」とつぶやくと、側にいた知人が、
「君はちっとも駄目じゃない。自分でそう思っているだけさ」
と言ったところ、この青年は何かを感じ、知人のその言葉が心から離れなかった。
そして、この青年は、誰からも尊敬される素晴らしい人物に生まれ変わった。
『トーチェ氏の心の法則』を適用すれば、この青年は思い込みを「自分は駄目」から、少なくとも「ちっとも駄目じゃない」に変えただけだ。
もし、あなたの収入が少ないなら、自分は安い収入しか得られないと思い込んでいるだけだ。
もし、あなたがモテないなら、自分はモテないと思い込んでいるだけだ。
引き寄せというのは、つまるところ、自分に都合の良い思い込みを持つというだけのことだ。
ドナルド・トランプが若い頃、「俺はスーパースターだ。どんな女もモノに出来る」と威勢よく言う音声が公開されたことがあった。2016年の大統領選で、敵側がトランプの人格を攻撃するためだった。
これに対し、トランプは、「若い時は誰だってこんなことを言うものだろう?」と言い、「そりゃそうだ」ということになった。
しかし、羽目を外した冗談は誰でも言うが、トランプのように「俺はスーパースターだ」とは滅多に言わない。
トランプは、いつもそう言っているうちに、それが思い込みになり、本当にスーパースターになったのだ。
一種のアファーメーションである。
だが、多くの家庭では、親によって子供に酷い思い込みを持たせている。
「お前はグズだな」
「あんたってブスね」
「この短足」
そのために、子供は自分がグズだと思い込んで本当にグズになり、ブスになり、脚が短くなるのだ。
アンデルセンの『みにくいアヒルの子』という有名な童話があり、このお話は、自分は醜いと思い込んでいたアヒルの子が実は白鳥だったというもので、単純に捉えれば、トーチェ氏の話と反対のように思える。
だが、それは全くの誤解だ。
このお話は長く、いろんな想いが込められている。
このお話は、アンデルセン自身の物語であり、アンデルセンは読者に「君は本当は素晴らしいのだ」と教えているのである。
それも巧妙にね。
このお話を、特に子供の時に真面目に読んだ人は幸運である。