何度か書いたことがあるが、私には、一代で高収益な上場企業を作った経営者の知り合いがいるが、彼が会社の幹部達に言っていたことが印象的でよく覚えている。
「俺とお前らで能力の差はない。違うのは素振りの数だ」
彼は野球ファンなので、そんな言い方をしたのだが、素振りというのは、全く適切な言い方だったと思う。
あらゆるスポーツ、事業、芸術、技術、その他、あらゆることにおいて、「素振り」に相当することは必ずある。

2年ほど前、まだとても若くて、可愛い女の子という雰囲気だったが、プロの優秀なイラストレーターに会った際、私は、彼女に自然に、こんなことを尋ねた。
「子供の頃から絵を描いていましたか?」
すると、予想通り、彼女は、
「1日中描いてました」
と即答した。
彼女が成功したのは、やっぱり、素振りの数の違いだ。
私のようなプログラマーの場合は、一種の業界用語みたいなものだが、「写経(しゃきょう)」と言って、優れたプログラムコードを、そのまま打ち込むということをしたり、いつも、ちょっとしたプログラムを作ったりといったことを常にしている者が優秀なプログラマーなのだ。
ベストセラー作家の中には、文豪の小説を、そのままタイプし続けた人もいる。私は、これが作家になる確実な方法の1つと思う。
イチローもだが、特に、テッド・ウィリアムズといった、歴史的な野球選手の、半端ない素振りの数のことはよく知られている。
(格好つけて、夜、家の前の道路で素振りをやっている高校生とかを見ることがあるが、時間が全然少ないし、そもそも、家で素振りをやって上手くなった選手はいない。家だと、すぐに中止出来るし、させられることが多いからだ)

日本のプロ野球史上、最高のバッターの1人だった落合博満さんの監督時代だったと思うが、ある若い選手が、勇敢に、落合さんに個人指導を願ったことがあった。長嶋一茂さんも、そんなこと(落合さんに個人指導の依頼)をしたそうだが、その若い選手は、一茂さんのように、父親が偉い人であったわけではないので、いい度胸と言えた。
すると、落合さんは、その若い選手に、部屋の中(球団幹部用の部屋だったと思う)で素振りをやらせた。
落合さんは、それを見ていたが、いつまでたっても、止めろと言わないので、その若い選手は、延々、素振りを続けた。
そして、何と、5時間、その若い選手に素振りをさせた後、落合さんは、「最後の、良かった」と言い、それが終了の合図となった。
ところが、その若い選手は、後にこう言っていた。
「スランプに陥るごとに素振りをした」
彼は、結局、成功せずに終わった。
スランプに陥った時ではなく、常に素振りをしなくてはいけなかったのだ。それも、長時間。
落合さんの指導って、「素振りをしろ」と教えたに他ならない。しかし、その選手は、それが理解出来なかったのだ。
落合さんは、その選手に5時間、素振りをさせた時、ずっと黙っていたのだから、他に理由があるはずがない。

引き寄せの素振りは、アファーメーション(口ぐせ、呪文、言霊、祈り、何と呼んでも構わない)だ。
「ツイてる」「大丈夫」「絶好調」「成功」「成功、富」、もう何でも良い。自分が好きな言葉を、数多く唱えた者勝ちである。
聖書の言葉など、高尚な言葉が好きなら、それでも良い。
高い実証効果が確認されているアファーメーションに「神様の奇跡が起こる」というものがある。
『奇跡の「右脳」開運法』で、著者の世界的教育学者、七田眞さんが実話と保証しているが、「神様の奇跡が起こる」と1日中唱え続けたホームレスが、2週間後に宝くじで1憶円当て、その後、不思議な出会いでローマ法王に謁見、さらに、そのアファーメーションを続けたら、再度、1憶円を当てた。
黒住宗忠は、ハンセン氏病(らい病)に罹った武士に、1日1万回「ありがたい」と言わせたら、武士は1週間で全快した。
特に、何をやっていいか分からない場合は、アファーメーションだけはやると良いだろう。








  
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