英国の作家コリン・ウィルソン(1931~2013)は、日本で言う中学校しか出ていないが(家庭の事情)、肉体労働をしながら図書館などで勉強し、23歳の時に書いた心理学的評論『アウトサイダー』で、一夜にして世界的作家になった。
彼の興味の対象は人間存在の内面で、彼の家にあった2万冊とも言われた蔵書の大半を実際に読んだという圧倒的知識と、その天才的洞察力で、人間の可能性の新たな視点を提示した。
だが、彼は、具体的にどうやれば簡単に超人になれるのかといったことや、まして、それによって何が出来るのかといった現実的メリットに関しては、関心がなかったのかもしれないが、ほとんど明確に示していない。しかし、彼の洞察はやはり貴重なヒントを与えてくれる。

彼の著書『右脳の冒険』や『フランケンシュタインの城』だったと思うが、こんな話がある。
ウィルソンがある時、ヒッチハイクをして運送用トラックに乗せてもらったのだが、そのトラックのエンジンが異音を立て始める。
整備出来る状況になく、ウィルソンと運転者の2人は、その異音を注意深く聞きながら、速度を落として走行した。
すると、2人の精神は高揚し、おそらく、超越状態に達した。
これについて、ウィルソンは面白い洞察を述べていたと思うが、ウィルソンに欠けているのは、
「どうすれば、そのような超越意識状態に簡単になれるのか?」
「その精神状態になれば、どんなメリットがあるのか?」
という、我々が一番知りたいことである。
我々が知りたいのは、正直言って、「うなるような」天才的解釈や洞察ではない。

では、ウィルソンらが、超越意識に至った原理を簡単に明かし、それによって、どうすれば、簡単にそうなるかを説明し、そして、そうなれば、どんなメリットが得られるかを示す。
ウィルソンら2人は、トラックのエンジンの異音に、否応(いやおう)なく強い関心を持ったはずだ。
その異音に強制的に心が引きつけられ、よそ事を考える余裕はなかったからだ。
よって、2人は過去の記憶や未来の空想を一切起こさず、今現在あるエンジンの異音にのみ集中したのだ。
それによって、2人には、過去や未来はなくなり、「今」だけになったのである。
科学的に言っても、実際に存在するのは「今」だけであり、過去や未来に実体はない。言い換えれば、「今」が実在であり、過去や未来は幻想である。
そして、人間の精神が覚醒するには、過去とか未来といった幻想を消し、実在する「今」のみがある状態でなければならないが、2人は、その状態に導かれたのだ。
「今」に生きる人間は、生命力が高く、活力があり、困難をものともせずに乗り越え、運も味方する。
確かに、その時、2人は、ずっと活力にあふれた快の状態で走行を続け、疲れるどころかエネルギーに満ち、そして、無事に走行を終えることが出来たのだ。
同じようになれるポイントは、今を意識することだけだ。
ウィルソンは、強く何かに集中することに意味があると思っていたが、集中すべきは「今」だけで、別に、顔を真っ赤にするような強い集中が必要なわけではなく、集中のために、強い緊張にさらされる必要もない。
単に、今、呼吸をしていること、歩いていること、食べていること、音楽を聴いていること・・・何でもいいから、今の状況に「あえて」「意識的に」心を向けるだけで良いのである。
そうすれば、意識は今という実在の中で無限と同調し、周波数を高め創造の力と一致する。
そうなれば、無限の意識である自分は万能であり、そこそこの引き寄せなど、他愛もないことになるのである。
それ以上のこともあるが、それは関心があれば、各自で体験すれば良いことであり、とりあえず我々が関心があるのは、現世利益であるはずだ。








  
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