最近、斎藤一人さんの脳のお話の講演の録音を聞いて、引き寄せに関し、いろんなことが「噛みあって」きた。
斎藤一人さんのお話というのは、ある意味「独断」である。今流行の「エビデンス(根拠)」はない。
天動説だって、天体の動きをある程度までは説明出来るが、斎藤さんの論も、天動説のようなものかもしれない。
天動説は、どうしても複雑で矛盾が多くなるが、斎藤さんのお話も、そんな面は確かにあると思う。
つまり、斎藤さんのお話も、普遍的真理ではないかもしれないが、それでも、やはり、真理が含まれており、自分に必要な部分を取り入れれば良いのだと思う。
これは、イエスや釈迦の・・・というより、キリスト教や仏教に関しても同じことが言えるだろう。それらの全部が正しいわけではないが、やはり、貴重な真理があるのである。
確かに、斎藤さんのお話は、間違いもあるかもしれないが、極めてユニークで重要な真理もあるのだと思う。
私にとって、斎藤さんのお話で「噛みあって」きたのは、NLP(神経言語プログラミング)と、グロデックのエスに関してで、NLPもエスも、やはり間違いはあると思うが、重要な部分もある。
これに、斎藤さんのユニークなお話と、その他の沢山のことを統合させることで、実用的な技術が生まれる。
それは、極めてシンプルなものになる。
とはいえ、その技術は、スイッチを押しさえすれば、あらゆる問題が解決するといったものではない。
どうしても、最後は心の問題になるからだ。
その心を捨てれば、ある意味で世界は消えてしまうので、心の問題は無視出来ない。
そして、心には、操作マニュアルも、取り扱い説明書も作ることは出来ない。
なぜなら、操作マニュアルは理屈の世界のものであり、心は理屈を超えているからだ。
だが、現代人は、マニュアルとか「スイッチ」を欲しがる。「このスイッチを入れれば金持ちになれる」「このスイッチを押せば結婚出来る」といったものだ。
これは、マニュアルとスイッチが全てである現代の学校教育の影響である。
学校では、先生が答を持っている問題しか扱わない。それで、生徒は、どんな問題も、誰かが答を持っているという、壮大な勘違いをするようになる。
よく、教育者が「魚を与えるのではなく、魚の釣り方を教える」とか言うが、教育で教えられるのは魚の釣り方の基本だけだ。それを学んだからといって、実際に魚が釣れるわけではない。
真の答は、自分で見つけるしかないのである。

私が昔から好きだった話の1つについて、斎藤さんの教えを適用してみよう。
失敗続きの人生を送ってきた35歳の夏目志郎さんが、ある時、神様にこう祈った。
「神様、これまでの人生の失敗は私の責任です。でも、これからの人生はあなたに責任を取って欲しい」
すると、翌日、夏目さんが言うには、さっそく神の使者が来て、夏目さんの人生が動き始めた。
夏目さんの、それまでの人生の失敗も、その後の人生の成功も、全て、脳がやったことだ。
だが、やらせるのは、いずれも、夏目さんの意思なのだ。
分かり易い言い方をすれば、それまでは、夏目さんは「失敗しないとおかしい」と脳に言い、その後は、「成功しないとおかしい」と脳に言ったのだ。
それだけのことである。
夏目さんは中国人で、日本で失敗して膨大な借金を背負ってはいたが、姉から手紙が来て、
「中国に帰ってきなさい。私の夫の会社の重役のポジションを用意しています。良い家がありましたから、あなたのために買っておきました。車も運転手もつけます。借金のことは気にしなくて良いのです(私が払いますという意味)」
と言ってきたのだ。
つまり、脳は楽をするために失敗し続けたのだ。

では、脳がどれほどの力を持っているかの実例を、グロデックの論文から取り上げる。
戦争中、ある兵士が、自分の膝を指さし、「ここに弾が当たれば、俺は故郷に帰れる」と言うと、すぐに流れ弾が飛んできて、まさに、その膝に当たり、その兵士は望み通り、故郷に返れた。
それだと、脳は楽なのである。そして、脳は、そんなことは楽々出来るのだ。
斎藤さんが言われる通り、脳はサボりたがりで、放っておいたら、楽をしようとする。
だが、この兵士が、「俺は故郷に素晴らしい彼女がいるのだから、無事に帰れないとおかしいんだ」と脳に言えば、ちゃんと生き抜いた後、故郷に返れたのである。脳の仕事は多少ハードになるが・・・
しかし、多くの兵士は「自分が生きて帰れたらおかしい」と脳に言い、それで本当に死んでしまうのである。

斎藤一人さんのお話は、ただ「いいなあ」と思って聞いているだけでは効果はない。
自分で使い込み(いい思いをし)、検証し、自分にとってのエビデンスを作れば良いのである。








  
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